九段線
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日本の東京都電の九段線(くだんせん)については「東京都電車#東京市街鉄道(街鉄)が一部または全部を敷設した路線」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(CJK統合漢字拡張B)が含まれています(詳細)。中華人民共和国が主張している“九段線”(緑色)

九段線(きゅうだんせん、: 九段?、: Nine-dash Line)、または十一段線(: 十一段線、: Eleven-dash Line)、U字線/牛舌線(ベトナム語:???ng 9 ?o?n/???ng l??i bo/???ng ch? U / .mw-parser-output .vi-nom{font-family:"Nom Na Tong","Han-Nom Gothic","Han-Nom Ming","HAN NOM A","HAN NOM B","TH-Khaai-TP0","TH-Khaai-TP2","TH-Khaai-PP0","TH-Khaai-PP2","TH-Sung-PP0","TH-Ming-JP0","TH-Ming-JP2","TH-Sung-PP2","TH-Sung-TP0","TH-Sung-TP2","TH-Sy-P0","TH-Sy-P2","Ming-Lt-HKSCS-UNI-H","Ming-Lt-HKSCS-ExtB","FZKaiT-Extended","FZKaiT-Extended(SIP)","FZKaiS-Extended","FZKaiS-Extended(SIP)","Sun-ExtA","Sun-ExtB","MingLiU","MingLiU-ExtB","MingLiU_HKSCS","MingLiU_HKSCS-ExtB","SimSun","SimSun-ExtB",sans-serif}.mw-parser-output .vi-nom .ext{font-family:"Han-Nom Gothic","Han-Nom Ming","Han-Nom Minh","TH-Khaai-TP2","TH-Khaai-PP2","TH-Ming-JP2","TH-Sung-PP2","TH-Sung-TP2","TH-Sy-P0","TH-Sy-P2","Sun-ExtB","MingLiU HKSCS-ExtB","Ming-Lt-HKSCS-ExtB","HanaMinB","Han-Nom Kai",sans-serif}塘?段/塘??/塘?U)は、南シナ海にあるスプラトリー諸島(中国側呼称:南沙群島)やパラセル諸島(中国側呼称:西沙群島)の領有権及び両諸島周辺の領海排他的経済水域(EEZ)、大陸棚といった海洋権益問題に関して、1953年から中華人民共和国がその全域にわたる権利を主張するために地図上に引いている破線である。

断続する9つの線の連なりにより示される。なお、2012年5月15日から、中華人民共和国の発行するパスポート査証欄に九段線が印刷されている[1]。九段線とその囲まれた海域に対する中国の主張の歴史的権利について、2016年7月12日ではハーグ常設仲裁裁判所が「法的根拠が無く、国際法に違反する」と判断を下した(南シナ海判決[2][3][4][5]
九段線の位置

「九段線」が引かれる位置は、時計回りに以下の通り。
バシー海峡

ルソン島トラフ

マニラ海溝

スプラトリー諸島(中国側呼称:南沙群島)とフィリピンの間

パラワントラフ

スプラトリー諸島とマレーシアの間

スプラトリー諸島とインドネシアナトゥナ諸島の間

スプラトリー諸島とベトナムの間

パラセル諸島(中国側呼称:西沙群島)とベトナムの間

歴史
中華民国の「"十一段線"」1947年に中華民国が示した“十一段線”

第二次世界大戦の後、中華民国海軍は南シナ海海域の島嶼を使用し始め、水文学調査を行った[6]1947年12月1日、中華民国の内政省地域局が作成し、国民政府が議決・公布した『南シナ海諸島新旧名称対照表』及び『南シナ海諸島位置図』には、11段のU字線が中華民国の領海として取り囲まれるように描かれていた。

中華人民共和国成立(1949年)前の1947年に中華民国が同様の目的で、地図上に引いた11本の線(十一段線)から2線を除去し、1953年に新たに書き直されたものである[7]。中華民国、つまり現代の台湾では、馬英九の国民党政権は2014年まで十一段線の主張を継続していたが[8]、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}2015年以降の民主進歩党政権からは一転し、「十一段線」について主張していない。[要出典]
中華人民共和国の「九段線」

1953年以降、中華人民共和国がベトナム戦争当時支援していた北ベトナム軍トンキン湾内にある島でのレーダー建設などの活動を妨げないよう、自国の安全保障政策と整合させるべく前述の十一段線のうちからトンキン湾付近の点線2つを除去し、新たに九段線へと書き直された[9]
意義

九段線に対する法的解釈は大体以下の4つがある[10]

島嶼帰属の線:線内の島嶼東沙群島、南沙群島、中沙群島と西沙群島を含み、及び周辺海域は中国に属しており、中国がこれを管轄し、統制する。

歴史的な権利の範囲:線内の島、浅瀬砂洲は中国領土であり、内水以外の海域排他的経済水域大陸棚となる。

歴史的な水域線:中国は線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域の歴史的権利を有するのみならず、線内の全ての海域が中国の歴史的な水域とされる。

