「京阪特急」(けいはんとっきゅう)は、京阪電気鉄道が運行する特急列車(京阪特急)を宣伝するため制作された楽曲。
本項では2003年に制作された「出町柳から」と「朝靄の京橋で乗り換え」及び2008年に制作された「はじまりは中之島」についても記述する。 京阪特急のテーマソングとして1958年(昭和33年)に制作。歌手は楠トシエ。当初は京阪本線が天満橋?三条だったため、歌詞も「天満橋から三条へ」となっていたが、1963年(昭和38年)4月15日(営業開始は翌4月16日より)の淀屋橋延伸に伴い、「淀屋橋から三条へ」と歌詞が変更された。その後は次第に歌われなくなり、1989年(平成元年)10月5日に鴨東線が開業し京阪特急が出町柳へ延伸されても「淀屋橋から出町柳へ」と歌われることはなかった[1]。1997年(平成9年)に発売されたVHSビデオ「甦る京阪電車の昭和時代」[2]に「天満橋から三条へ」バージョンが、1994年(平成6年)に発売されたCD「三木鶏郎集大成CD?トリロー・コレクション」[2]、2001年(平成13年)に発売されたCD「スルッとKANSAI Sound Collection Vol.01」に「淀屋橋から三条へ」バージョンが収録されている。 その後、2003年(平成15年)に三浦理恵子が当時建設中の中之島新線にちなんだ[3]「中之島ゆき」名義で発表した「出町柳から」と「朝靄の京橋で乗り換え」が制作された。この曲は、同年5月21日に京阪電鉄が設立したレコードレーベル「淀屋レコード」からミニアルバムのCDを発売し、タワーレコード梅田店・難波店[3][4](大阪市)では週間邦楽インディーズシングルチャート1位、タワーレコードのネット販売で邦楽インディーズ部門1位[3]、オリコンの週間インディーズシングルチャートでは最高8位(2003年8月4日付)を獲得した。このCDは元々関西のタワーレコードとアンスリー限定販売であったが、好評のため同年7月7日に全国発売されている。このCDは、2009年現在でもイベント等の際に入手可能である。冒頭の部分がK特急の発車メロディとして採用されていた。前者は2008年のダイヤ改定の際に定期使用されなくなったが2014年秋の特別ダイヤから快速特急の発車メロディとして復活し、快速特急定期運転化後の2017年8月4日まで使われた。(このほか、2009年臨時快速特急中之島行き運行時に流れた)。後者は2008年のダイヤ改定以降も快速特急の発車メロディとして使用され、快速特急定期運転化後の2017年8月3日まで使われた。 そして、2008年(平成20年)に京阪中之島線が開業したのを記念して、同年10月8日に3代目おけいはん・森小路けい子こと神農幸が中之島線オープニングソング「はじまりは中之島」を朝日放送系列のレコード会社・中之島レコーズから発売した。作曲は“浪速のモーツァルト”ことキダ・タロー(モーツァルト北浜)が手掛けた。カップリング曲は「鴨リバーサイド物語」。
概要
京阪特急
作詞・作曲:三木鶏郎
編曲:嵐野英彦
歌:楠トシエ、ホアーコインズ
ひらかたパークやひらかた大菊人形、鴨川など京阪特急沿線の風物のほか、琵琶湖(遊覧船への連絡案内を行っていた)や比叡山ドライブウェイなど、京阪グループが関わる沿線外の地域の風物も歌い込んでいる。なお、当時の京阪特急は京阪間ノンストップで、枚方市駅には停車しなかった(ひらかたパーク最寄りの枚方公園駅は現在でも通過する)。歌詞は当時の車窓を反映していたが、京都市街の鴨川東岸を走っていた区間は1987年(昭和62年)に地下化されて車窓から鴨川が消えたほか、ひらかたパークのひらかた大菊人形も2005年(平成17年)を限りに開催されなくなった。
出町柳から
作詞:Sadahiro Ikeda つんく
作曲:Sadahiro Ikeda / キダタロー
編曲:Yoshiki Aoi
歌:中之島ゆき(三浦理恵子)
当初はCMでのみ使用する予定だったが、代理店に楽曲制作を依頼したところフルコーラスが完成していたため、CD化が検討された。そしておけいはんのCMが好評であったことから、CD化に踏み切った[4]。2010年から2018年まで、東北楽天ゴールデンイーグルスが関西[5]限定でチャンステーマとして使用していた[6]。
朝靄の京橋で乗り換え
作詞:Sadahiro Ikeda
作曲:Sadahiro Ikeda / Akihito Hayashi
編曲:Yoshiki Aoi
歌:中之島ゆき(三浦理恵子)
歌詞に「枚方市にはこの秋からいいことがあると誰かが言ってます」とあるが、これは「枚方市駅の特急停車」のダイヤ改正予告であった(当時は枚方市駅には「出町柳から」で歌われているように、平日朝ラッシュ時の淀屋橋行きのみ停車であった)。