二十面相の娘
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二十面相の娘
ジャンル
ミステリー
漫画
作者小原愼司
出版社メディアファクトリー
掲載誌コミックフラッパー
レーベルMFコミックス
発表期間2003年4月5日 - 2007年1月5日
巻数全8巻
その他連載前に読みきりあり。
漫画:二十面相の娘 うつしよの夜
作者小原愼司
出版社メディアファクトリー
掲載誌コミックフラッパー
レーベルMFコミックス
発表期間2007年10月5日 - 2008年9月5日
巻数全2巻
その他主人公の盗賊団時代
漫画:二十面相の娘 少女探偵団
作者小原愼司
出版社メディアファクトリー
掲載誌コミックフラッパー
レーベルMFコミックス
発表期間2008年11月5日 - 2009年5月2日
巻数全1巻
その他本編の後日談。連載前に読みきりあり。
アニメ
原作小原愼司
監督富沢信雄
シリーズ構成土屋理敬
キャラクターデザイン堀川耕一
メカニックデザイン友永和秀
音楽三宅一徳
アニメーション制作ボンズ
テレコム・アニメーションフィルム
製作「二十面相の娘」製作委員会
放送局フジテレビ
放送期間2008年4月12日 - 9月27日
話数全22話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『二十面相の娘』(にじゅうめんそうのむすめ)は、小原愼司の漫画作品、それを元にしたテレビアニメ。『コミックフラッパー』2003年5月号から2007年2月号まで連載されていた。
概要

連載開始前に同誌の2002年10月号に若干設定が異なる同名の読みきり漫画が掲載されている。全8巻。番外編として、主人公が二十面相一味に加わっていた時代を描いた『二十面相の娘 うつしよの夜』(『コミックフラッパー』2007年11月号から2008年10月号まで連載)・本編の後日談を描いた『二十面相の娘 少女探偵団』(『コミックフラッパー』2008年12月号から2009年6月号まで連載)がある。また、『コミックアライブ』2008年8月号に主人公と少女探偵団の活躍を描いた読みきり漫画が掲載されている。江戸川乱歩の「怪人二十面相」や「少年探偵団」から着想を得ており、乱歩の孫に許可を得ている。
あらすじ

日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。

二十面相にさらわれたチコは二十面相率いる盗賊団の一員として生活するようになる。実の妹のようにチコをかわいがるケンなど優しい仲間に囲まれながら、チコは外国語や護身術などを習いつつ、盗賊の仕事にも参加し、楽しい時間を過ごした。

しかし、楽しい日々は長くは続かなかった。ある日、二十面相やチコが乗っていた列車が虎と名乗る盗賊の一味に襲撃され、二十面相は行方不明になってしまったのだ。チコはその場にいあわせた私立探偵の空根太作に「保護」され、日本に呼び戻されてしまう。日本で待っていたのは、チコの命を執拗に狙う叔母との欺瞞に満ちた生活であった。そんな生活に嫌気がさすチコの心の拠り所となったのが、クラスメイトの小糸春華とチコの世話役のトメであった。

