中華人民共和国公司法
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中華人民共和国公司法(ちゅうかじんみんきょうわこくこうしほう)とは、中華人民共和国における有限責任会社(有限責任公司、zh:有限責任公司)および株式会社について、それぞれの設立、組織機構、持ち分、株式譲渡等の事項を定める法律である[1]。中国語原文表記は、「中?人民共和国公司法」である。[注釈 1]
構成

第1章「総則」(第1条から第22条)


第2章「有限責任会社の設立及び組織機構」

第1節「設立」(第23条から第35条)

第2節「組織機構」(第36条から第56条)

第3節「一人有限責任会社に関する特別規定」(第57条から第63条)

第4節「国有独資会社に関する特別規定」(第64条から第70条)



第3章「有限責任会社の持分譲渡」(第71条から第75条)


第4章「株式有限会社の設立及び組織機構」

第1節「設立」(第76条から第97条)

第2節「株主総会」(第98条から第107条)

第3節「董事会、総経理」(第108条から第116条)

第4節「監事会」(第117条から第119条)

第5節「上場会社組織機構に関する特別規定」(第120条から第124条)



第5章「株式有限会社の株式の発行及び譲渡」

第1節「株式の発行」(第125条から第136条)

第2節「株式の譲渡」(第137条から第145条)



第6章「会社の董事、監事及び高級管理職の資格及び義務」(第146条から第152条)

第7章「社債」(第153条から第162条)

第8章「会社の財務、会計」(第163条から第171条)

第9章「会社の合併、分割、増資、減資」(第172条から第179条)

第10章「会社の解散及び清算」(第180条から第190条)

第11章「外国会社の支社機構」(第191条から第197条)

第12章「法律責任」(第198条から第215条)

第13章「附則」(第216条から第218条)

注)上記の構成区分の表題中、原文の「公司」は「会社」に、「分支」は「支社」に訳している[2]
沿革

1980年代後半から国有企業改革の切り札として、テスト事業(試点工作)として株式会社化が進められていたが、1993年12月29日に第8期全国人民代表大会常務委員会第5回会議で旧公司法が採択され、株式公司に本格的な法律的根拠が与えられた[3][4]。しかし、この旧公司法は完全な市場経済モデルへの移行前に起草されたため、過渡的なものであり、多くの欠点や不都合を抱えていた[3]。そこで市場経済に適合する本格的な法律を目指して、2005年10月27日に第10期全国人民代表大会常務委員会第18回会議にて新公司法が採択された[3][4]。旧公司法のうち変更されなかったのは20条余りというほどの全面的な改正であった[3]。新公司法による主な改正点は、以下のとおりである[3]
会社設立の要件を緩和したことで、有限責任公司は最低資本金が3万元に(2013年改正前第26条第2項)、株式有限公司については500万元に引き下げられた(2013年改正前第81条第3項)[3]

一人有限公司についての特別規定を置き、一般的に一人有限公司を認めた(2013年改正前第58条から第64条)[5]

強行規定を任意規定に変更し、定款・私的自治を拡大した[5]

董事会(取締役会)、監事会の権限強化、詳細化をはかり、同時に代表取締役の権限を制約した(2013年改正前第109条から第120条)[5]

少数株主の利益保護強化(2013年改正前第34条など)[5]

法人格否認の法理の導入。すなわち、「会社の社員・株主は、法律、行政法規および会社定款を遵守し、法に従って株主の権利を行使しなければならず、株主の権利を濫用して会社またはその他の株主の利益を損なってはならず、法人の独立的地位および株主の有限責任を濫用して会社の債権者の地位を損なってはならない」とされた(第20条)[5]

2013年改正について

本「中華人民共和国公司法」は2013年に改正され、全国人民代表大会常務委員会により同年12月28日に可決の上公布された[6]。実施日は、翌2014年3月1日とされた[6]。本改正の主旨と目的は、会社設立の敷居を下げ、投資者の負担を軽減し、会社参入の利便を図ることにある[6]。改正箇所は10数か所におよび、その主な内容は、登録資本の払込登記制度(実際に払込んだ資本金額を登記する制度)から引受登記制度(会社定款等で定めた資本金額を登記する制度)へ移行したこと、登録資本の登記条件を緩和したこと、登記事項及び登記書類を簡素化したことの3つである[6]。企業設立の参入緩和(登録資本の「引受制」などを含む)は、国際的に通用している企業管理方式であり、今回の改正の主な内容は、この国際慣例に従うものとなる[6]。登録資本の引受制などはこれまでに中国(上海)自由貿易試験区において試行されており、今回正式に中国全土で施行された[6]。中国国内で現地法人を設立する日本国の投資者、または登録資本の追加を準備している日系企業にとっては、本法令はいずれも投資者の負担を軽減するものとなる[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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