真正双子葉類
ヒマワリ このクレードの共有派生形質である三溝粒花粉
(Arabis アブラナ科ヤマハタザオ属
界:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiospermae
階級なし:真正双子葉類[1][2] eudicotidae
和名
真正双子葉類
英名
eudicots, tricolpates
クレード
本文参照
真正双子葉類(しんせいそうしようるい、英語:eudicots、eudicotyledons)は、被子植物のクレード(単系統群)のひとつで、従来[いつ?]の「双子葉類」(側系統群とされる)の中で、単子葉類(単系統群)と姉妹群をなすグループである。
すなわち、従来の双子葉類の中から、単子葉類が分岐する前に分岐した古いグループを除いたもの。分子系統解析に基づくAPG植物分類体系で分類階級のないクレードとして名称がつけられている。 DoyleとHotton(1991年)により提唱された。単子葉類が原始的な双子葉類から進化したとの推測は古くからあったが、Doyleらは花粉の構造などの形質に基づき、被子植物から従来の双子葉類の一部と単子葉類とを除いたものが単系統群としてまとまると考えた(Doyleらによればこの一部の双子葉類には主要なグループとしてモクレン類が含まれる)。 別名として三溝粒類(さんこうりゅうるい Tricolpates)とも呼ばれるが、これは花粉の発芽溝または発芽孔が基本的に3個ある (tricolpate
概要
なお真正双子葉類以外の双子葉類(真正双子葉類・単子葉類を除いた被子植物)を「原始的双子葉類 (paleodicots)」と称することがあるが、これは単系統群ではなく、古い考え方(下記)とも紛らわしいのであまり使われない。
真正双子葉類のうちで初期に分化したやや原始的な諸群(ステムグループ)には、キンポウゲ目、ハス科、ヤマグルマ科などの原始的な形質状態、例えば花で多数の心皮が離生してらせん状に配置する(ストロビロイド説で原始的とされる)ものや、道管のないものなどがある。古くはこれらを「原始的双子葉類」のシキミ科、モクレン科などとまとめて「多心皮類」と呼んでいた(クロンキスト体系のモクレン亜綱もこれに近い分類)。これは現代的に見れば多系統群ということになる。
このやや原始的な諸群を除いたクレードをcore eudicotsと呼び、日本語ではコア真正双子葉類[3]、中核真正双子葉類[1]、あるいは基幹真正双子葉類[2]という。これらは基本的には「双子葉類らしい」形態(花弁とがく片が分化した花など)を持っており(それからさらに進化して無花被になったものなどもある)、種数的にも真正双子葉類の大多数を占める。
さらにコア真正双子葉類の主要な群は、バラ類とキク類の2つに分かれる。 括弧内は第2版までの名称 詳細はAPG植物分類体系#真正双子葉類 eudicotsおよびAPG植物分類体系第4版を参照。
下位分類
真正双子葉類 eudicots
コア真正双子葉類 core eudicots
バラ類 rosids
マメ類 fabids(真正バラ類I eurosids I)
アオイ類 malvids(真正バラ類II eurosids II)
キク類 asterids
シソ類 lamiids(真正キク類I euasterids I)
キキョウ類 campanulids(真正キク類II euasterids II)
注と出典[脚注の使い方]^ a b 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4。
^ a b 米倉浩司
^ 福原達人. “ ⇒被子植物の系統樹と分類”. 2012年8月27日閲覧。
参考文献
Doyle, J. A. & Hotton, C. L. (1991). “Diversification of early angiosperm pollen in a cladistic context”. In Blackmore, S. & Barnes, S. H.. Pollen and Spores. Patterns of Diversification. Oxford: Clarendon. pp. pp. 169-195
Angiosperm Phylogeny Group (2003). ⇒“An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG II” (PDF). Botanical Journal of the Linnean Society 141: 399?436. ⇒http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1046/j.1095-8339.2003.t01-1-00158.x/pdf. (APG II。