二枚貝
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二枚貝
Autolamellibranchiata から各種。上段中央から時計回りに

翼形亜綱イタヤガイ目ウミギクガイ科

異歯亜綱 Neoheterodontei マルスダレガイ科

翼形亜綱フネガイ目フネガイ科

異歯亜綱 Euheterodonta ザルガイ科

異歯亜綱 Euheterodonta ザルガイ科

異歯亜綱 Neoheterodontei マルスダレガイ科

異歯亜綱 Euheterodonta キヌタアゲマキガイ科

分類

:動物界 Animalia
:軟体動物門 Mollusca
亜門:貝殻亜門 Conchifera
:二枚貝綱 Bivalvia

学名
Bivalvia Linnaeus1758
シノニム

Pelecypoda
Lamellibranchiata
Lamellibranchia
英名
bivalve
half shells
亜綱


Opponobranchia

Nuculanoida

翼形亜綱 Pteriomorphia

古異歯亜綱 Paleoheterodonta

異歯亜綱 Heterodonta

さまざまな二枚貝さまざまな二枚貝Autolamellibranchiata から各種の絵。上段中央から時計回りに
異歯亜綱 Euheterodonta ザルガイ科
異歯亜綱 Neoheterodontei マルスダレガイ科
異歯亜綱 Neoheterodontei オオノガイ科
翼形亜綱イガイ目イガイ科
異歯亜綱 Neoheterodontei オオノガイ科
異歯亜綱 Neoheterodontei マルスダレガイ科
異歯亜綱 Neoheterodontei ニオガイ科
異歯亜綱 Euheterodonta マテガイ科
翼形亜綱イタヤガイ目イタヤガイ科ヘッケルKunstformen der Natur より。
異歯亜綱 Euheterodonta ザルガイ科(大半)
異歯亜綱 Neoheterodontei マルスダレガイ科(最左上・その下・上中央)ホンカワシンジュガイ(英語版) (Margaritifera margaritifera) の解剖図: .mw-parser-output .thumb .image-key{column-count:2}.mw-parser-output .thumb .image-key-wide{column-count:3}.mw-parser-output .thumb .image-key-narrow{column-count:1}.mw-parser-output .thumb .image-key>ol{margin-left:1.3em}.mw-parser-output .thumb .image-key>ul,.mw-parser-output .thumb .image-key>ol{margin-top:0}.mw-parser-output .thumb .image-key li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}
posterior adductor(後閉殻筋)

anterior adductor(前閉殻筋)

outer left gill demibranch(外半鰓)

inner left gill demibranch(内半鰓)

excurrent siphon(出水管)

incurrent siphon(入水管)

foot(足)

teeth(歯)

hinge(ヒンジ)

mantle(外套膜)

umbo(殻頂、beak)
ホンアメリカイタヤ(英語版)(イタヤガイ科の貝、同科にホタテ貝がある食用の貝)の解剖図。ムール貝足糸で岩に張り付いている様子

二枚貝(にまいがい、Bivalvia)は、軟体動物の一群である。分類階級としては二枚貝綱(にまいがいこう)。斧足類・斧足綱(ふそくるい/ふそくこう、Pelecypoda)、弁鰓類・弁鰓綱(べんさいるい/べんさいこう、Lamellibranchiata、Lamellibranchia)とも。

体の左右に1対2枚の貝殻をもつ。敵が来ると軟体部分を殻にひっこめ、閉殻筋(貝柱)で殻を閉じて身を守る。
形態

2枚の貝殻は、体の左右につく。殻同士は蝶番で接触し、互いに靱帯で結びついている。アサリのように砂に潜るものでは、二枚の殻は左右相称になっているが、ホタテガイやカキのように片方の殻を下にして定位するものでは、不対称となって、一見腹背に殻があるように見える。

二枚の殻は、閉じると完全に密閉するのが普通だが、一部には完全に閉じない形のものがある。また、フナクイムシのように、殻は小さくなって、石灰質の棲管を発達させたものもある。

