亜麻色
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アマ
アマ
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
:キントラノオ目 Malpighiales
:アマ科 Linaceae
:アマ属 Linum
:アマ L. usitatissimum

学名
Linum usitatissimum
和名
アマ
英名
Flax, Linseed
アマ
ケーラーの薬用植物』から亜麻の生産高 (2005年)

アマ(亜麻、学名:Linum usitatissimum)は、アマ科一年草。ヌメゴマ(滑胡麻)、一年亜麻、アカゴマなどの異称もある。その栽培の歴史は古い(リネン#歴史も参照)。日本では江戸時代に種を薬として使うために限られた範囲で栽培され、明治から昭和初期にかけて繊維用に北海道で広く生産された。

の繊維は、衣類などリネン製品となる。種子からは亜麻仁油(あまにゆ、リンシードオイル、フラックスシードオイル)が採れ、これは食用や塗料油彩に用いられる。


目次

1 生態

2 日本における亜麻

3 繊維

4 亜麻仁油(アマニ油)

5 法規制

6 亜麻色

7 脚注

8 関連項目

9 外部リンク


生態

原産地はカフカス地方から中東にかけての一帯とされる。古代から中東やユーラシア大陸西域で栽培され、現在は各大陸で栽培される。日本では冷涼な気候の北海道のみが栽培適地である。連作障害が起きやすいため6-7年の輪作を行う。北海道では4月末から5月にかけて播種し、繊維用は7月末から8月に抜きとって収穫され、種子用途には1-2週間遅れて収穫される。

亜麻には産業用だけでなく、多様な園芸種がある。多年草の園芸種の亜麻は花が可憐なことや栽培が容易なことから愛好者が増加し、北海道では一般家庭だけでなく、街路の植樹帯や公園でも栽培されている。特に札幌市の麻生町や苗穂地区および当別町では、亜麻の歴史と文化の普及のために多彩な行事が開催されて、亜麻を生かした街づくりが行われている。

亜麻の生産量トップ10 (2007年)[1]
国名生産量
(トン)備考
カナダ633,500
中華人民共和国480,000*
インド167,000
アメリカ合衆国149,963
エチオピア67,000*
バングラデシュ50,000F
ロシア47,490
 ウクライナ45,000*
フランス41,000F
アルゼンチン34,000
 全世界1,875,018A
No symbol = official figure
P = official figure
F = FAO estimate
* = Unofficial/Semi-official/mirror data
C = Calculated figure
A = Aggregate (may include official, semi-official or estimates)

日本における亜麻

日本では、江戸時代元禄の頃に小石川御薬園で種子(亜麻仁)を薬種として使用するために栽培された記録があるが、当時は亜麻仁を中国から比較的安易に輸入出来たので栽培は定着しなかった。本格的な栽培は北海道開拓の初期に榎本武揚によって導入され、第二次世界大戦中をピークに繊維用として北海道で広く栽培されたが、化学繊維の台頭で1960年代半ばに栽培されなくなった。

次第に生産が途絶えたが、2000年に若者が栽培の復活を試み、何年もの試行錯誤を経て大塚農場にて栽培が続いている[2]。種子を食用に利用するために北海道の当別町で亜麻栽培が復活し、北海道亜麻ルネサンスプロジェクトが進行している。2007年には当別町亜麻生産組合が設立されて、栽培技術の向上と普及に取り組んでいる。北海道独自の特用作物として亜麻の評価が高まるにつれて、十勝地方上川地方に栽培が広がっている。
繊維

亜麻は、日本工業規格 (JIS) 上は、「麻」と表記される(麻繊維参照)。(大麻の繊維:ヘンプ)と誤解されることがあるが、まったく異なる植物種である。一般に大麻よりも柔らかい繊維とされる。亜麻は、通気性・吸湿性に優れて肌触りが良いことから織られて高級な衣類などになる。麻は縄や麻袋など耐久性の必要な用途にも使い、衣類としても庶民的な繊維とみなされるが、上布のように上質な織物にも使われる。

古くは亜麻の糸をライン (Line) といい、この細くて丈夫な亜麻糸からの連想で「線・筋」を意味する英単語になった。フランス語ではランと発音され、ランジェリーはアマの高級繊維を使用した女性の下着に由来する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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