この項目では、「ザ・グレート」と呼ばれる交響曲について説明しています。「未完成」と呼ばれる交響曲については「交響曲第7番 (シューベルト)」をご覧ください。
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Schubert - Sinfonie Nr_8 C-Dur D_944 'Grose'
フランツ・シューベルトの交響曲第8番ハ長調 D 944 は、1825年から1826年にかけて作曲され、1838年に初演された4楽章からなる交響曲[1][2]。目次 本記事で扱うシューベルトの交響曲は、古くより番号が様々に呼ばれ、20世紀初頭までは「未完のものを除いて7番目」なので第7番と呼ばれることが多かった。次いで、1951年にオットー・エーリヒ・ドイチュがシューベルトの作品目録を作成してドイッチュ番号を付番して以降は、未完ながら演奏される2曲(D729のホ長調のもの、および、D759のロ短調『未完成交響曲』)を含めて第9番と呼ばれるようになった。ドイチュ死後の1978年にヴァルター・デュル
1 解説
1.1 概要
1.2 シューマンによる発見と初演
1.3 グムンデン・ガスタイン交響曲
2 データ
3 作品構成
3.1 第1楽章 Andante - Allegro ma non troppo
3.2 第2楽章 Andante con moto
3.3 第3楽章 Scherzo. Allegro vivace
3.4 第4楽章 Finale. Allegro vivace
4 演奏上の問題
5 脚注
5.1 注釈
5.2 出典
6 参考文献
7 外部リンク
解説
概要
本記事の交響曲は通称『ザ・グレート』(独:Die grose C-dur 、英:The Great C major)と呼ばれることがあるが、この呼び名はシューベルトの交響曲のうちハ長調の作品に第6番と第8番の2曲があり、第6番の方が小規模であるため「小ハ長調(独:Die kleine C-Dur)」と呼ばれ、第8番が「大ハ長調」と呼ばれることに由来する。この『ザ・グレート』はイギリスの楽譜出版社が出版する際の英訳によって付けられたものであるが、本来は上述のように第6番と区別するために付けたため「大きい方(のハ長調交響曲)」といった程度の意味合いしかなく、「偉大な」という趣旨は持たない。しかしそのスケールや楽想、規模は(本来意図したものではないにせよ、偉大というニュアンスでも)『ザ・グレート』の名に相応しく、現在ではこの曲の通称として定着している。
指示通りに演奏しても60分以上かかる大曲であり、シューマンは曲をジャン・パウルの小説にたとえ、「すばらしい長さ (天国的な長さ)」[注 2]と賞賛している。