予備自衛官補
[Wikipedia|▼Menu]
予備自衛官補標旗[1]

予備自衛官補(よびじえいかんほ、Reserve Candidate)は、 陸上自衛隊及び海上自衛隊において採用している官職である。一般国民より公募され、教育訓練終了後は非常勤国家公務員の予備自衛官となり、有事・訓練等の際は招集されて陸上自衛隊または海上自衛隊における各任務に就く。RCの略称は徽章のデザインにもなっている。
概要

自衛隊勤務未経験の一般国民を対象に公募され、試験を経て採用される。身分は非常勤の防衛省職員特別職国家公務員)・自衛隊員であり、防衛省職員の定員外の扱いである。所定の教育訓練を修了した後、予備自衛官任官する。予備自衛官補を経て予備自衛官になった者は公募予備自衛官といい、自衛官退職者たる(狭義の)予備自衛官とは区別される。

教育訓練招集に応招する義務のみを有し、教育訓練招集手当がある。予備自衛官補制度は平成13年(2001年)に創設され、平成14年度(2002年度)から陸上自衛隊で採用されている。予備自衛官補は階級が存在せず、採用後、陸上自衛隊では予備自衛官候補生その官職名をもって称される。予備自衛官任官後は技能試験による任用であればそれぞれの領域において定められた階級、一般の予備自衛官としての任用であれば予備2等陸士の階級に指定される。予備自衛官任用後の職種・階級は、公募予備自衛官の項に詳述がある。任官後は勤務成績により昇進の機会がある。

本制度は、一般国民が自衛隊に接して理解を深める機会を設け、予備自衛官への門戸を広く開放すること、および優れた専門技能を持つ民間人の力を防衛力に組み込むことを目的とする。近年は、幹部候補生を目指して一般大学生の応募も見られる。予備自衛官補は一般公募と技能公募があり、それぞれ筆記試験・口述試験・適性検査・身体検査が科せられる。
陸上自衛隊予備自衛官補(一般公募)

18歳以上52歳未満[2]で自衛官であった期間が1年未満(未経験含む)の者が受験可能で、3年間で合計50日の教育訓練に出頭し、修了後に予備自衛官に任用される。

陸上自衛隊では任用後に後方地域の警備要員などを務め、現職自衛官の新隊員教育とほぼ同じ教育課程を修了する必要がある。隊列行進や敬礼などの基本教練から始まり、歩哨斥候野戦築城、長距離行進、武器の分解結合、戦闘訓練、射撃訓練などが行われる。現職の新隊員教育よりも訓練期間が短く、体力練成は各自が招集期間以外に自主的に行うことが推奨されている。
陸上自衛隊予備自衛官補(技能公募)

陸上自衛隊における技能公募予備自衛官補は、語学、医療、車両整備等の専門技術者たる予備自衛官になることを目的とする。訓練日数は2年間で合計10日である。訓練内容は一般公募に比べて少ないが、基本教練から射撃まで最低限必要なことは一通り行われる。平成25年度から弁護士・司法書士(法務)、臨床心理士(衛生甲)が追加され、令和3年度から遺体衛生保全士と納棺士が追加された[3]
受験資格及び必要な資格免許・実務経歴等
18歳以上で下の表の国家免許資格等を有する者(現に常勤の隊員、短時間勤務の官職を占める隊員、予備自衛官及び
即応予備自衛官である者を除く。)

自衛官であった者は、自衛官であった期間が1年未満である者(自衛官候補生から引き続き自衛官となった者であっては、 当該自衛官候補生としての勤務期間と自衛官としての勤務期間とを通算した期間が1年未満の者)

予備自衛官補採用試験を受けられない者
ア 日本国籍を有しない者イ 自衛隊法第38条第1項の規定により自衛隊員になることができない者禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者ウ 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者(心神耗弱を原因とするもの以外)

資格免許・実務経歴一覧(予備自衛官補(技能公募)募集要項(令和3年度))
技能区分国家免許資格等[注 1]年齢
衛生(甲)[注 2]医師及び歯科医師(経験年数12年以上)36歳以上 55歳未満
薬剤師(経験年数16年以上)
臨床心理士(経験年数16年以上)55歳未満
医師及び歯科医師(経験年数12年未満)
薬剤師(経験年数16年未満)
臨床心理士(経験年数16年未満)
公認心理師54歳未満
衛生(乙)[注 3]理学療法士
作業療法士
診療放射線技師
臨床検査技師
看護師
救急救命士准看護師の資格を併せて保有する者)
栄養士
准看護師
歯科技工士(歯科医師免許保有者は、衛生・ 乙(歯科技工士)の受験資格がある。)53歳未満
語学(英語)外国語短期大学等以上卒業者[注 4]又は実用英語技能検定(英検)準1級以上
若しくはこれと同等以上の能力[注 5]を有する者
語学(ロシア語)外国語短期大学等[注 4]以上卒業者又はこれと同等以上の能力[注 5]を有する者
語学(中国語)
語学(朝鮮語)
語学(アラビア語)
語学(フランス語)
語学(ポルトガル語)
語学(スペイン語)
整備一級大型又は小型自動車整備士
一級又は二級二輪自動車整備士
二級ガソリン自動車整備士
二級ジーゼル自動車整備士
情報処理システムアナリスト
プロジェクトマネージャ
アプリケーションエンジニア

プロダクションエンジニア
第一種情報処理技術者
ソフトウェア開発技術者
ネットワークスペシャリスト
データベーススペシャリスト
システム運用管理エンジニアと同等の資格[注 6]又は技能を有する者
テクニカルエンジニア

テクニカルエンジニア(ネットワーク)

テクニカルエンジニア(データベース)

テクニカルエンジニア(システム管理)

テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)

テクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)

上級システムアドミニストレータ
情報セキュリティアドミニストレータ
第二種情報処理技術者
基本情報技術者
システム監査技術者
応用情報技術者
ITストラテジスト
システムアーキテクト
エンベデッドシステムスペシャリスト
情報セキュリティスペシャリスト
ITサービスマネージャ
通信第一級総合無線通信士
第二級総合無線通信士
第三級総合無線通信士
第一級陸上無線技術士
第二級陸上無線技術士


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:37 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef