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交通事故(こうつうじこ)とは、広義には陸上・海上・航空交通における事故の総称をいう。つまり広義には、道路交通事故、鉄道交通事故、海上交通事故、航空交通事故の全てを含む。既存の百科事典『日本大百科事典』でも陸上・海上・航空交通全てを含めて論じている[1]。
また交通安全の施策や統計などでも、道路交通事故のほか、鉄道交通事故、海上交通事故、航空交通事故などを含む広い意味で用いられる場合もある[2]。とはいえ、道路における自動車・自転車・歩行者などの間に発生した道路交通事故を指すことが最も多い(社会全体では自動車・オートバイ・自転車が最も身近で最も利用される頻度が高いので、事故の件数も船舶や航空機の事故よりも多いため。)
当百科事典においては、広義の交通事故について、つまり鉄道・海上・航空・道路の全てを視野におさめて交通事故を概観できる記事は、この記事をおいて他に無いので、まずこの記事の冒頭で広義の交通事故について概観し、その下の節で、最も身近な交通事故、つまり道路交通事故の詳細についても記述する。他の種の交通事故の詳細については別に立てた記事に譲ることにし、たとえば踏切事故を含む鉄道の事故は鉄道事故、船舶の事故は海難事故・水難事故(川下りなど)、航空機の事故は航空事故の記事に譲ることにする。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none} 交通事故は、交通手段別に「道路交通事故(自動車事故)」「鉄軌道交通事故(鉄道事故)」「海上交通事故(海難)」「航空交通事故(航空事故)」に大別される[1]。 1970年代以降、交通手段の大型化・多機能化・高速化などが進んだので、ひとたび事故が発生すると、多数の人々の命を奪ったり多くの財貨を奪ってしまうような大型の事故となる可能性が高くなった[1]。交通事故は、現代の社会不安の一つとなっている[1]。 たとえば、日本における広義の交通事故による死傷者統計を、種類ごとに年代を追って比較してみると以下のようになる[1]。 交通事故には人身事故と物損事故がある[3]。また、事故類型には次のようなものがある(参考「自動車保険データにみる 交通事故の実態」)[3]。 このほかに「車両対動物」の衝突事故も発生している(詳細は轢死#ロードキルを参照)。日本自動車連盟(JAF)は動物と衝突しないための注意や、衝突した場合における警察への届け出と(可能ならば)動物の救護・除去、後続車の通行の妨げになりかねない動物の死骸を発見した時の道路緊急ダイヤルへの通報を勧めている[4]。 交通事故の要因には主体要因、車両要因、環境要因がある[5]。
広義の交通事故の概観
単純な統計の経年変化
道路交通事故(死傷者):65万3582人(1984)、105万9403人(1999)、91万5029人(2009)、58万4544人(2017)[1]。
鉄軌道交通事故(死傷者):1538人(1984)、689人(1999)、683人(2009)、561人(2017)[1]。
海上交通事故(死者・行方不明者):252人(1984)、146人(1999)、142人(2009)、54人(2017)[1]。
航空交通事故(民間機のみ):46人(1984)、26人(1999)、9人(2009)、28人(2017)[1]。
道路交通事故の類型乗用車が木に正面から衝突した単独事故横転事故を起こしたトラックミキサ警察による交通事故処理の現場(兵庫県西宮市)十字路での比較的軽微な接触事故緊急走行で赤信号を通過中のパトロールカーが徐行せず、乗用車と衝突事故
人対車両
車両対車両(車両相互事故)
正面衝突
側面衝突
出会頭衝突
接触事故
追突事故
後退時衝突事故
車両単独事故
道路外逸脱
構造物衝突
車両横転
車両転落
道路交通事故の要因
主体要因・車両要因・環境要因
人的要因
発見の遅れ
前方不注意
居眠り運転[5]
ながら運転(運転中の携帯電話使用、喫煙など)
オーディオ・ビデオ・テレビ操作・視聴
カーナビゲーション操作・視聴
安全不確認
サンキュー事故 - 右折車が対向直進車に進路を譲られた際、停まっている直進車の死角から現れた直進二輪車と衝突する例が一般的。二輪が譲った際の直進四輪車と右折四輪車の組み合わせより多い。→ 死角が大きいにもかかわらず確認を怠り右折するため。
判断の誤り
動静不注視
予測不適
交通環境
対向車線の逆走
操作上の誤り(ブレーキ操作、ハンドル操作等)[5]
ブレーキとアクセルの踏み間違え事故
フェード現象
ベーパーロック現象
健康状態不良
緑内障による視野狭窄
心臓発作による操作不能
脳血管障害
てんかんによる意識障害(特に意識や運動の障害に陥る発作を伴うもの)
統合失調症
低血糖症
躁鬱病
再発性失神
重度の睡眠障害
認知症
歩行者の保護者等の不注意[5]
車両的要因
ハードウェアの整備不良
制動装置不良[5]
かじ取り装置不良(ハンドル調整不良、変形ハンドル、小型ハンドル等)[5]
タイヤ不良(パンク、バースト、摩耗等)[5]
車輪不良[5]
灯火不良[5]
エンジン故障[5]
変速機故障・不良[5]
燃料・潤滑装置不良[5]
フロントガラス・ワイパー等故障・不良[5]