中核自衛隊
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中核自衛隊(ちゅうかくじえいたい)は1951年昭和26年)に、ソ連共産党スターリン中国共産党劉少奇らの日本国内の暴力革命の指示を受けて、日本共産党第5回全国協議会における「51年綱領」によって明記された暴力による革命を実現するための日本共産党軍事組織の名称[1][2][3][4]軍事組織はY組織またはYと称された[5]
沿革
日本共産党の武装革命路線

朝鮮戦争中(1950年?1953年)の1951年昭和26年)、中国共産党の指導により、日本共産党は第5回全国協議会で武装闘争暴力革命)方針を決定した[6]
コミンフォルムによる指図

1950年1月6日コミンフォルム(共産党国際情報局)の機関誌恒久平和のために人民民主主義のために!』に「日本の情勢について」が発表され、野坂参三平和革命論が批判された[7]。野坂参三はこの批判を受け入れ修正する一方、日本共産党の軍事方針・武装闘争路線をすすめるようになった[7]。また同年1月12日に日本共産党は『「日本の情勢について」に関する所感』を発表する。1950年5月30日人民広場事件で共産党デモ隊と占領軍が衝突すると、6月6日に日本共産党幹部が公職追放となり[8]、同年7月には9人の日本共産党幹部について団体等規正令に基づく政府の出頭命令を拒否したとして団体等規正令違反容疑で逮捕状が出た(レッドパージ)。徳田球一らは所感派と称して地下活動を開始し、同1950年10月、所感派指導部発行(編集責任は伊藤律)の『平和と独立』(10月7日号)・『内外評論』(10月12日特別号)誌で「共産主義者と愛国者の新しい任務?力には力をもってたたかえ」を発表、国会は「帝国主義の独裁を民主主義の偽装によって人民の目をゴマかすための金のかかった道具にすぎない」「決死的な人民武装勢力の闘争なしには」人民政府は樹立されないとして武装闘争、暴力革命を訴えた[9]
中国共産党による日本共産党への指令

当時、朝鮮戦争中であった中国共産党の劉少奇は「日本革命は武装革命である。武装闘争を準備せよ」と指揮した[6]。日本共産党は中核自衛隊、山村工作隊といった非合法武装組織を組織、火炎瓶の作成パンフレットを作成した[6]
四全協の軍事方針

1951年昭和26年)2月23日の第4回全国協議会(四全協)で「軍事方針」が提起され、「敵の軍事基地の拠点の麻痺・粉砕」「軍事基地、軍需生産、輸送における多種多様な抵抗闘争」「意識的な中核自衛隊の結集」「自衛闘争の中からつくりだされる遊撃隊」「警察予備隊に対する工作」「警察に対する工作」などが発表され、地下軍事組織は「Y」と呼ばれた[5][10]。米帝国主義者と売国奴に対して頑強不屈の地域闘争を行い、自衛闘争を発展させ、その中から遊撃隊をつくり出し、その発展を指導しなければならない。労働者階級は小部隊による遊撃隊を組織し、敵勢力の武装勢力を分散・撹乱・襲撃しなければならない。

この遊撃隊は、拠点工場や経営と統合し、農山漁村の遊撃根拠地はつねに大都市、大工場と結合し、労働者階級の指導のもとに発展しなければならない。遊撃隊は自らを守り、敵に対して発展してゆくことのできる根拠地をもたなければならない。遊撃隊の根拠地は第一は地域闘争の中心である大経営であり、つづいては山地・山村地帯である。これらの地域は、数百年前から、農村社会を形作ってきたところであり、革命的な農民運動の歴史さえもっている。その生活は幾重にもはりめぐらされた封建的な圧迫、搾取、容赦ない税金、供出、さらに増大する失業によって、ニ?三年で部落全体が滅亡するところさえ少なくはない。農民は全く滅亡か、革命かに直面している。
これらの山地・山村の根拠地に対しては、大経営の労働者が山村地帯の革命工作を行い、その根拠地をつくらなければならない。
例えば、京浜、阪神、北九州、中京、空知、札幌とその背後には、これらの根拠地帯を作ることが絶対に必要である。
遊撃隊は、反米救国の民族民主統一戦線発展の武器であり、人民解放軍への発展をめざして行われる。 ? 日本共産党第4回全国協議会「軍事方針」、1951年(昭和26年)2月、[11]

1951年2月ガリ版のパンフレット『球根栽培法』第31号に「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない[12]」が掲載[13]
クンチェボ会議

1951年8月、ヨシフ・スターリンコミンフォルムは2月の四全協の「分派主義者に関する決議」を支持、宮本顕治らを批判した[14]


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