互換機
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互換機(ごかんき、英語: Plug compatible)は、コンピュータゲーム機などにおいて、特定の製品に向けて作られたソフトウェア周辺機器などを、そのまま利用できるように他メーカーが設計したもの。代表例にIBM社のPC/ATに対するPC/AT互換機などがある[1]。なお英語圏での「Plug compatible」は狭義にはコンピューター機器に関する互換機を指し、ゲーム機の互換機を指す言葉は「clone console」とよばれている。
概要「互換性」も参照

何を「互換機」と呼ぶか、どのレベルを「互換」と呼ぶかは色々なケースや視点がある。同じ周辺機器などが使用できるハードウェア互換、同じソフトウェアが使用できるソフトウェア互換、その両方の場合もある。また元となる製品のメーカーと著作権侵害などで訴訟となるケースもあるが、リバースエンジニアリングチームと設計チームとを分離したクリーンルーム設計により合法性を確保する例が大型コンピュータやパーソナルコンピュータで見られた。
主な例
コンピュータ

互換性のレベルにより、色々な分類や呼称がある。「プラグを差し替えるだけ」との意味でオペレーティングシステムを含めてそのまま使用できる機械を「プラグコンパチブルマシン」(PCM)、アプリケーションソフトウェア(バイナリ、またはソースコード)がそのまま使用できる場合を「ソフトウェア互換」などのように呼ぶことがある。

コンピュータ市場の著名な互換機には、IBM PC(PC/AT)の各社互換機であるIBM PC互換機(PC/AT互換機)がある。パーソナルコンピュータ市場に遅れて参入したIBMは、プロセッサやオペレーティングシステムは汎用品を使用し、互換性の心臓部であるBIOSのソースコードも公開した。ただし、これは他社に対応する周辺機器やソフトウェアを開発させる目的であり、互換機を奨励するものでは無かったし、IBMにはそれをライセンスするつもりも無く、例えばBIOSが公開されていることはむしろ著作権を侵害せずに作られた互換機であることを証明することを難しくしていた(それまでのIBMは、全て自社に権利があるシステムを設計製造するという会社であり、これだけでも異例のことではあった)。

しかしコンパックのように、クリーンルーム設計によって著作権侵害の問題を回避する例があらわれ、さらにそのようなBIOSを提供する業者も現れたことから、互換機が広く普及した。その結果、IBM製品が本家で、その互換機という立場から、互換機こそがPC/AT互換機デファクトスタンダードであり、そのデファクトスタンダードに沿った製品を製造販売するベンダの一つがIBM、という入れ替わりが起きた。例えば、PS/2で導入したMCAバスは受け入れられず、受け入れられたのは互換機メーカーたちが制定したEISAバスであった。その次の世代のPCIバスはインテルが中心となって策定した。2004年にIBMはPC事業をレノボに売却した。

ハードウェア設計は膨大な特許権・著作権そして、いわゆるノウハウに代表される知的財産権の塊であるため設計図が外に出ることは極めて稀である[2]。そのため代表例であるPC/AT互換機と同じような事例は少ない。

PC/AT互換機の場合とは異なり、ArduinoBeagleBoardのように設計をオープンにしただけではなく、その流用を自由に認めているオープンソースハードウェアによる互換機は、その性質上、公式のハードウェアから非公認のハードウェアまで存在しうる。

その他の主な互換機には以下がある。

メインフレーム

IBMメインフレームの互換機 - RCA日立製作所アムダール富士通など(詳細はメインフレーム#種類を参照)


パーソナルコンピュータ

Apple ComputerApple IIの互換機 - VTechによるLaser 128など

日本電気(NEC)のPC-9800シリーズの互換機 - エプソンによるEPSON PCシリーズなど

Apple ComputerMacintoshの互換機 - パイオニアなど国内外数社による(詳細はMacintosh互換機を参照)

富士通FMRシリーズの互換機 - 松下電器(パナソニック)によるPanacomMシリーズのうち初期の物。後に相互OEM


家庭用ゲーム機

ファミリーコンピュータ互換機

ファミコンテレビC1シャープ)※ブラウン管テレビ

ツインファミコン(同)※ファミコン・ディスクシステム一体型

編集ファミコン(同)※ビデオ編集機能付き 別名ファミコンタイトラー

ふぁみ魂家郎特許権消滅後に発売されたノンライセンス商品

ネオファミゲームテック)※同上

ファミレータ(サイバーガジェット) ※同上

ファミレータLite(同、ニンテンドーDSでファミコンのソフトが遊べるというもの) ※同上

TEA4TWO FC/AV(純正の紅白ファミコンをレストアし、AV出力に改造したもの)※同上



スーパーファミコン互換機

SF-1(シャープ)※ブラウン管テレビ


PCエンジン互換機

X1 twin(シャープ)※PC

レーザーアクティブ・LD-rom2(パイオニア)※LDプレーヤー 別売アダプター装着


メガドライブ互換機

ワンダーメガ / ワンダーメガM2(日本ビクター)※メガドライブ・メガCD一体型

マルチメガ/GENESIS CDX(セガ)※ポータブルCDプレイヤー型 メガドライブ・メガCD一体型

CSD-GM1アイワ)※CDラジカセ型 メガドライブ・メガCD一体型

レーザーアクティブ・MEGA-LD(パイオニア)※LDプレーヤー 別売りアダプター装着


3DO互換機

3DO TRY(三洋電機


セガサターン互換機

Vサターン(日本ビクター)

Hiサターン(日立製作所)※ビデオCDプレーヤー機能付き


ニンテンドーゲームキューブ互換機

Panasonic Q松下電器産業)※DVDプレーヤー機能付き


ドリームキャスト互換機

CX-1(フジテレビ


複数機種互換機

RetroN 5(HYPERKIN)ファミコン、Nintendo Entertainment System、スーパーファミコン、Super Nintendo Entertainment Systemメガドライブ、GENESIS、ゲームボーイゲームボーイカラーゲームボーイアドバンス対応

レトロフリーク(サイバーガジェット)ファミコン、スーパーファミコン、Super Nintendo Entertainment System、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、メガドライブ、GENESIS、PCエンジン、TurboGrafx-16、PCエンジンスーパーグラフィックスを標準対応 別売「ギアコンバーター」使用でゲームギアセガ・マークIIISG-1000・「NESカートリッジコンバーター」使用でNintendo Entertainment Systemに対応

エフシーコンボ/エフシーコンボ2(コロンバスサークル)ファミコン、スーパーファミコン対応

レトロ3(コロンバスサークル)ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイアドバンス対応

FCツイン+MD(アンサー)ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ対応

PlaySoniq(Supersoniqs)SG-1000マスターシステム対応(MSXカセット、ROMファイルのみ)


脚注^ 互換機 - コトバンク


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