伝統疆界線(国境線):線内の島、礁、浅瀬、砂洲及び周辺海域は中国に属しており、線外の区域は公海または他国に属する。

権利争議
権利主張国

中華人民共和国

中華民国

 ベトナム

フィリピン

マレーシア

ブルネイ
?沙長沙はベトナムのものだ」九段線内の当該諸島の領有権についてのベトナム側の主張・立場をアピールする宣伝文句(2013年、ホーチミン市統一会堂にて)。ベトナム語のQu?n ??o Hoang Sa[11]およびQu?n ??o Tr??ng Sa[12]は、それぞれ中国語での西沙諸島および南沙諸島に対応する。

豊富な漁場石油天然ガス資源、重要な航路帯によって、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ブルネイなどが中国及び台湾と対立し始め、南シナ海の領有権も主張している[13]。諸国は中国や台湾が一方的に設定した九段線及び十一段線を認めず[14]国連海洋法条約に基づいて、それぞれ自国の領有権を主張している[15]
中比仲裁裁判所判断

中国の九段線内側海域に対する歴史的権利の主張について、フィリピンは国連海洋法条約に基づきオランダハーグ常設仲裁裁判所に、その違法性を申し立てていた[16]

2016年7月12日裁定が下り、仲裁裁判所は中国及び台湾の権利主張に「法的根拠がない」と判断した[2][3][5][17]。フィリピンの「人工島周辺には排他的経済水域はない」という主張が認められると同時に[5]南沙諸島スカボロー礁にある全てのリーフは、法的には排他的経済水域および大陸棚を生成しない「岩」と結論づけた[17]。十一段線を主張してきた中華民国(台湾)の蔡英文政権は「裁定は台湾の権利を傷つけるもの」と反発し、実効支配している太平島に軍艦を派遣しており[18][19]、判決文に「中国の台湾当局」という表現[20]があることについても中華民国立法院は抗議している。また、日本との紛糾を避けて7月に予定していた日台海洋協力対話を延期した[21]。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はかねてから「判決の結果は誇示しない」意向を示していたため[22]、「戦争という選択肢はない」[23]として中国と二国間協議を開始すべくフィデル・ラモス元大統領を特使として訪中させると発表し[24]、判決を不服とする中国側もこれを歓迎し[25]、ラモス元大統領も受諾を表明した[26]。ドゥテルテ大統領は就任後初の施政方針演説で南シナ海を「西フィリピン海」と呼ぶ一方、「中国海としても知られている」とするなど中国への配慮を打ち出した[27]。同年10月20日、ドゥテルテ大統領と習近平中国国家主席総書記)は判決を棚上げして各方面の協力で合意した[28]。合意によりフィリピン漁民の操業が再開され[29]、フィリピン領となる人工島の建設を中国が開始した[30]2021年5月5日、南シナ海の領有権を巡る中国の主張を否定した南シナ海判決についてドゥテルテ大統領は、「ただの紙切れにすぎない」「(判決は)役に立たない。ゴミ箱に捨てよう」と述べ、中国政府と同様の言い回しで判決を否定した[31]
各国の反応

中華人民共和国のパスポートデザインによる九段線の主張に対して、周辺諸国や関係国は反発しており、下記のような対応をとっている[1]

中華民国の大陸委員会は「争議を惹起し、現状を変えようという魂胆。両岸関係において、お互いの信頼を傷つける」と抗議声明を発表した。

ベトナムとフィリピンでは、パスポートへの査証欄にスタンプ捺印を拒否し、新パスポートの撤収を強く主張している[要出典]。

インドでは、中国との係争地域をインド領と示すデザインの査証スタンプを採用し、中国側の地図の上に押している[要出典]。

中国の「九段線」主張全体やその海域における中国の公船や漁船の活動に関しても、厳しい態度を示すことがある。

インドネシアは「九段線を認めない。中国には国連海洋法条約を遵守する義務がある」(ルトノ・マルスディ外務大臣)との立場を表明。九段線と向き合うナトゥナ諸島で軍備を増強し、その北方海域を2017年に「北ナトゥナ海」と改称している[32]

アメリカ合衆国国務長官マイク・ポンペオは南シナ海判決4年目の翌日である2020年7月13日、中国の主張は「完全に違法」で「世界は中国が南シナ海を自国の海洋帝国として扱うのを認めない」と声明した[33]。「海洋の自由#「航行の自由」作戦」も参照。



脚注^ a b 福島香織 (2012年12月5日). ⇒“中国の「俺様地図」にビザスタンプを押していいか”. 日経ビジネス (日経BP). ⇒http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121203/240489/ 2017年8月5日閲覧。 
^ a b “中国の南シナ海支配を否定 仲裁裁判所「歴史的権利なし」と判断”. 『読売新聞』. https://www.sankei.com/article/20160712-ISUHJA2QXJNBNISHHIFD22F7AM/ 2016年7月13日閲覧。 
^ a b “中国の主張「九段線」認めず 仲裁裁判所判決”. 『毎日新聞』 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/articles/20160713/k00/00m/030/015000c 2016年7月13日閲覧。 
^“中国主張の南シナ海境界線「根拠無い」 仲裁裁判所判決”. 『朝日新聞』 (朝日新聞社). ⇒http://www.asahi.com/articles/ASJ7D640PJ7DUHBI02P.html 2016年7月13日閲覧。


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