井上秀雄
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この項目では、古代朝鮮史を専門とする研究者について説明しています。琉球史を専門とする研究者については「井上秀雄 (琉球史)」をご覧ください。

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生誕 (1924-12-01) 1924年12月1日
日本愛知県
死没2008年10月7日(2008-10-07)(83歳)
学問
研究分野古代朝鮮史
日朝関係史
研究機関東北大学
樟蔭女子短期大学
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井上 秀雄(いのうえ ひでお、1924年大正13年)12月1日 - 2008年10月7日)は、日本歴史学者東北大学名誉教授樟蔭女子短期大学名誉教授。専門は古代朝鮮史、日朝関係史。
経歴

1924年、愛知県生まれ。京都大学文学部に入学し、三品彰英に師事。1950年、京都大学文学部史学科卒業。1962年より大阪工業大学講師、1963年より同助教授、1973年より同教授。1975年に東北大学文学部へ移り、教授を務め、1988年に定年退官、名誉教授。その後は樟蔭女子短期大学教授として教鞭をとり、1993年~1999年には樟蔭女子短期大学学長を務めた。
業績・評価

通説とは異なった多くの問題提起をした。大和朝廷とする通説に対して、朝鮮半島南部にいた人を倭人と呼んだ、などがその一例である(「倭・倭人・倭国」東アジア古代史再検討 第2部参照 人文書院)。

朝鮮半島南部、中国江南中国東北部内蒙古に倭人がいたとする「広義の倭人論」の代表的な学者であり、1993年の第2回東アジアシンポジウムで、「倭の居住地は四地方に分散し、中国王朝に順な異民族の呼び名とされていた。『倭』=日本として一律に見ようとしてきたところに問題があるのでなかろうか」と述べている[1]。これに対して沈仁安は、「史料の根拠に欠け、あるいは史料について誤解がある」として、「広義の倭人論」の根拠とする『漢書』地理志の「楽浪海中に倭人有り。分かれて百余国を為す。歳事を以て来り献見すと云ふ」の「楽浪海中」を「辺境地域」と解釈し、「楽浪海中に倭人有り」を「楽浪郡の辺境地域に倭人がいた」とするが、この解釈は全く道理に合わず[2]、文の前後関係では「海中」とは文字通り「海にある」という意味であり、前文では、孔子は道が行われないと嘆き、に乗り、渡海して九夷へ行こうとする。後文では「楽浪海中に倭人有り」となるが、前後関係は相呼応しており、孔子が行こうとした九夷が楽浪海中にある倭人のところを暗示している、と指摘している[2]沈仁安は、「広義の倭人論」を「倭・倭人とは古代日本の古代日本人に対する特定の呼称[3]」「同一人物が成人後再び幼児期の名前を使用しないで、別の寓意のある奥深い名前をつけるのと同じ[4]」「『山海経』以後から中国古籍の中の倭・倭人は終始一貫して古代の日本と古代日本人を指し、倭・倭人の命名は、古代中国人の古代日本人の修正に対する認識[4]」とした。

朝鮮古代史を『日本書紀』から論じるのではなく、根拠とした文書が全く現存していない『三国史記』や中国の関連古典から論じ、それに比して『日本書紀』などの朝鮮関連記述を批判的に解釈するという偏った研究手法との批判がある。例えば、岡田英弘は、「戦後になっても、日韓関係を論じる日本人の学者たちは、かならず、『三国史記』の倭人のことを問題にし、それを根拠として、倭国のほうの事情を推定する、というようなことをいっしょうけんめいやっている。たとえば井上秀雄の『任那日本府と倭』だ。しかし、そういう、倭人の活動が書かれている部分は、みな、ずっと後世になって創りだされた、架空の新羅王たちの時代なんだから、これはぜんぜんむだな作業だ」と評している[5]
著書

『古代朝鮮』
日本放送出版協会NHKブックス> 1972/講談社学術文庫 2004

任那日本府と倭』東出版 1973

新羅史基礎研究』東出版 1974

『古代朝鮮史序説 王者と宗教』東出版寧楽社 1978

『変動期の東アジアと日本 遣隋使から日本国の成立』日本書籍 1983

『古代日本人の外国観』学生社 1991

倭人倭国 東アジア古代史再検討』人文書院 1991

『実証古代朝鮮』日本放送出版協会NHKブックス>1992

『古代東アジアの文化交流』渓水社 1993

共編著

『日本と朝鮮の二千年 1 神話時代~近世』(
上田正昭共編)大平出版社 1969

『日朝関係史 セミナー 第1』編著 桜楓社 1969


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