人身取引
[Wikipedia|▼Menu]

「身売り」はこの項目へ転送されています。企業売却の意味の身売りについては「M&A」をご覧ください。

この記事には参考文献外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です。適切な位置に脚注を追加して、記事の信頼性向上にご協力ください。(2012年2月)

人身売買(じんしんばいばい)とは、人間を物品と同様に売買すること[1]。現代ではこれに類する行為に対して、多様な実態と法的位置づけの、広い範囲に用いられている。目次

1 概要

2 送出国・中継国・受入国

3 国際的な取り組み

3.1 人身取引議定書


4 各国の事例

4.1 日本

4.2 中国および朝鮮の領域

4.2.1 元・高麗・南宋

4.2.2 李氏朝鮮・韓国

4.2.2.1 北朝鮮


4.2.3 中華人民共和国


4.3 アメリカ合衆国


5 アメリカ国務省の分類

5.1 2018年


6 人身売買を扱った作品

6.1 映像

6.2 自伝・伝記

6.3 文学

6.4 童話


7 脚注

8 関連項目

9 外部リンク

概要

現代の多くの先進国において、人身売買が語られるさい、それは「人身や行動範囲を強く拘束するような契約を、当人の了承を要さずに他人間でかってに売買し、それが人道的に悪質であるもの」のことである。悪い典型的な形は「高額の契約金を当人でなく別の者が受け取り(または高額の密入国費用を借金して払い)、当人が何年も不自由な場所で拘束され、知らぬ間に別の相手や場所へ契約が移転し、価値観上または肉体的に苦痛か危険な労働を長期間強制されて過ごすうちに当人に不利な条件が追加されて抜けられない」というような状況である。(管理売春であるというだけではこれに当てはまらない。)

多くの文明国の場合、法的には直接的に売買されるのは、"契約"や"契約相手である権利"、"契約金や密入国費用という貸した金の権利"なのである。これが契約内容による不自由さや無知、その他の環境によって一般社会の法的に保護された状態から外れた環境に置かれることで、人間自体を売買し拘束できるかのような状態が作られる。このような種類の契約や実態を(非難の意味を込めて)人身売買という。当人側がこのような不利な苦労と危険をある程度は覚悟して了承し、契約をすることを身売りという。このような状態に置かれた人を(非難の意味を込めて、実質的な)奴隷と表現することもある。現代の中・先進国で人身売買の奴隷と表現される人の多くはこの状態のことであり、借金か一定期間の拘束契約がその実質的な拘束力の中心をなしている(合法という意味ではない)。低中進国では契約より慣習の力が強いこともある。

文明国では、たいていは一般の労働契約との延長線上にある面があり、その実際上の拘束や搾取レベルが一定を越えたところで法的保護によって防止・救済されるべきものでもある。このレベルは時代によって異なる面がある。(現在、多くの国では労働基準法及び職業安定法相当の法律によって違法な労働や契約を強行法規的に禁止しており、違法レベルの条件で結ばれた契約は法的に無効である[2]。)

治安の悪い街・未開発地域・政情不安定な地域では、拉致誘拐などの暴力的手段による犯罪としての人身売買があることが、時おり報道されることがある。麻薬や人さらい、架空契約から始まる人身拘束は始めから確実に犯罪であり、上記の説明とは種が異なる (現在日本の法律的にいう人身売買は主にこちらである(人身売買罪) )。つまり「身売り(契約)」と「人さらいなど(暴力・犯罪)」の二つの異なるルートがあり、中間に「詐欺的なもの」などもあって、身売りから悪い条件が重なり転売されるなどして闇のルートに近づくこともある。

それらとは別に、金銭と引き換えを目的とする養子縁組が生じることがある(慣例としての謝礼はありうる)。これが個々の親子・縁戚関係であれば、人権問題があっても人身売買問題としては一般に取り扱われにくい。そのようなことを業としたり繰り返したり組織的あっせんがある場合において、人身売買の問題となる。これもまた、保護や人権擁護がどの程度行われているかによって本質評価は逆転する。

奴隷制度終焉以後の人身売買は一般に、自ら了承して身売りしたり(借金の返済、親族に必要な金銭の用立てなど)、に強要したり、親が子の替わりに契約を行ったり、また既にその状態の人を売買(転売)することもあるが、誘拐などの強制手段や甘言によって誘い出して移送することも多数あり、広義には当人に気づかせないグループ詐欺的な方法を含むことがあるなど、多様な実体・本質と分野を含む用語である。人身売買の非難アピールでは、それ以上に拡大して用いられたりする。

特に国際間の移動が絡むときには、組織の根本的摘発がやりにくいうえに、当人側も一種の不法入国という立場性や言語の壁などから当人が法的保護を受けにくくなる状況があり、詐欺的な就労を強制しやすく、全くの犯罪としての人身売買は悪質化して、行方不明になる率も高くなる。また子供は保護権の悪用も加わり、これらは悪質さの典型・象徴となる。1990年代以降、特に1996年の児童の商業的性的搾取に反対する世界会議以降、国際的な人身売買が国際問題として取り上げられることが多くなっている。

人身売買が行われる目的は、強制労働、性的搾取、臓器移植、国際条約に定義された薬物の生産や取引、貧困を理由として金銭を得る為の手段などにある。現代社会においては、概ねどの国においても人身売買は犯罪行為とされている。

人身売買は別名、人の密輸、ヒューマン・トラフィッキング(英語: Human Trafficking)あるいはトラフィッキング(英語: Trafficking[3])ともいわれ、日本国政府はこれを人身取引と表現している[4][5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:76 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef