人生劇場_飛車角
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『人生劇場 飛車角』(じんせいげきじょう ひしゃかく)は、1963年公開の日本映画および、同作含む全3作からなる映画シリーズ[出典 1]。製作・配給:東映、監督:沢島忠、主演:鶴田浩二[出典 2]。本項ではシリーズ作品3作について記述する。
概要

尾崎士郎の自伝小説『人生劇場』は、尾崎本人をモデルにした青成瓢吉を主人公とした長編文芸小説である[出典 3]。同書は「青春篇」「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」などに分かれ、それぞれの各所を活かし、この作品以前に7度、現在までに14度、映画会社や監督を変えて制作されている(人生劇場#映画)。これらの作品は同一シリーズを除いて直接的な繋がりはないが、本作以前は全て、瓢吉を主役に据えた物語であった。しかし岡田茂は初めて「残侠篇」の主人公である侠客・飛車角の生き様にスポットを当てることを着想し[出典 4]、「やくざ路線」を構想した[出典 5]。本作は『人生劇場』=ヤクザという通念を生み出すほどの成功を収めた[出典 6]。このため本作は今でいうスピンオフ映画の先駆けとも評される[15]
人生劇場 飛車角

人生劇場 飛車角
監督
沢島忠
脚本直居欽哉(実際は鈴木尚之
原作尾崎士郎
出演者鶴田浩二
佐久間良子
高倉健
月形龍之介
梅宮辰夫
加藤嘉
村田英雄
水島道太郎
本間千代子
音楽佐藤勝
主題歌村田英雄人生劇場
撮影藤井静
製作会社東映東京撮影所
配給東映
公開1963年3月16日
上映時間95分
製作国 日本
言語日本語
配給収入2億8800万円[16]
次作人生劇場 続飛車角
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『人生劇場 飛車角』(じんせいげきじょう ひしゃかく)は、1963年3月16日公開。シリーズ第1作。カラーシネマスコープ(2.35:1)、95分。

尾崎士郎原作の小説『人生劇場』シリーズを、当時東映東京撮影所(以下、東撮)所長だった岡田茂(のち、同社社長)が大きく翻案[出典 7]した、「仁侠映画」「ヤクザ映画」ジャンルの嚆矢となった作品である[出典 8]。配給収入は2億8800万円[16]。大ヒットし[26]、以降2作品が製作された[出典 9]
あらすじ(第1作)

大正時代。遊女のおとよと駆け落ちしてきた飛車角こと小山角太郎は、「小金一家」の小金親分の配慮で深川に隠れ住んでいた。小金一家は「丈徳組」と喧嘩になり、一宿一飯の義理がある飛車角は宮川と熊吉を連れて、その首魁・丈徳を刺し殺す。逃走中に逃げ込んだ庭先で出てきた初老のバクチ打ち・吉良常こと太田常吉は「おめえさん、無職(ぶしょく)だね」と事情を聞かずに彼をかくまう。義理のためとはいえ人を殺し女房を残していく飛車角の心をおもんぱかった吉良常は、「しょせんヤクザの行く道は赤い着物(=囚人)か白い着物(=死者)か」と渡世の定めを語り、吉良常は親分の忘れ形見である青成瓢吉のことを語る。飛車角は警察に自首して懲役5年を食らい、おとよは小金の弟分の奈良平が預かる。

深川不動の夏祭りへ出かけた奈良平とおとよだが、そこで小金が何者かに暗殺される。奈良平の表情で真相を察したおとよは逃げ出し、宮川にかくまわれる。似通った境遇の2人はやがて結ばれるが、宮川はおとよが飛車角の情婦だと知り青ざめる。そんな中、飛車角が恩赦で出所する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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