交響詩篇エウレカセブン_ポケットが虹でいっぱい
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交響詩篇エウレカセブン
ポケットが虹でいっぱい
監督京田知己(総監督)
原口浩
脚本京田知己
大塚ギチ(脚本協力)
原作ボンズ
製作南雅彦
長谷部大樹
板垣浩文
小岐須泰世
丸山博雄
出演者三瓶由布子
名塚佳織
藤原啓治
根谷美智子
山崎樹範
小清水亜美
音楽佐藤直紀
主題歌iLL「Space Rock」
撮影木村俊也
編集奥田浩史
制作会社キネマシトラス
製作会社劇場版「交響詩篇エウレカセブン」製作委員会
配給東京テアトル
公開 2009年4月25日
上映時間115分
製作国 日本
言語日本語
興行収入約1億円[1]
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『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』(こうきょうしへんエウレカセブン ポケットがにじでいっぱい、Psalms of Planets Eureka seveN good night, sleep tight, young lovers)は、2009年4月25日に公開されたアニメーション映画2005年から2006年にかけて放送されたテレビアニメ交響詩篇エウレカセブン』の劇場用アニメーション作品である。制作はボンズ。アニメーション制作はキネマシトラス。テレビシリーズとは「別宇宙」での物語を、本作用に新規に描き起こされた映像と、既存のテレビシリーズの映像とを用いて描く。
概要

2008年4月に劇場用アニメ化が決定し、2009年4月25日に全国テアトル系の映画館にて公開された。全国6館と小規模で封切られたものの、公開後2日間の観客動員数は6484人、興行収入は1049万9200円を記録した[2]。2009年12月時点で興行収入は約1億円を記録している[1]

本作の企画が『アニメ化企画進行中・劇場版 交響詩篇エウレカセブン(仮)』として、最初期の誌上リリースがあった際、ボンズで制作総指揮をとる代表取締役社長の南雅彦は「神話」というキーワードを挙げている[3]。この「神話」にあたる映像に関して、テレビシリーズでは、本作中でも同じ表紙を持つ書物にジェームズ・フレイザーの著作名があてられていたが、本作では具体的な著作名は挙げられていない。しかし、「神話」の存在が物語の展開上、重要な役割を担っており、クレジットでは神話協力として専門家の小関章ラファエルの起用もみられる。ただ、本作のモチーフは児童文学『ピーターパン』である。

本作では、テレビシリーズ『交響詩篇エウレカセブン』でシリーズ構成や脚本などを担当した佐藤大は参加しておらず、京田知己が総監督、ストーリー構成、脚本を手掛け、京田個人の特色がより色濃く反映された作品である[4]。またテレビシリーズの特色の一つであるサブカルチャー色は控えめになっており、特徴であった電子音楽も流れていない。

企画当初は、テレビシリーズ1話から48話の総集編、および充分にエピローグを描けなかった49話・50話を再編集と新作カットで補完した「2本立て」にする案だったが、2本では劇場の回転数が減るという理由で却下された[5]。その後、映画は「1本」という方向で進んだが、制作現場の関係者との交流をもとに京田が作った新たなストーリー案が却下され、京田自身は「これは無いな」と思ったアイデア[6]が実際に本作品に採用された。当時のインタビューでは「テレビシリーズを再編集しながらも、総集編ではない劇場用アニメの制作に挑戦したい」[7]という主旨の発言をしている。

完成した作品は、カット単位で分解されたテレビシリーズの映像と新作映像とで再構成され、テレビシリーズの登場人物・キャラクターなどはそのまま流用しつつも、全くの別世界の物語となった。ゆえに本作品は、テレビシリーズと世界観、人物設定などが大きく異なり、テレビシリーズで協力関係であった人物が本作品では敵対関係であったり、善悪属性が相反していたり、血縁関係だった人物が他人となっていたり、劇中現在故人という扱いの者もいるなど、全体的に異なった設定になってしまった(一種のスターシステム的な用法)。

