中華民国立法委員選挙区
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この記事は中華民国立法委員選挙選挙区の記事である。2020年1月11日第十回中華民国立法委員選挙が終了した時点で、73の「区域立法委員選挙区」(小選挙区制)、2つの「原住民立法委員選挙区」(大選挙区制)と1つの「全国不分区および僑居国外国民選挙区」(比例代表制)があり、そこから113名の立法委員が選出されている(うち小選挙区選出議員は73名、原住民選挙区選出議員は6名、比例代表選出議員は34名)[1]
沿革

中華民国政府は、1947年に公布された『中華民国憲法』および『憲法施行準備手続』に従い、1947年3月31日に『立法院議員の選挙および解任に関する法律』(立法院立法委員選舉罷免法)を制定・公布し、1948年に第一回中華民国立法委員選挙(中国語版)を実施した。しかし、1949年国共内戦の敗戦により、中華民国政府は台湾へ移転した。多数の立法委員はこの時、中華民国政府とともに台湾に逃げたが、元の選挙区は既に中華人民共和国の統治下にあるため、中国大陸での選挙の実施は困難との理由から総選挙が見送られ、結局第1期議員の任期満了を大幅に超過した20年以上にわたって立法委員選挙は行われなかった[2]1969年に政府は『動員戡乱時期自由地区中央公職人員増選補選弁法(中国語版)』を制定・公布し、台湾省台北市の区域で1969年中華民国立法委員増額選挙(中国語版)を行った[3][4]1972年国民大会第5回会議は増額選挙の選挙方式を制定してから、立法委員選挙は憲法上の制約を受けずに中華民国自由地区で3年ごとに実施するようになった[5][6][7]:90。1980年、『動員戡乱時期公職人員選挙罷免法』が公布され[8]1991年に『動員戡乱時期臨時条款』の廃止とともに『公職人員選挙罷免法(中国語版)』に改称された[9]。また、同時期の『中華民国憲法増修条文』による憲法改正で、中華民国の議員や首長は中華民国自由地区の国民だけによって選出されるようになるため、1992年第二回中華民国立法委員選挙で立法委員は全面的に改選されることとなった[10][7]:95。2008年第七回中華民国立法委員選挙からは小選挙区が主な制度に移行し、立法院の議席数が225議席から113議席に半減し、4年ごとに選挙が行われるようになった[11]。2019年、中央選挙委員会は、翌年の第十回中華民国立法委員選挙に一部選挙区の区域変更を決定した[12][13]

現在の議員定数と任期は『中華民国憲法増修条文』第4条および『公職人員選挙罷免法(中国語版)』第35条により規定される。第七回中華民国立法委員選挙以降は小選挙区比例代表並立制(原住民選挙区のみは大選挙区制)を採用しており、議員の定数は113人、任期は4年、再選も可能である。具体的な議席の分配は以下の通りである[14][15][16]

直轄市の下にある73の小選挙区から1人ずつ、かつ各県・市からは最少1人が選出される。

山地原住民選挙区(中国語版)と平地原住民選挙区(中国語版)からはそれぞれ3人が選出される。

政党名簿比例代表制の全国不分区および僑居国外国民選挙区(中国語版)[17]からは34人の議員が選出される。

地方選挙区

1948年の第一回中華民国立法委員選挙(中国語版)は単記非移譲式投票大選挙区制を採用していた。全国の47の直轄市および蒙古地方チベット地方から659人の立法委員が選出された。定数は「人口が300万未満の選挙区からは5人、300万人以上の選挙区は超過分100万人ごとに1人増加」と規定された[7]:87, 98。1969年中華民国立法委員増額選挙(中国語版)では台湾省の2つの選挙区と台北市の1つの選挙区で併せて11人の議員が選出された[4]。1972年中華民国立法委員増額選挙(中国語版)では選挙区の数が8つに増え(台湾省で6つ、台北市で1つ、福建省で1つ)、27人の立法委員を選出された(うち台湾省で合計21人、台北市で5人、福建省で1人)[18][19][7]:90-91。1979年に高雄市は直轄市となったため、1980年中華民国立法委員増額選挙では選挙区の数が9つに増え(台湾省で6つ、台北市で1つ、高雄市で1つ、福建省で1つ)、52人の立法委員を選出された(うち台湾省で合計38人、台北市で8人、高雄市で5人、福建省で1人) [20][21][7]:93。1989年に『動員戡乱時期公職人員選挙罷免法』が大幅に修正された。台湾省の地域選挙区で選出される議員の総人数は79人に固定され、台湾省の下にある21の県と市は1県(市)1選挙区のように指定された。ただし、人口が多い台北市と高雄市はそれぞれ2つの選挙区に分かれた[22][7]:93-94。

1992年の第二回中華民国立法委員選挙の前に、福建省選挙区が金門県連江県の2つの選挙区に分けられたため、合計119人の立法委員が選挙区で選出されるようになった。第三回中華民国立法委員選挙での選挙区は第二回と同じであったが、選出議員の数は3人増えて122人となった[23][24][7]:95-96。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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