五省(ごせい)とは、海軍兵学校・海軍飛行予科練習生・海上自衛隊の標語、訓戒。”海軍五省”とも。 考案者は詫間力平[1]で、時の校長で少将の松下元によって朗唱する制度が採用された。 今日では帝国海軍の精神を象徴する標語であるかのように語られることがあるが、五省が兵学校校舎に掲げられるようになったのは国内の軍国主義的色合いが濃くなり始めた1932年(昭和7年)からであり、その採用期間は海軍70余年の中でも末期の10数年間に過ぎない。古参の海軍軍人の中には、文語調箇条書きの五省を生徒に唱和させることについて、「(リベラリズムと柔軟性を重んじた)帝国海軍の伝統になじまない」として不快感を表明する者も少なからず存在した。 太平洋戦争後は、海上自衛隊が日々の行動を自省する標語として用いている。
内容
一、至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか
真心に反する点はなかったか
一、言行(げんこう)に恥(は)づる勿(な)かりしか
言動に恥ずかしい点はなかったか
一、氣力(きりょく)に缺(か)くる勿(な)かりしか
精神力は十分であったか
一、努力(どりょく)に憾(うら)み勿(な)かりしか
十分に努力したか
一、不精(ぶしょう)に亘(わた)る勿(な)かりしか
最後まで十分に取り組んだか
香川縣護國神社境内の五省の記された石碑
概説
脚注[脚注の使い方]^ PHP研究所『海軍反省会』11巻 p.366「五省の登場」にて、平塚清一が証言
参考資料
伝統【五省】 - 海上自衛隊幹部候補生学校ホームページ[1]
第1術科学校について【五省】 - 海上自衛隊第1術科学校ホームページ[2]内の五省を解説したページ