中山大障碍
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中山大障害
Nakayama Daishogai
第144回中山大障害
開催国 日本
主催者日本中央競馬会
競馬場中山競馬場
創設1934年12月5日
2023年の情報
距離障害芝4100m
格付けJ・GI
賞金1着賞金6600万円

出走条件サラ系障害3歳以上(国際)
負担重量定量(3歳61kg、4歳以上63kg、牝馬2kg減)
出典[1][2]
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中山大障害の創設者・肥田金一郎

中山大障害(なかやまだいしょうがい)は、日本中央競馬会(JRA)が中山競馬場で施行する中央競馬重賞競走J・GI)である。競馬番組表での名称は「農林水産省賞典 中山大障害(のうりんすいさんしょうしょうてん なかやまだいしょうがい)」と表記している[1]

春に施行される中山グランドジャンプとともに、大竹柵障害や大生垣障害を飛越する中山競馬場の襷コース(大障害コース)が用いられる(後述)。

正賞は農林水産大臣賞、日本馬主協会連合会会長賞[1]
概要第1回大障害特別優勝馬・キンテンと轡を取る肥田金一郎

1934年に、当時中山競馬倶楽部の理事長だった肥田金一郎東京優駿(日本ダービー)に匹敵する中山競馬場の名物競走とすることを目的として創設した障害競走[3]で、日本で最も難度の高い障害競走とされている[3]。第1回は「大障害特別」の名称で行われ、1935年から春と秋の年2回施行するようになった[3]。競走名はその後度重なる変更を経て、1948年秋より「中山大障害」の名称で定着している[3]。施行距離は創設時に4100mとされ、幾度かの変遷を経たのち1972年秋より再び4100mに戻され、現在に至る[3]

1935年以来、長らく春と秋に年2回施行していたが、1999年に障害競走が改革されグレード制を導入した際、春の競走を廃止のうえ新たに「中山グランドジャンプ」が創設され、本競走と中山グランドジャンプが最高位となる「J・GI」に格付け。あわせて負担重量も別定から定量に変更され、以後は秋季に年1回の施行となった[3]。事故防止のため1972年に障害の規模を多少縮小[3]したものの、現在も「華の大障害[3]」「暮れの中山の名物レース[4]」などと呼ばれ親しまれている。

1957年から4歳(現3歳)馬の出走が秋のみ認められるようになり、外国産馬は1989年から春、1993年から秋にそれぞれ出走可能になった[3]。2011年からは国際競走となり、外国馬も出走可能になった[3]

また、競馬における障害競走の総決算として位置づけられているほか、年度により(12月28日が日曜日である場合。年度によっては12月28日が月曜に当たる12月27日が日曜日と重なる場合も含む)、平地の2歳GI「ホープフルステークス」との同日並列開催(過去例:2020年)となる場合がある。
競走条件

以下の内容は、2023年(第146回)現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系障害3歳以上(出走可能頭数:最大16頭)

JRA所属馬

外国調教馬(8頭まで、優先出走)

負担重量:定量(3歳61kg、4歳以上63kg、牝馬2kg減)

第1回 - 第121回は別定[3]

出馬投票を行った馬のうち優先出走権のある外国馬から割り当て、JRA所属馬は「通算収得賞金」+「過去1年の収得賞金」+「過去2年のJ・GI競走における収得賞金」が多い順に割り当てる。
賞金

2023年の1着賞金は6600万円で、以下2着2600万円、3着1700万円、4着990万円、5着660万円[1][2]
コース初期の走路図

中山競馬場の障害コース・大障害コース(後述)を周回し、最後の直線は芝コースを使用。全体の距離は4100m[5]

第3コーナーからスタートし、まず順回りで4分の3周。向正面から大障害コースに入り大竹柵を飛越。その後は逆回りとなり、第4コーナーから第3コーナーを通って再び大障害コースに入り大生垣を飛越。再び順回りに戻り、第4コーナーからダートコースを横切って芝コースへ進入。最後の直線には障害がない。

7つの障害を11回飛越し、6回の坂路(谷。「バンケット」とも呼ばれる)昇降がある。飛越のテクニックはもちろん、大竹柵と大生垣では高さに加え距離も飛ばなければクリアできず、スタミナや精神力が試されるJRA障害の最高峰コースとされている[5]。「中山競馬場#障害コース」も参照

創設時は障害を10回飛越し、6回の坂路(谷。「バンケット」とも呼ばれる)昇降のほかに大土塁(通称「赤レンガ」。高さ1.4m・幅2.2m)と大竹柵(高さ1.6m)と生垣(高さ1.5m・幅2.7m)があった[3]
大障害

中山競馬場の襷コースは「大障害コース」とも呼ばれ、本競走と中山グランドジャンプでのみ使用される[5]。大障害コースには、大竹柵と大生垣が設置されている。
大竹柵

中山競馬場の第6号障害[6]。スタートから5番目に飛越する障害で、高さ160cm・幅205cm・竹柵部分の高さは140cmとなっている[6]。1980年代はこの障害で転倒・落馬をする馬が非常に多く、1981年春より1985年秋まで出走馬延べ80頭のうち19頭が転倒・落馬を引き起こした[注 1]。その後、竹柵をしまりが緩くかき分けやすいものに変更したことに伴い、大幅に易化。2003年から2012年までの出走馬140頭のうち、ここで落馬した馬はわずか1頭にまで激減した。
大生垣

中山競馬場の第7号障害[6]。スタートから7番目に飛越する障害で、高さ160cm・幅240cm・生垣の高さ140cm[6]。大障害創設当初より20cm高くなっている。大竹柵から見て逆周りをしてもう1回、襷に戻ってくるという仕組み。かつては大土塁(おおどるい)と呼ばれたが、旧大生垣が廃止された後にこちらを「大生垣」と呼ぶようになった。前面土塁部分に赤レンガ模様のデザインが施されており、「赤レンガ」という通称も用いられる。以前より競走中止となることは少ないが、ときおり有力馬の落馬を引き起こしている。また、大竹柵の難易度低下に伴って近年では中止率が逆転している。

大竹柵障害を飛越するレツドサンド(右)とキンテン(1934年大障碍特別)

1938年の大竹柵

1938年の大土塁

2007年の大竹柵

2007年の大生垣

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