やがて、チコは二十面相の遺産を狙う者たちが引き起こす様々な事件に巻き込まれていく。そして、好奇心旺盛な春華はチコ・春華・トメの3人による少女探偵団の結成を宣言し、3人はチコの憧れの男性である二十面相の行方を追うようになる。そして、二十面相の行方を追うチコは大戦期に二十面相が密かに進めていた研究の秘密を知っていくことになる…。
キャラクター
少女探偵団
美甘千津子(みかも ちづこ) / チコ
- 平野綾[1]本作の主人公。資産家である美甘家の娘。裁縫や料理、勉学に優れた才色兼備な美少女。また負けず嫌いでもあり、相手を挑発することも。父母を亡くし叔父夫婦に育てられるが、美甘家の資産を狙う叔父夫婦に毒を盛られる日々を過ごしていた。ある日、二十面相に誘拐(救出)されて二十面相一味に加わり、催眠術の解き方、格闘術などを学びながら、2年余りをそこを過ごす。二十面相が行方不明になった際に、居合わせた空根探偵によって、自分の命を狙う叔母(失踪中に叔父は死亡)のいる屋敷に戻されることになる。その後は、普通に友人を作り、穏やかな暮らしを取り戻していった。だが、そんな中起きた1つの事件や二十面相の一味の1人であったケンとの再会で、二十面相を追うある人物がその存在を重要視したため、そして、千津子自身が二十面相を追ったため、再度二十面相と関わっていくこととなる。それによって、ついには友人や屋敷の家政婦なども巻き込んだある悲劇が起きてしまう。二十面相に対しては恋愛感情のような憧れを抱いており、二十面相が行方不明になった後も、彼のことを探し回った。再び彼や彼の仲間たちと冒険の日々を送ることを夢見ている。また、二十面相への憧れゆえに、言動が二十面相に似てきており、「二十面相の娘」の異名を持つ。二十面相一味にいたときに覚えた体術や軽業を得意とする。二十面相をめぐる一連の騒動が終わった後、マスコミの攻勢から逃れるため、イギリスに留学する。『少女探偵団』では1年後に日本に帰国するが、アニメ版では日本に帰国せず、そのままイギリスで生活している。読みきり版では、沼田千津子の名前で登場し、貧しい家庭の子で、父親に売春させられそうになったところを二十面相に助けられるという設定になっている。
小糸春華(こいと しゅんか)
声 - 佐藤利奈[1]チコの同級生。ドイツ人を祖母に持つ赤毛の美少女。小糸財閥の令嬢。当初はクラスメイトの注目を集めるチコに嫉妬し、意地悪をしていた。しかし、チコが危険な冒険に巻き込まれていることを知って、チコの友達が彼女から距離を置くようになると、逆に接近して、親友となった。既に許婚がおり、16歳で結婚することが決まっている。そのため、それまでは自由に刺激的な日々を過ごしたいと思っている。小説を書く趣味がある。アニメ版は最終回で春華の結婚が間近いことを示唆して、ストーリーが終了する。漫画版では『少女探偵団』のラストで、結婚し、子供も生まれていることがチコによって語られている。
トメ
声 - 新井里美[1]チコの世話係。岡山県出身。16歳で故郷を離れて上京し、チコの失踪中にメイドとして美甘家に採用された。チコのことを誰よりも大事に思っている。田宮に操られてチコを毒殺しようとしたとき、淑恵の命令でチコの食事にいれていた薬品が毒物であると知る。そして、催眠がとけると、半ば淑恵を脅迫する形でチコと2人で別邸に住むことを認めさせ、チコの安全を確保した。グラマーな体型で大人びた雰囲気を持つ美少女。そのため、春華からは「少女」としてではなく大人の「女」として見られており、そのことを気にしている。チコがイギリスに留学するときにトメも付いて行った。アニメ版では、チコと共にイギリスで生活しているが、『少女探偵団』では1年後にチコと共に日本に帰国する。なお、本編では常にメイド服を着用し、アニメ版ではイギリスでもメイド服を着用しているが、『少女探偵団』では「着物を着ていたほうが、外国人に親切にされる」という理由でイギリスで着物を着るようになり、帰国後も和装を通している。
二十面相一味
二十面相
声 - 内田夕夜[1]本当に美しいものを盗む怪盗で、スマートな紳士。しかし、ただ美術品を盗むだけでなく、大戦中の遺物を悪用されないように処分するなどの活動もおこなっている。変装の名人であり、その素顔や名前は誰1人知らない。大戦中は有能な科学者だったが研究資金集めのために軍の協力を得、水を第4の形態に変化させる実験に成功し、それを実用化する施設を作り上げた。しかし、その際に発生する膨大なエネルギーが悪用されることを恐れ、研究施設に火を放って逃亡した。その後、逃亡を手伝わせた軍曹や逃亡中に知り合ったハンスなどを仲間に加えて盗賊団を結成し、仲間と共に世界中を飛び回っている。ただ、盗みは私利私欲のためにおこなっているのではなく、二十面相の研究成果を公にしたい、彼の恩師・柿島が研究資金欲しさに手を染めようとした美術品強盗の阻止の側面が強い。チコとは紅玉を盗みに美甘家に執事に変装して潜入したときに知り合った。チコの窮状をみかねてチコを盗み出し、自らの盗賊団に加えた。チコからは恋愛感情に似た好意を寄せられているが、彼自身はチコやケンを未来を担う子どもとして大事に思っており、彼女らに実の父親のように接している。裏社会では、大戦中に大きな力の源となる何かを入手したと噂され、そのため多くの盗賊から命を狙われている。そのような盗賊の1人である虎の一味に襲撃された際、虎の自爆に巻き込まれ、行方不明となる。また、数多くの美術品を盗んだ二十面相には莫大な「遺産」が残っているとされ、その遺産を狙う者たちは、二十面相の娘の異名を持つチコを付け狙うこととなる。
ケン
声 - 松風雅也[1] / 田村睦心(子供時代)二十面相一味の少年。今まで一味で最年少だったが、チコが仲間に加わったことで最年少でなくなり、新しい仲間であるチコに兄貴分的な態度をとった。一方、チコもケンのことを実の兄のように慕うようになり、チコが一味に加わっていたときは、チコを実の妹のようにかわいがった。虎の襲撃後、二十面相が警察官に変装してチコを保護するのを目撃し、二十面相とチコの帰りを生き残った仲間と共に隠れ家で待ち続けた。しかし、二十面相がいつまでたっても仲間の前に現れず、チコも日本に送り返されてしまったことから、二十面相に裏切られたと感じ、恨んでいる。チコの帰国後は単身密かに日本に潜入し、不良少年を手下にして、陰ながらチコのことを見守った。チコがイギリスに留学した後、ヨーロッパに渡って盗賊となり、ジャガーの名で呼ばれた。チコの再帰国後は、日本に戻っており、陰ながら盗賊をしつつ、チコを見守り、明智から「三代目二十面相」に認定された(ちなみに初代は柿島、二代目が本作で二十面相と呼ばれている人物)。当初はあどけない少年のような外見であったが、虎の襲撃後は大人びた外見となった。また、虎の襲撃以前に、虎に片目をつぶされている。原作では、虎の襲撃後も二十面相一味はケン以外にも何人か生き残っているが、アニメでは、二十面相とチコを除けば、ケン以外全員死亡したことになっている。
船長
声 - 中村浩太郎二十面相一味の重鎮的存在。口は悪いが優しい性格。当初はチコが一味に加わることに反対していたが、チコの悲惨な状況を知ってからは大事に扱うようになった。虎による一味襲撃の際、致命傷を負いながらも虎の仲間2人を道連れにし死亡。


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