中村 芝翫(なかむら しかん)は、歌舞伎役者の名跡。定紋は祇園守
(成駒屋祇園守)、替紋は裏梅。屋号は初代と二代目が加賀屋、三代目以降が成駒屋。成駒屋祇園守成駒屋裏梅「芝翫」は三代目中村歌右衛門の俳名に由来する。三代目歌右衛門は文化15 - 16年 (1818年 - 1819年) の短い期間これを名跡として名乗っていた。
かつては歌右衛門の前名として使われていたが、七代目は叔父の六代目歌右衛門と年の差が無かったので七代目は「歌右衛門」を襲名せず終生この名で通し人間国宝となった。七代目没後、七代目の遺言により七代目の長男が「歌右衛門」を襲名する事となったものの2013年に七代目の長男が病に倒れたため、2024年現在は「七代目歌右衛門」襲名自体が棚上げとなっている。
さて七代目没後空名跡となった「芝翫」は七代目の遺言により七代目の死から5年後の2016年に七代目の次男・三代目中村橋之助が「八代目中村芝翫」を襲名した。これにより「芝翫」は歌右衛門の前名ではなくなり、独立した名跡となった。
歴代
初代 中村芝翫
初代中村歌右衛門の子、1778年 - 1838年。狂言作者として金澤龍玉。
初代加賀屋福之助 → 三代目中村歌右衛門 → 初代中村芝翫 → 三代目中村歌右衛門 → 中村玉助(隠居名)
二代目 中村芝翫
初代の門弟で後に養子、1798年 - 1852年。
藤間亀三郎 → 中村藤太郎 → 初代中村鶴助