交番
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警視庁月島警察署西仲町通派出所(現・西仲通地域安全センター)と立哨中の警察官。1938年(昭和13年)頃。×クロス)印は交番を表す日本地図記号日本の極ありふれた小さな交番 / 京都府城陽市にある城陽警察署寺田交番。2018年(平成30年)。日本のやや規模の大きい交番 / 兵庫県朝来市にある朝来警察署和田山駅前交番。2006年(平成18年)。

交番(こうばん)とは、警察官詰め所の一種[1]。原則24時間、警察署地域課の警察官が交代制で勤務している。

英訳語としてはポリスボックス(英語: police box)が当てられるが[2][3][4][5][6]ローマ字音写形 "k?ban [7]や、翻字化した "koban [8][9][10]も用いられている。

日本の警察用語では「ハコ」[11]や、「PB」とも呼ばれている[12]
概要

交番は、 警察署の管轄区域を分割し、その一定区域において警察官が職務執行の拠点としている施設。都道府県公安委員会警察本部長の判断により、警察署の下部機構として設置することが可能である。

各種申請・届出事務が可能なものを特に幹部交番と呼ぶ(通常、交番所長は警部補だが、幹部交番の所長は警視警部)。ただし、警察本部によっては同様の経緯によって設置された施設を「警察署分庁舎」、「警部交番」などと呼んでいる場合もある。

警察署の所在地付近の区域は、警察署の地域課が直接パトロール巡回連絡などを行っている場合がある。これは「署所在地」(富山県警察においては「直轄地域」[13]大分県警察では「地域警ら」)と呼ばれる。また、実質的に警察署内で活動する地域課の係の一つではあるが組織上警部補以下の課員が一つの交番勤務員として活動する「署所在地交番」を設置する例もある。

警視庁管轄下には幹部交番はほとんど見られない。しかし地方では近年、人口の増加してきた地域の普通の交番を幹部交番へ格上げすることもある。また、人口減少による警察署の統廃合によって幹部交番へ格下げになることもある。

通常は2人から3人一組で24時間交代、つまり交番(交代で番にあたること)で勤務にあたる。仮泊設備(畳敷きの部分と布団、執務部分からつながる非常呼び出し用のベル)もある。パトロールや事件処理以外での外出はやたらに出来ないので、食事は出前を頼むか徒歩パトロールを兼ねて近隣のスーパーマーケットやコンビニで弁当などを購入することが多い[14]。特殊な事情がある場合や、繁華街の交番では警察官の人数が増員されているケースもある。

警察内の隠語では「PB」(ピービー、Police Boxの略)と呼ばれ、警察官同士の会話や警察無線での通話などで使われる[12]

交番の長の役職は「交番所長」である。「交番長」ではないのは、正式名称が「派出所」であった時代の名残りである(トップは「派出所長」だった)。警察内では「ハコ長」とも通称される。
歴史

1871年明治4年)、明治政府東京府(現・東京都)で邏卒を採用し、屯所(警察署)を中心にパトロールなどを行なわせた。1874年明治7年)に東京警視庁が設置され、邏卒を巡査に改称し、巡査を東京の各「交番所」(交番舎)に配置した。当初は施設を伴うものではなく、巡査が警察署から徒歩でパトロールを行いながら、交代で立番(りつばん)などを行なう場所として指定された地点を示した[15]。同1874年の8月に、「交番所」に設備を設置して周辺地域のパトロールなどを行う拠点にした。

1881年(明治14年)には「交番所」から「派出所」へ改称された。1884年(明治17年)6月1日、巡査派出所に天気予報の掲示を始めた[16]1888年(明治21年)になると、全国に「派出所」が配置されるようになり、同時に、外勤警察官が居住する施設として「駐在所」が設置された。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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1944年(昭和19年)、警視庁では戦時の治安維持のため警察官の重点配備を計画。警備派出所へ人員を増強(シフト)させるため、同年10月には346ヶ所の巡査派出所の廃止(閉鎖)が行われた[17]。しかし第二次世界大戦直後の1945年(昭和20年)10月には一転、民主警察化を進める一環として定員の再配置が行われ、1,107ヶ所あった派出所、出張所、駐在所を115ヶ所増やす措置が採られた[18]

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1994年平成6年)、「派出所」の正式名称は「交番」に決定する。「派出所」という名称の施設は「警備派出所」があるが、これは通常の交番と異なり、要警備諸所(空港や各種公邸など)における警察官の詰め所的な存在である。所長の階級は警部警視で、昇任直後に就任する傾向が強い。最近[いつ?]の傾向としては、市町村合併の影響で警察署統廃合が全国で行なわれており、幹部交番(ただし、鳥取県警察岡山県警察佐賀県警察および鹿児島県警察では『幹部派出所』が正式名称となっている)が増加しつつある。幹部交番は廃止された警察署庁舎を使用している。

日本がインバウンド消費に官民挙げて取り組み始めた2010年代には、東京新宿渋谷京都の歴史的名所などといった来日外国人の多い繁華街観光地を中心に、英語を主とする外国語での意思疎通が可能な警察官を配置することが増えていった[19][20]

令和4年(2022年)4月1日現在、全国に交番は6,250ヶ所設置されている[21]
役割
事件事故の対応


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