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二酸化ケイ素
IUPAC名
二酸化ケイ素
別称石英、シリカ、無水ケイ酸
識別情報
CAS登録番号7631-86-9
1650 °C, 1923 K, 3002 °F (±75℃)
沸点
2230 °C, 2503 K, 4046 °F
水への溶解度0.012 g/100 mL ( °C)
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0808(石英)
ICSC 0809(クリストバライト)
ICSC 0807(鱗珪石)結晶質シリカ(石英)
結晶質シリカ (クリストバライト)
結晶質シリカ (トリジマイト)
非晶質シリカ (シリカゲル、沈降シリカ)
非晶質シリカ (石英ガラス)
眼への危険性場合によっては危険性がある。
NFPA 704000
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
二酸化ケイ素(にさんかけいそ、英:Silicon dioxide)は、化学式SiO2で表されるケイ素の酸化物で、地殻を形成する物質の一つとして重要である。シリカ(英: silica[4])、無水ケイ酸、ケイ酸、酸化シリコンとも呼ばれる。純粋な二酸化ケイ素は無色透明であるが、自然界には不純物を含む有色のものも存在する。圧力、温度の条件により、石英(英: quartz、水晶)以外にもシリカ鉱物(SiO2)の多様な結晶相(結晶多形)が存在し、自然界では長石類に次いで産出量が多い。マグマの粘性を左右する物質でもある。鉱物として存在するほか、生体内にも微量ながら含まれている。 二酸化ケイ素は圧力や温度などの条件により、様々な形(結晶多形)をとる。これにより二酸化ケイ素は石英などの結晶性二酸化ケイ素と、シリカゲル・未焼成の珪藻土や生物中に存在する非結晶性二酸化ケイ素の2つに大別される。結晶性二酸化ケイ素は共有結合結晶であり、ケイ素原子を中心とする正四面体構造が酸素原子を介して無数に連なる構造をしている。 二酸化ケイ素は温度や圧力をかけると結晶構造が変化する(相変態を起こす)。結晶構造などは次の一覧項で説明する。 自然界ではケイ素は多くの場合、シリカの形をとっている。最も一般的な形状は石英である。また、砂の主成分であり、ガラスの原料となる珪砂もシリカからなる。地殻内にはシリカが大量に含まれており、地球の表層の約6割がシリカを含む鉱物によって構成されている。 生物の中には、二酸化ケイ素の形でガラス質の骨格や殻を形成するものがあり、一部のシダ植物、イネ科の植物、コケ植物などのプラント・オパールや、ケイソウ類、放散虫などの骨格、枯草菌が作る芽胞などに利用されている。また、植物一般において成長促進や環境ストレスの低減、病害虫への耐性向上の効果がある。(植物について詳しくは栄養素_(植物)#ケイ素参照) 人体においてシリカはほとんど吸収されず、肝臓や腎臓への蓄積もほとんど行われない。水が付加したオルトケイ酸が血中に約1μg/mlの割合で吸収されるが、タンパク質とは反応せず、大部分が尿中に排泄される。[21]
性質
結晶多形
温度を上昇させた時の相変化
常温常圧下ではα石英が安定だが、二酸化ケイ素は温度変化によって相変化を起こす。以下に示す温度は常圧での温度であり、溶剤や圧力等により変化する[5][6]。α-石英― 573℃→β-石英― 870℃→ β‐トリディマイト― 1470℃→ β‐クリストバライト― 1705℃→ 溶解しかし、β‐トリディマイトは不純物の無いβ-石英からは転移せず、この形態を経由するには添加物を加える必要がある。そうしない場合、1050℃でβ-石英からβ‐クリストバライトに直接相変化する[7]。上記の様に説明したが、大抵はβ-石英から1550℃で直接溶融する。これはそれぞれの結晶を構成するSiO4正四面体が、頂点の酸素を共有して結合して3次元的なネットワークを形成しているが、その結合の仕方が各結晶構造で異なるため簡単に相変化が起きない為である[8]。
温度を下げた時の相変化
β-トリディマイトを急速に冷却すると、114℃でα-トリディマイトとなる。β-クリストバライトを急速に冷却すると、270℃でα-クリストバライトとなる。
圧力による相変化
500 ℃から800 ℃、2?3 GPa以上になるとコーサイトに[9][10]、1200 ℃10 GPa以上でスティショバイトに転移する[11]。ともに常温・常圧下では準安定状態で、隕石のクレーターから発見されている[12][13]。コーサイトの生成条件は地球の深度70 km以下に相当し深部まで潜った岩石が上昇してきた超高圧変成岩で見つかっている[14][15]。マントル遷移層から下部マントル程度の高圧条件下ではスティショバイト構造をとると考えられている[16][17][18]。ザイフェルト石
自然界におけるシリカ
生物学上のシリカ
人体中のシリカ
結晶構造
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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