主題図
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ジョン・スノウが1854年にまとめた、ブロード・ストリートのコレラの大発生における死者発生地の分布図

主題図(しゅだいず、英語: thematic map, topical map)とは、特定の地理的事象に関係する情報を表示し伝達する地図のことである[1]土地利用図・土地条件図・地質図海図・人口図などがその一例であり[2][3]、特定の事象を強調しない一般図と区別される[4]
分類

主題図は主に定性的地図と定量的地図に二分することができる[3]。この分類は地図表現の立場から行われたものである[5]
定性的地図1977年のブラジルの土地利用図

定性的地図は非数量的データを対象とし[6]、分布や拡散の程度を表現する[7]。具体例として土地利用図や文化地図が挙げられる[6][3]
定量的地図

定量的地図は数量的データを地図化したものであり[7]、統計的地図(statistical map)や階級区分図(choropleth map)ともいう[3]

定量的地図は絶対図と相対図に分類することができる[3]。絶対図は絶対数のデータを円の大きさなどで表現した地図のことである[6]。相対図は、単位地域面積での比率(人口密度など)を表示する主題図(狭義の相対図)のほか、他にも百分率で表されるデータ(人口増加率など)を表示する主題図(広義の相対図)の2つがある[8]
記号の分類

主題図を表現するうえで使用する記号は、点・線・面の3つに分類することができる[9]。点的な地理的事象(人口など)は、ドットなどの点記号で表現される[10]。同様に、線的な地理的事象(交通路線など)は線記号、面的な地理的事象は面記号で表現される[10]。点記号では点の大きさや充填度などによる順序づけがなされることもあれば、それとは別に地図記号や、円や三角形などの幾何記号も使用される[11]

点データを対象とする場合は点データ地図、線データを対象とする場合は線データ地図、面データを対象とする場合は面データ地図の主題図となる[12]。ただし、ドットマップ(英語版)や等値線図のように点データを面データ地図として表現したり、メッシュマップのように面データを点データ地図に変換したりするなど、地図化の方法により点データ・面データ・線データの中で変化することもある[12]

また、主題図での表現対象となる地理的事象は、名目尺度、順序尺度、間隔尺度、比率尺度の4種類に分類され、それらが記号化される[13]。名目尺度は定性的な尺度であり、都市の分類(城下町宿場町など)がその一例である[14]。順序尺度は好き嫌いや利用頻度など大小関係を持つ尺度である[14]。間隔尺度は測定値の差をもって比較できる尺度であり[14]、各地域での気温がその一例である[15]。比率尺度は測定値の比率で比較できる尺度のことであり、人口がその一例である[14]。主題図では円の大小として表現される[16]
作図

主題図は、一般図をベースマップとしたうえで作られる[17]。主題図を用いて地理的事象を表現するときは、定性的データは記号の形や模様で、定量的データは、絶対図の場合は図形の大きさ、相対図の場合は順序尺度や濃淡などで示す[18]

主題図はグラフィックソフトウェア地理情報システムCAD(コンピュータ支援設計)などを利用し、パーソナルコンピュータを使用して作成することもできる[19]
主題図の例

量的な主題図の一例として、菅野 (1987)ではドットマップ(英語版)、図形表現図、流線図等値線図階級区分図カルトグラムが例示されている[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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