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乱闘(らんとう)は、明確な敵対意識を持った人間同士が、正対した形ではなく入り乱れた様相を呈しながら戦うことを指す言葉である。
乱闘は、もっぱらあまり組織化されていない集団同士による、激情的な敵対意識の結果であることが多い。戦闘の意図および方針が明確な場合には、乱闘になることは稀である。 中世以前の戦争においては、戦闘集団が必ずしも十分に組織化されておらず、また武器も刀剣が主であったため、敵味方の集団が入り乱れた状態で個別の切り合いが起きるなど、乱闘的な戦闘行動がしばしば起きたと考えられている。 一方、近世以降は世界各地で組織化された軍隊が登場し、また離れた場所から相手を殺傷できる銃砲が戦争の主流となったため、乱闘は白兵戦などの偶発的なものにとどまるようになった。 国家レベルではない集団同士の抗争においては、現代においても素手、もしくは刀剣が用いられることが多く、乱闘の形態となることがしばしばある。ただし、特に先進国においては警察力の増大や教育の浸透により、こうした抗争自体が表立った形では発生しにくくなっている。 現代において、公の形で乱闘が見られるものがスポーツ分野である。スポーツは身体および知識を競うゲームではあるが、特に身体接触の激しいスポーツでは痛みや恐怖を伴うため、必然的に試合の相手に対する激情を生み出しやすい性質を持つ。ただし競技規則の範疇であれば、たとえ対戦相手同士が入り乱れた状態になっていたとしても乱闘とは呼ばない。スポーツで一般に乱闘と呼ばれるものは、規則外の行動によるものであるため、乱闘を引き起こした当事者が処分されたりすることも多い。 この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2022年4月) 野球においては、投手が投げた死球もしくは危険球に対して打者が痛みや危険を感じた結果として、打者が投手に向かって激情を伴った示威行動に出ることがある。この際、打者のチームメイトは加勢または防御、投手のチームメイトは防御を主な目的として行動に加わることで乱闘状態になる。同様に、クロスプレイから乱闘が発生することがある。なお、審判(特に球審)の判定に選手や監督などが激昂した場合など、上記のいずれにも当てはまらないその他の理由から乱闘が生じるケースもある。その為、審判員が時として乱闘の標的になるケースもままある。 ただし、乱闘に参加する選手はバットやボールなどの「凶器」は使ってはいけない等の不文律がある。また、非常に激昂した当事者を除き、殴る蹴るなどの直接的な暴力行為を行うことは極めて稀で、睨み合いもしくは素手でのつかみ合い、平手で小突き合い程度に留まることが大半であるが、榎本喜八が乱闘中に相手チームの選手にバットで殴られて負傷した事件(後述)や1989年9月23日の西武対ロッテ戦(西武球場)で西武の清原和博が死球に激怒してロッテの平沼定晴投手にバットを投げつけ、これに激怒した平沼が応戦したところにヒップアタックをした事件がある。また巨人のバルビーノ・ガルベス投手も判定に不満を示して退場となった時に、当たりはしなかったが審判に向かってボールを投げつけ当該審判員も激怒して一触即発状態になり、問題になった。 しかし乱闘の結果、殴られたり突き飛ばされた選手が負傷したり、殴った選手が指や手を骨折して選手生命を縮めるケースもあり、平成終期以降はこれらのリスクに加え、乱闘の原因となる死球数の減少、国際試合や交流戦、シーズンオフ中の合同自主トレーニング等による他球団選手同士の交流が増えたため、乱闘の数は少なくなっている。
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乱闘の様子(2016年6月7日、ボルチモア・オリオールズ対カンザスシティ・ロイヤルズ戦で発生したマニー・マチャドとヨーダノ・ベンチュラの乱闘)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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