本作品の舞台は、テレビシリーズの最終話にて描かれた、スカブ・コーラルの半分が人類との共生を目指して旅立った「別宇宙」(=多元宇宙パラレルワールド)である[8]。本編中にテレビシリーズとの関係の詳しい説明はないが、テレビシリーズの舞台であった惑星が登場する。京田によると、「イマージュ」(=スカブ・コーラル)が再び戦争を起こすことを避けるため、自分達が元来いた世界(=テレビシリーズの世界)を共生のひとつの成功例として見せたとのことであった。

本作品のサブタイトルは、YMOの楽曲「ポケットが虹でいっぱい」からの引用である[7]
キャッチコピー

これはレントンとエウレカの、もうひとつの物語―。

もうひとつの、恋の物語―。

どうしようもないこの世界で、それでも僕らは夢を見る―。

ストーリー

これはもうひとつの宇宙、もうひとりのレントンとエウレカの物語。

突如、南太平洋に出現した、謎の生命体イマージュと、人類との間に戦争が始まって、約半世紀もの月日が流れていた。恐怖と憎悪が世界を覆い、人々は希望を失っていた。

ワルサワの基地で暮らす少年レントンと少女エウレカ、そしてKLFの幼生ニルヴァーシュ。彼らにとって大切な大人だったドミニク先生は、別れも言わずに彼らの前から姿を消す。

ワルサワでの研究が「ドーハの悲劇」という未曾有の災厄を招き、ドミニクが犠牲になったことをレントンは後に知る。その後、突如現れた人民解放軍によってエウレカが拉致される。レントンは泣き叫ぶエウレカを助けることが出来ず、初めて味わう大人の暴力に屈し、ただただ無力な自分に打ちのめされる。

その後、研究の中心メンバーだったチャールズ・サーストンとレイ・サーストンの子として、レントンは壮絶ないじめに遭う荒んだ日々を過ごす。成長したレントンは、同じくKLFに成長したニルヴァーシュを相棒に凄まじいまでの適性を発揮して、空軍パイロットに抜擢されていた。

西暦2054年、人民解放軍第303独立愚連隊の戦闘母艦・月光号に配属されたレントンは、ホランド隊長の指揮の下、サウス・ダコタの軍基地にある最重要機密回収の特務に就く。作戦中、暴走したニルヴァーシュに導かれ、レントンはイマージュの群れが取り囲んだ基地の中に生き別れとなっていたエウレカを発見する。

だが、エウレカはなぜか、何かに怯える様子で、レントンとの再会を涙ながらに喜びながらも、共に行くことを拒絶する。崩れた基地から大空に投げ出されたエウレカに反応してニルヴァーシュが変化を遂げ、凄まじいエネルギー波を放ってイマージュの群れを消滅させる。

月光号に帰投しようとするレントンにホランドは、作戦目的である軍の最重要機密がエウレカであるという事実を告げるのだった。

人類は絶望的状況に追い詰められていた。選ばれた2万人の人類を地球外に脱出させる「メガロード計画」と並行し、起死回生の手段として推し進められていた「神の鉄槌計画」は、その実行責任者であるデューイ・ソレンスタム少将の暗殺という非常事態に陥っていた。やむなく計画は、人民中央政府首相ブラヤ・マッティングリーに引き継がれる。定年退職を間際に控えていたブラヤの元妻コーダ・ラベルは、少将暗殺事件の調査に駆り出される。

腹心の秘書官マリア、その夫で公安局長のユルゲンスと共に暗殺現場に残されたダチュラという薬品の注射器を手がかりとして事件を追うコーダは、「ドーハの悲劇」の英雄として持て囃されていたデューイが自らの性癖を満たすため戦災孤児の少年少女を囲い、逮捕状が出ていたという醜聞を知る。

その後、コーダたちの元に、エウレカを回収した第303独立愚連隊が命令に違反して逃亡したという知らせが届き、さらに叛乱の首謀者であると目されていたホランド・ノヴァクが遺体で発見される。コーダは第303独立愚連隊が戦災孤児の少年少女たちによって構成され、デューイ、ホランドを暗殺し、エウレカを回収強奪したのが“彼ら”であると確信する。


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