中心後回
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脳: 中心後回
ヒトの脳を横から見たところ。色のついた所が中心後回。中心溝のすぐ後ろに位置する。中心溝をはさんで反対側は中心前回一次運動野)となっている。ブロードマンの脳地図における3、1及び2野。3野は赤、1野は緑、2野は黄色で示している。
名称
日本語中心後回
英語Postcentral gyrus
ラテン語gyrus postcentralis
略号PoG
関連構造
上位構造頭頂葉
画像
アナトモグラフィー三次元CG
Digital Anatomist ⇒左側面
右側面
左側面+島
上方
関連情報
Brede Database ⇒階層関係、座標情報
NeuroNames ⇒関連情報一覧
NIF ⇒総合検索
グレイ解剖学書籍中の説明(英語)
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中心後回(ちゅうしんこうかい、: Postcentral gyrus)は大脳の外側面にある脳回の一つ。頭頂葉の最も前側に位置し、特徴的な構造として大脳表面の分類の重要な目印となる。体の各部位から体性感覚の入力を受け取る領域であり、機能的な分類では一次体性感覚野と呼ばれる。この領域は元々ペンフィールドによる表面刺激の研究によって定義された。細胞構築学的な分類では、この領域はブロードマンの脳地図における3、1、2野におおよそ当たる。ただジョン・カース(英語版)は最近の研究で、他の感覚受容野との相同性から、3野のみを"一次感覚野"とするべきである、としている。これは3野が感覚入力領域からの視床皮質投射の情報の大部分を受けているためである。
中心後回中心後回の位置(赤い部分)

中心後回の外側部は以下の構造に囲まれている。

大脳縦裂 (内側の境界)

中心溝 (吻側の境界)

中心後溝 (尾側の境界)

外側溝 (下側の境界)

この領域は一次体性感覚野であり、触覚の主要な感覚受容野である。他の感覚野と同様に、この領域にはホムンクルスと呼ばれる感覚空間の地図が存在し、一次体性感覚野にあるホムンクルスは感覚のホムンクルスと呼ばれる。感覚のホムンクルスの少々想像的で非常に模式的な図は右に示してある。
ブロードマンの脳地図における3、1、2野

ブロードマンの脳地図における3、1、2野はヒトのの一次体性感覚野を包含している。ブロードマンは脳を少し斜めにスライスして番号をつけたので、ブロードマンの脳地図では、吻側から尾側に向かって、3、1、2野の順で並んでいる。

皮質のこの領域はワイルダー・ペンフィールドらによって示されたように、ホムンクルスと呼ばれるパターンを形成している。その配置は、脚と胴体が正中線付近、腕と手が中央、顔が外側となっている。また、唇と手に相当する領域は、大脳皮質神経細胞の多くがこの領域からの情報を処理する大きなものとなっている。

この領域の細胞は二次体性感覚野へと投射している。
臨床的重要性

体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路があり、いずれもこの中心後回へ投射されている。したがって、一次体性感覚野の機能損傷は、これらの経路損傷と皮質損傷とに区別される。非優位性半球での損傷は半側空間無視が起きる可能性もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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