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シタムシ(舌形動物)
生息年代: Cambrian Stage 5?現世[1] Pre??OSDCPTJKPgN
イヌシタムシ雌成体
地質時代
古生代カンブリア紀ウリューアン期[1] - 現世
分類
舌形動物(したがたどうぶつ・ぜっけいどうぶつ、学名:Pentastomida、英: tongue worm)は、主に脊椎動物の呼吸器に寄生する動物群[4]。五口動物ともいい、シタムシ、舌虫類、舌形類と総称される。かつては節足動物に類縁の動物門である舌形動物門として区別されていたが[5]、のちに節足動物門の甲殻類に含まれることが明らかになった[6][7][8][9][10]。甲殻亜門では多系統群である顎脚綱の1亜綱とされたが[3]、のちに単系統群であるウオヤドリエビ綱に分類されている[2]。
学名「Pentastomida」(pente=5+stoma=口)は、頭部にある口と鉤を「5個の口」とみて名付けられたもので、五口動物はこの直訳である[4]。学名は Pentastomida の他にも、Pentastoma(ただしこれは本群に分類される1属 Linguatula のシノニムでもある[11])・Linguatulida・Acanthotheca などがある。Linguatulidaは舌形動物の名の由来となっている[4]。
舌形動物の寄生による疾病は舌虫症(Pentastomiasis)といい、多くが無症状であるがまれに重症化することもある[12]。
特徴
外部形態
Porocephalus aiinulattcs(A: 頭部腹面、B: 全身腹面)
Raillietiella Teagueselfi の頭部右腹面(FP: 口、PL: 鉤)
胴部に付属肢を持つ化石シタムシ Heymonsicambria scandica
Armillifer 属の雌雄
体長は1-15cm。形態は蠕虫型。あるいは舌型[4]。体色は白か黄色で、透明なものが多い。鈎は褐色ないし金色。
頭部(または頭胸部)には先端に口があり、口の後方の左右に2対の鈎を持つ[4]。この鈎は伸縮性のある2対の付属肢であるが、ポロケファルス目では直接に頭部の腹面にあり、口の左右にほぼ一列に並ぶ。これは、内側の対が第1対、外側の対が第2対に相当する。ケファロバエナ目や基盤的な化石種では、それらは頭部の側面に突き出し、明らかに前後に2対が並ぶのがわかる。現生種では関節はないが、基盤的な化石種では短い3節に分れる場合がある。前述した特徴に合わせて頭部には、不明瞭ながら少なくとも口が由来する1体節(先節)と前述した2対の付属肢が由来する2体節があるとされる(胚発生では計4節が見られる)が、他の節足動物の頭部体節や付属肢との対応関係(相同性)は不明確である[13]。
胴部は細長く、肺寄生のものでは円筒形、鼻腔に寄生するものでは腹背に扁平な傾向がある。現生種では多くの節があるように見えるが、実際の体節には対応しない構造である。これは少ないものでは20未満、多いものでは100を超える。その数は種の特徴として扱われている。発生学と古生物学の情報によると、胴部は3体節と非体節性の尾からなり、現生種の胴部の大部分は後者が発達・分節したものと考えられる。現生種では付属肢はないが、基盤的な化石種では第2-3節に退化的な付属肢をもつ場合がある[13]。肛門は胴部の後端に開く。
性的二形で、雌は雄より大きい。生殖孔は雌雄ともに胴部の前端腹面に開く。一部の雄はそこに1対の針状体を持つ[14][1]。 体腔は広く、消化管から体壁に続く結合組織によって区切られて、背腔と腹腔に区分される。 消化管は口から肛門に直線的に続き、前腸・中腸・後腸に区分できる。前腸と後腸はキチン質に覆われていて短く、消化管の大部分は中腸である。口はポンプのように液体を吸い込むことが出来て、宿主の血液や粘液を吸い込むことが出来る。 神経系には退化傾向が強く、特にポロケファリス目ではそれが著しい、基本的には消化管前端を巻くように配置する脳神経節と、そこから腹面に伸びる腹神経索からなる。腹神経索は縦に隙間があり、基本的にははしご形神経系に由来することがわかる。そこに3つ程度の神経節が区別できる。しかしポロケファリス目ではこの腹神経索もほとんどなく、消化管の周囲の神経塊のみ、といった姿となる。
内部形態