ニオガイ類では、殻の表面にヤスリ様の構造があり、殻を動かすことで岩を削って穴を掘るのに使用する。
体の構造

体の大部分は殻に包まれ、足と水管のみを外に出す。

全身は外套膜に包まれる。外套膜の一部は管状になり、出水管と入水管として働く。外套膜の内側、体の左右に二対の鰓を持つ。

頭部はなく、口は内蔵塊の端に小さく開口する。口の周りには感覚器官、採餌器官等は見あたらない。体の下面には大きな単一の足があり、内臓器官はその上部に収まる。鰓の起こした水流と繊毛、粘液によって粒子は食溝にあつめられ、口の周囲の1.2対の唇弁では表面の繊毛で有機物のみを選別して口に運び、食道から胃へと移行する。胃には堅い棒状の酵素の結晶(晶桿体(英語版))があり、回転しながら食物粒子を引き込み酵素で消化し、また胃腸を包むように1対の消化腺が大きく発達する。食物は腸に送られ出水管の基部付近に開口する肛門から糞が排出される。唇弁が除外した粒子(無機物や食べ残し)は外套腔に運ばれ排出され、一見糞に見えるので偽糞という。[1]

体の前後に殻を閉じるための筋肉、閉殻筋がある。いわゆる貝柱である。

足は左右から扁平、斧状である。この類の別名、斧足類の名はこれに由来する。この足を砂泥に突っ込み、先端を膨らませて長さを縮めることで体を砂の中に引き込み、砂に潜ることができる。また、足の基部に足糸腺を持つものでは、足糸を分泌して体を固定する。
生殖と発生

一般に雌雄異体で、一部が雌雄同体体外受精で、幼生プランクトンとして成長する例が多い。そのようなものでは、トロコフォア幼生から、二枚の殻を持つベリジャー幼生を経過する。淡水産のカラスガイ類では、独特のグロキジウム幼生期があり、淡水魚の鰭に寄生する。
生活

いずれも全身を殻に包まれ、殻の間からときどき足を出して砂泥に潜り直したりするだけの生活であり、活発に運動するものはない。ホタテガイのように、一時的に遊泳するものもあるが、普段はあまり動くものではない。多くのものが砂泥中に体を埋め、水管を泥の上に出して生活している。岩の上やその他異物の上で固着生活するものも多い。一部のものは、石などに穴を開けて中に潜む穿孔性の生活をする。他の動物に寄生するものも知られる。

餌は水管から吸い込んだ微生物や有機物の微粒子(デトリタス)を、鰓でこし取って食べる、いわゆる濾過摂食を行うものが多いが、原始的な体制のものは鰓にろ過機能がなく、殻の外に唇弁を伸ばし、堆積物中のデトリタスを直接摂取する。水管によって餌を摂取するものは水中に漂うセストン態の粒子(プランクトンやデトリタス)を餌とするものが多いが、サクラガイなどニッコウガイ上科に属する二枚貝には、入水管を掃除機のように使って砂泥底表面に沈降・堆積したデトリタスを直接吸い込むものが多い。

また、少なからぬ分類群に独立栄養性の微生物を体内に住まわせて共生生活を送ることにより有機物を得ているものが知られている。二枚貝が濾過摂食を進化させる前に分化した原鰓類ではキヌタレガイ目が鰓の組織に硫黄細菌を住まわせて硫化水素の酸化で化学合成による炭酸同化を営んでおり、有機物が底質に多量に供給されている浅海のアマモ場や深海の鯨骨生物群集冷水湧出帯といった硫化水素が常時供給される底質に生息している。鰓による濾過食を発達させた系統ではツキガイ科やハナシガイ科といったツキガイ上科がこうした生活型に進化しているし、イガイ科のシンカイヒバリ属やオトメハマグリ科のシロウリガイ類が深海の冷水湧出帯で硫黄細菌共生者として繁栄している。

化学合成だけではなく酸素発生型の光合成を営む生物との共生もみられる。ザルガイ科ではシャコガイ類カワラガイやリュウキュウアオイガイを含むクレードの2系統で渦鞭毛藻類褐虫藻と共生して珊瑚礁域でもっぱら光合成に依存して生活する二枚貝が進化している。
分類

二枚貝綱の分類体系は確定したものがなかったが、高位分類については分子系統により安定しつつある。

以下は、Giribet & Wheeler 2002[2]および Giribet 2008[3]による目レベルまでの分類である。ただし、Giribet & Wheeler 2002; Giribet 2008 は分類階級を割り当てていないので、伝統的な分類と対応させやすいよう、Giribet & Wheeler 2002 で引用されている Beesley et al. 1998[4] 他、BivAToL[5]、奥谷 et al. 1998[6] などから階級や別名を割り当て、また違いを比較した。


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