「大洋」のその他の用法については「大洋 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
大洋(たいよう、英: ocean)または大海洋(だいかいよう)[1]・独立海(どくりつかい)[2]は、水圏の大部分を占める[2]、それぞれが接続した地球上の海の主要領域[1]。一般には[注 1]北極海・太平洋・大西洋・インド洋・南極海の5つに区分される[1]。これらの大洋はそれぞれ固有の海流を持ち、また潮汐を発生させる元ともなる[2]。大洋以外の海は副洋 (独: Nebenmeere) または附属海
と呼ばれ、地中海のように大陸の間にある狭い面積の海や紅海のような大陸内部に存在する海、また日本海のように大陸の沿うものまたは北海のような大陸から直角に伸びる海などが当たる[2]。英語 ocean の語源はギリシア語の ?κεαν??, "okeanos" オーケアノス[3]である。
全大洋面積の過半が深さ4267m程の水深にある[4]。大洋の平均塩分濃度は3.5%程度であり、ほとんどの水域で3.0-3.8%の範囲に入る。科学者による推計では、23万の海洋種が知られており、さらにその10倍の種が存在する可能性がある[5]。
大洋は生物圏に重要な役割を果たす。大洋の蒸発は水循環においてほとんどの降雨の元であり、大洋の温度は気候や風を決定付け、陸地の生物へ影響を与える[6]。世界の大洋水域を示す地図。地球は連結した水面で覆われ、世界の大洋は複数の主要な領域で区分されている。太平洋・大西洋・インド洋・北極海・南極海を5大洋と言うが、両極の大洋を前の3大洋に含めてしまう場合もある。 一般に複数の大洋が認識されているが、それらの水域は地球規模で見ればひとつの、繋がった海水域であり、時に「世界海洋」 (World Ocean) [7]または「球海洋・球海」 (global ocean) [8][9][10][11]とも呼ばれる[12][13]。このような、一部を交換する事が比較的自由に行われるような状態にある連続した水体という概念は、海洋学において重要かつ基本的な概念である[14]。 一般的な大洋の区分は、以下のように大陸や様々な列島などの基準を以って仕切られている。(面積順)
概要
太平洋:アジア・オーストラリアおよびアメリカ州で仕切られる海。
大西洋:アメリカ州・ヨーロッパおよびアフリカで仕切られる海。
インド洋:南アジア、アフリカおよびオーストラリアで仕切られる海。
南極海(南氷洋、南大洋、南極環海[15]):南極を囲む海。太平洋・大西洋・インド洋の拡張部分と捉えられる場合もある[16]。
北極海(北氷洋、北大洋、北極環海):北極を取り囲む、北アメリカとユーラシアで仕切られる海。