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中間子(ちゅうかんし、英: meson)とは、クォークと反クォークが、強い相互作用を媒介するグルーオンのはたらきによって結合した複合粒子の一種である。別称にメゾンまたはメソン、旧称としてメソトロン、メゾトロンまたは湯川粒子がある。1935年頃に湯川秀樹によって、原子核を構成する中性子と陽子を結びつける「核力」を媒介する粒子として提唱された。
1970年代にクォークモデルが確立して以来、中間子は素粒子では無く複合粒子とされている。核力についても基本相互作用ではなく、クオーク間にはたらく強い相互作用に由来する力として理解されている。
概要を持った反クォークから構成された粒子であり、バリオン数が0である。安定したものはなく、最も寿命の長いものでもナノ秒単位で弱い相互作用により崩壊する。最も軽い中間子(パイ中間子)は、およそ140MeV(約2.5×10?28 kg、電子の約270倍)の質量を持っている。もっとも質量の小さいメソンは擬スカラー粒子(スピン 0)である。ここでクォークと反クォークは反対向きのスピンを持つ。ベクター粒子(スピン 1)のメソンの場合はクォークと反クォークは同じ方向のスピンを持っている。中間子の質量の大部分は、構成するクォークの質量ではなく、その束縛エネルギーから生じている。中間子は安定ではない(陽子のような長い寿命を持たない)。
中間子はもともと陽子と中性子を原子核中で束ねている力を伝達していると予想されていた。ミュー粒子が最初に発見されたとき、質量が近いことから中間子と考えられ、「ミュー中間子」と名付けられた。しかし、核子を強く引き付ける力がないことから、実はレプトンであったと判明した。後に、本当に力を伝達するパイ中間子(ミュー粒子に崩壊する)が発見された。
2003年11月14日、高エネルギー加速器研究機構の加速器「KEKB」にてクォーク4個からできた新中間子「X(3872)」が発見された。この粒子はその質量などから D {\displaystyle \mathrm {D} } 中間子 D 0 {\displaystyle \mathrm {D^{0}} } と D 0 ¯ {\displaystyle \mathrm {\bar {D^{0}}} } の組み合わせでできていると見られている。しかしながら、これはクォーク2個と反クォーク2個からなる一つのハドロンではなく、二つのメソンからなる分子状態と考えられている。同機構は2007年11月9日にも、クォーク4個からできた新中間子「Z(4430)」を発見したと発表している。
中間子は、湯川秀樹によって理論的に予言され、これが彼のノーベル物理学賞の受賞理由となった。
中間子の一覧詳細は「中間子の一覧」を参照
一部の中間子についての一覧を以下に示す。
名称記号反粒子構成静止質量
(MeV)量子数平均寿命
(秒)
SCB
π中間子 π + {\displaystyle {\ce {\pi^{+}}}} π − {\displaystyle {\ce {\pi^{-}}}} u d ¯ {\displaystyle \mathrm {u{\bar {d}}} } 139.57018±0.00035000(2.6033±0.0005)×10-8
π 0 {\displaystyle {\ce {\pi^0}}} 自分自身 u u ¯ − d d ¯ 2 {\displaystyle \mathrm {\frac {u{\bar {u}}-d{\bar {d}}}{\sqrt {2}}} } 134.9766±0.0006000(8.4±0.6)×10-17