人生スイッチ
Relatos salvajes
監督ダミアン・ジフロン
『人生スイッチ』(じんせいスイッチ、スペイン語: Relatos salvajes, 英語: Wild Tales)は、2014年の映画(ブラックコメディ)。アルゼンチン=スペイン共作。脚本と監督はアルゼンチン人のダミアン・ジフロン(スペイン語版)。
出演者はリカルド・ダリン(スペイン語版)、オスカル・マルティネス、レオナルド・スバラーリャ、エリカ・リバス(スペイン語版)、リタ・コルテセ、フリエタ・ジルベルベルグ(英語版)、ダリオ・グランディネッティなどである。アグスティン・アルモドーバルとペドロ・アルモドーバルのアルモドーバル兄弟が共同でプロデューサーを務めている。音楽はグスターボ・サンタオラヤ。
2014年公開作品を対象とした第87回アカデミー賞ではアカデミー外国語映画賞のアルゼンチン代表作品(英語版)となり、またノミネートされた[6][7]。
アンソロジー映画であり、暴力と復讐という共通したテーマを持つ6つの独立した短編で構成されている[8][9]。
あらすじ
おかえし
モデルの美女は仕事へと向かう飛行機内で音楽評論家と乗り合わせる。そこで美女のかつての恋人ガブリエル・パステルナークがクラシック音楽を専攻していた事が話題に挙がり、音楽評論家は過去にガブリエルの応募作品を酷評していた過去を振り返る。すると、その話題に前席の乗客が反応し、彼女は小学生時代にガブリエルを落第させた教師であることを語る。さらにそれに反応した次の乗客は小学生時代にガブリエルをいじめていた同級生であった。さらに次に反応した乗客はガブリエルを解雇した店長…これに違和感を覚えた音楽評論家は、他の乗客にもガブリエルとの相識を尋ねたところ、ほとんどの乗客が過去の知人であり、乗客らへの航空券は会社や景品の名義でガブリエルから渡されていたことが判明する。そこに怯えるスチュワーデスが現れ、ガブリエルがこの航空便の客室乗務員であることを知らせる。彼女はガブリエルからの交際を拒否したことで逆恨みされていた。そしてガブリエルが機長室に入ってから連絡が取れず、一同はこの航空便が彼にハイジャックされたことを知る。乗客の一人であるガブリエルのかかりつけであった精神科医は彼への説得を試みるも、便は民家に向かって降下していく。そこにいたのは、ガブリエルの両親であった…
おもてなし
雨の夜に一人の男が来店する。これを応対した若きウェイトレスは、その男がかつて自身の家を破産に追いやり、家族の離別と父の死を招いた高利貸し・クエンカであったと気付く。それを打ち明けられた中年の料理人は復讐を提案。料理に殺鼠剤を混ぜ、毒殺を図る。これに葛藤するウェイトレスだが、クエンカが高慢な態度を見せることに憤りを見せる。料理人は毒入りの料理を用意するが、そこにクエンカの息子が現れ、親子で食事を始める。巻き添えに罪悪感を持ったウェイトレスはこれを制止しようとするが、クエンカと口論になる。そしてクエンカは料理人に刺殺される。男の息子は救命され、料理人は逮捕された。
パンク
ディエゴは新車に乗り、砂漠の高速道路でドライブをしていた。すると、手前の古びた車が交通を遮る。これに怒ったディエゴは追い抜くとともに古びた車の運転手を侮辱するが、進行先で車がパンクする。そこへ古びた車が追い付き、中から悪漢が現れる。男はディエゴの新車を破壊するとそのまま立ち去ろうとするが、怒れるディエゴは男を車ごと川岸へ突き落とす。激怒した男は這い上がりディエゴに殺意を向けるが、ディエゴはそのまま立ち去ろうとする。だが、男の脅迫に激怒したディエゴは丸腰の男を轢殺しようと突撃を試み、川岸に転落してしまう。男はディエゴに執拗な攻撃を加え、ディエゴもそれに反抗する。男はとどめに車へ着火するが、ディエゴがこれを制止し、二人は爆発に巻き込まれる。
ヒーローになるために
爆破解体職人のシモンは仕事を終え、娘の誕生日会にケーキを購入するため店へ立ち寄った。すると短時間の停車にもかかわらず、自身の車がレッカー移動されてしまう。渋々レッカー代金を支払うシモンだが、この手続きのために遅刻したことで家族に批判される。次にシモンは制度の厳しさから自動車局の職員と口論になり、窓口を攻撃。その責任を問われ解雇される。さらにそれまでの不満が爆発したシモンの妻は離婚を切り出す。孤立したシモンは、自身の車に爆発物を仕掛け、意図的に放置。レッカー移動先の事務所を爆破する。