この記事には複数の問題があります。改善
やノートページでの議論にご協力ください。乗り継ぎ料金制度(のりつぎりょうきんせいど)とは、異なる交通機関や有料道路同士の乗り継ぎを行う際に料金の割引を行う制度のこと。
日本では各交通事業者の独立経営を前提にした乗り継ぎ料金制度が広く導入されているが、世界的には複数の交通企業体で運輸連合を設立して共通運賃制度を導入する地域が多くなっており乗継割引ではなく参加事業者共通のゾーン制や均一制などの運賃体系がとられている[1]。 公共交通機関の運賃等は初乗り料金等の影響で乗り継ぎ回数が多いほど料金が高くなってしまう。そこで日本では乗り継ぎによる金額の増大を抑えるために乗り継ぎ料金(割引)制度が広く導入されている。 一方、世界的には交通企業体ごとの自立採算制をとらずに複数の交通企業体で運輸連合を設立し、各社からの事業収入を運輸連合でいったんプールしたうえで一定の基準で参加事業者に再配分する共通運賃制度を導入する施策をとっている地域が多くなっている[1]。例えばパリのパリ運輸組合には地下鉄、バス、フランス国鉄など57社が加入しているが乗継割引制度はなくパリ市内のこれらの公共交通機関ではゾーン制の運賃である[1]。日本の公共交通機関は各交通事業者の独立経営によるシステムとなっており共通運賃制度は普及していない(乗車券等の共通化はみられる)[1]。 他には航空会社の国際線でファーストクラスを利用する場合に国内線のファーストクラスの料金を通しにしたり、割り引いたり、無料にする制度がある。 日本国有鉄道(国鉄)及びその事業を継承したJR各社においては、特急・急行料金は1個の列車に対し、1個の料金(特別急行券・急行券)を適用することを原則としている。すなわち、途中で乗り換えて複数の特急・急行列車に乗車する場合、各々の列車に対し各々の料金を適用することが原則である。しかし、新幹線の開業に当たり、並行する在来線の特急・急行列車が新幹線に代替される形となり、以前の在来線であれば直通で利用できた区間であっても、複数列車に乗車せざるを得なくなるケースが発生した。このようなケースで料金を個別に適用すれば実質的な料金の値上げと解されることから、各々の列車に対し各々の料金を適用するという原則を維持しつつも、激変緩和のため新幹線に接続する在来線の料金を減免する措置として導入されたのが、乗継割引制度である。この趣旨により、そもそも在来線時代より直通列車のなかった東京・大宮・高崎での別系統への新幹線乗継や、東京等での新幹線・在来線相互乗継には適用されないのが原則である。その他、在来線同士の乗継において、運行系統上直通列車がなくなり分断を余儀なくされた、あるいは営業戦略上同一ネットワークとして扱うなどのケースにおいては、乗継割引の設定がなされることがある。 このほか、新幹線のみを利用する場合において、停車駅パターンの関係で、目的地に到着するためにどうしても複数の新幹線の乗り継ぎが必要なケースや、途中駅で速達列車に乗り換えたほうが所要時間が短縮できるケースがある。このようなケースでも料金が不当に高額とならないよう、料金通算制度が設けられている。料金通算制度の適用は下り同士または上り同士(同一方向)に限定され、下り→上り、またはその逆は適用対象外である。 表記の各種情報は、2024年4月現在のものである。 新幹線の場合は、目的地まで有効である新幹線特急券を所持している場合、基本的には目的地まで同一方向の新幹線に限って、新幹線の列車を乗り換えても新幹線改札を出ない限り有効である(ラッチ内乗り継ぎ)。なお、一部区間でも指定席を利用する場合は全区間指定席特急料金が適用される[2]。 ただし、次の場合は特急料金通算の対象外となり、特定駅までの特急料金を合算して算出する。 なお、東海道・山陽新幹線で「のぞみ」・「みずほ」の指定席と「ひかり」・「こだま」・「さくら」とを乗り継ぐ場合、ならびに東北新幹線の大宮駅 - 盛岡駅間を含む区間で「はやぶさ」と「はやて」・「やまびこ」などとを乗り継ぐ場合[4] の場合は、原則として全区間の新幹線指定席特急料金に「のぞみ」「みずほ」または「はやぶさ」の乗車区間に応じた加算料金を加えることになる(一部例外あり。詳細はのぞみ (列車)#「のぞみ」「みずほ」とそれ以外の列車を乗り継ぐ場合を参照)。
概要
JR各社
特急料金・急行料金の通算
新幹線
定期運転の直通列車が存在しない場合
東海道新幹線と東北新幹線・上越新幹線を東京駅で乗り継ぐ場合 → 東京駅まで(から)の特急料金を合算
東北新幹線(小山駅以北)と上越新幹線(熊谷駅以北)を大宮駅で乗り継ぐ場合 → 大宮駅まで(から)の特急料金を合算
上越新幹線(上毛高原駅以北)と北陸新幹線(安中榛名駅以西)を高崎駅で乗り継ぐ場合 → 高崎駅まで(から)の特急料金を合算
山陽新幹線と九州新幹線を乗り継ぐ場合(「さくら」「みずほ」で直通する場合を含む) → 博多駅まで(から)の特急料金を合算山陽新幹線内と九州新幹線を直通または乗り継ぐ場合は単純合算から割り引く特例措置が存在する。九州新幹線#特急料金・運賃を参照のこと。
東北新幹線と北海道新幹線を乗り継ぐ場合(「はやぶさ」「はやて」で直通する場合を含む) → 新青森駅まで(から)の特急料金を合算[3]
特急料金計算の例
例:上野駅 -(あさま)- 大宮駅 -(なすの)- 那須塩原駅 -(やまびこ)- 仙台駅 -(はやて)- 盛岡駅 と乗り継ぐ場合上野駅 - 盛岡駅間の新幹線特急料金(同一方向なので、全区間を通算する)。例:宇都宮駅 -(やまびこ)- 大宮駅 -(とき)- 高崎駅 -(あさま)- 軽井沢駅 と乗り継ぐ場合宇都宮駅 - 大宮駅間と大宮駅 - 軽井沢駅間の新幹線特急料金を合算する(大宮駅で一旦計算を打ち切る)。例:新潟駅 -(とき)- 高崎駅 -(はくたか)- 金沢駅 と乗り継ぐ場合新潟駅 - 高崎駅間と高崎駅 - 金沢駅間の新幹線特急料金を合算する(高崎駅で一旦計算を打ち切る)。例:熊谷駅 -(とき)- 東京駅 -(こだま)- 新横浜駅 と乗り継ぐ場合熊谷駅 - 東京駅間と東京駅 - 新横浜駅間の新幹線特急料金を合算する(東京駅で一旦計算を打ち切る)。
Size:120 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef