二次電池(にじでんち)は、充電を行うことにより繰り返し使用することが出来る電池(化学電池)のことである。充電池(じゅうでんち)[1]、蓄電池(ちくでんち)ともいう[2]。ソーラー充電が可能なモバイルバッテリー 二次電池は、使用していなくても時間と共に蓄えた電気が徐々に失われる(自然放電)ため、長期保存後に使用する前には充電を行った方がよい。自然放電の大小は二次電池の種類や保存状態などによって異なる。 化学電池では充電、放電をするためには、金属が酸化還元するイオン化傾向を利用して酸化還元電位を発生させる。(鉛蓄電池の場合、鉛の電極を、希硫酸でつなぐと電力と水が発生し、電位が下がる) 電極をつなぐ物質を電解質という。通常は酸化還元作用のある液体が使われる。さらに、固体の電解質で、正負両極をつなぐことで、安定・安全な電池が作れると研究されている。電池の名称は全固体電池という。近年はこの全固体電池が次世代電池として注目されている。 新原理の半導体二次電池では、エネルギー準位に電子を捕獲し充電を行う。全固体の二次電池であり電解液、電解質自体が不要である(化学電池ではなく物理電池に属する)。 近年、関連業界および一般流通分野では、「充電式電池」の略称して充電池(じゅうでんち)と呼ぶようになってきており、製品名としても見られる[1]。さらに一般流通分野、特に家庭向けとしてリチウムイオンバッテリーが充電池の名称で販売された結果、自動車などに搭載するような大型のものを蓄電池、単三などの小型のものを充電池と使い分ける語法ができた。 日本語における外来語であるバッテリーという言葉の意味は、特にリチウムイオンバッテリーの普及以降、一般にはスマートフォンなどをはじめとしたモバイル端末やその他、ワイヤレススピーカーを含む無線のアクセサリ等に内蔵するリチウムイオンバッテリーを指し、転じてバッテリー残量のことを指す場合もある。つまり一般に、「バッテリーがなくなった」と言う場合、「充電がなくなった」と同様に実際は「バッテリー残量がなくなった(少なくなった)」を意味することがほとんどである。
概要
名称
特性
公称電圧
放電容量
重量エネルギー密度
充電効率
サイクル寿命
保存寿命
各種二次電池の比較を示す
種類公称電圧エネルギー密度出力対重量比充放電効率エネルギーコスト自己放電率耐用充放電サイクル数耐用年数 二次電池は自動車や航空機、農業機械など各種車両のほか、ノートパソコンやデジタルカメラ、携帯電話などのさまざまな機器に幅広く利用されている。 (主要な例)
(V)(MJ/kg)(Wh/kg)(Wh/L)(W/kg)(%)(Wh/US$)(%/月)(回)(年)
半導体二次電池(電子トラップ)1.5-3190-1200[3]500-1800[3]3100100,000
鉛蓄電池2.10.11-0.1430-4060-7518070%-92%5-83%-4%500-8003 (自動車用), 20 (定置式)
制御弁式鉛蓄電池2.105
ニッケル・鉄蓄電池1.20.185010065%5-7.3[4]20%-40%
ニッケル・カドミウム蓄電池1.20.14-0.2240-6050-15015070%-90%20%1500
ニッケル・水素蓄電池1.20.11-0.2930-80140-300250-100066%1.37 ⇒[1]20%1000
ニッケル・亜鉛蓄電池1.70.22601702-3.3
リチウムイオン二次電池3.60.58160270180099.9%2.8-5[5]5%-10%12002-3
リチウムイオンポリマー二次電池3.70.47-0.72130-2003003000+99.8%2.8-5.0~0.5
リン酸鉄リチウムイオン電池3.2580-120170 [6]14000.7-1.62000+[7]
リチウム・硫黄電池2.0400
チタン酸リチウム電池2.3904000+87-95%r0.5-1.09000+20+
Li箔?3509596000?p[8]40000
亜鉛・臭素電池
レドックス・フロー電池(バナジウム)1.15-1.625-35[9]15-25>1000010-20
ナトリウム・硫黄電池89%-92%
溶融塩電池70-110[10]150-2204.54[11]3000+8+
スーパーイオン電池
酸化銀・亜鉛蓄電池130240
充電式アルカリ電池1.5
利用例
車両 - 電装品用のほか動力用としても
自動車(乗用車、商用車)、建設機械、農業機械など
鉄道車両
遊具、模型、ラジコンなど
工具
ドライバーからチェーンソーまで多数
照明(投光機、作業灯など)
電力供給用
無停電電源装置
発電所 - 再生可能エネルギー蓄電用