中山 典之(なかやま のりゆき、1932年9月3日[1] - 2010年2月16日[1])は、囲碁のプロ棋士。長野県上田市出身。日本棋院東京本院所属。1951年、長野県上田松尾高等学校卒業[2]。1953年、鈴木五良
八段に入門[1]。1962年入段[1]。1992年六段に昇進[1]。アマチュア出身であり、入段が遅かった。タイトル戦などには縁がなかったが、文才に長け、『実録囲碁講談』『囲碁の世界』など囲碁界に関する多数の著作がある。またライターや編者としての100冊以上の棋書の編纂を行った[3]。若い頃は名記録係といわれ、読売新聞の観戦記者である山田覆面子に重用された。アマチュアへの指導に高い評価があり、1982年からほぼ毎年海外に出て囲碁の普及に努めた[1]。これらの功労により、1996年に普及功労賞[4]、2004年に大倉喜七郎賞[5]を受賞した。
珍瓏の名手であり、代表作の1つである「ハート」は世界中の囲碁愛好家に知られている[要出典]。
2010年2月16日、脳梗塞により77歳で死去。追贈七段[1]。 日本棋院は、中山典之による扇子を2種類販売している。 日本棋院の内規では棋士の扇子の作成は3大タイトル(棋聖・本因坊・名人)の経験者に限られているが、中山については例外的に作成が認められている。
扇子
「囲碁いろは歌」(囲碁をテーマにした手習い歌)
珍瓏「ハート」
著書
実録囲碁講談 中山典之 著. 日本経済新聞社,1977.1.(のち、『完本実録囲碁講談』として岩波現代文庫)
うわ手粉砕作戦 : 白の辣腕、怖れるに足らず 中山典之 著. 独楽書房,1982.10.
碁狂ものがたり 中山典之 著. 日本棋院, 1982.6.
現代囲碁大系 小林光一 中山典之著 講談社、1984
囲碁の世界 中山典之 著. 岩波書店, 1986.6. 岩波新書
定石はずれ 中山典之 著. 日本棋院, 1989.10. 烏鷺うろブックス
囲碁の魅力 : 悠久四千年 中山典之 著. 三一書房, 1992.6.
碁裡夢中囲碁いろは川柳 : 平成万葉集 中山典之 編著. 三一書房, 1993.6.
囲碁いろは歌 : 前代未聞棋響千秋 中山典之 著. 自費出版 1994.11.
シチョウの世界 中山典之 著. 日本棋院, 1998.6. 日本棋院の囲碁読本 ; 2
圍爐端歌百吟 中山典之 著. 芸艸堂, 1999.11.
盤端の奇跡 : 初心者から有段者への特急券 中山典之 著.
囲碁界の母・喜多文子 中山典之 著. 日本棋院, 2000.11.
昭和囲碁風雲録. 上下 中山典之 著. 岩波書店, 2003.6. のち岩波現代文庫
編集
『定石原典』シリーズ(梶原武雄著 ; 中山典之編集)独楽書房(のち、ユージン伝から再刊)
『梶原流電撃戦法』シリーズ(梶原武雄著・中山典之編集)独楽書房(のち、ユージン伝から再刊)
『小林流必勝置碁』シリーズ(小林光一著・中山典之編集)独楽書房(のち、ユージン伝から再刊)
『宇宙流序盤構想』シリーズ(武宮正樹著・中山典之編集)木本書店
『宇宙流武宮正樹快局選』(武宮正樹 著 ; 中山典之 編集・記述)木本書店
『中京の父子鷹打碁集』(羽根泰正・羽根直樹 著 ; 中山典之 編集・記述)木本書店
^ 中山典之『囲碁の世界』65頁、著者紹介より。
^ 『囲碁の世界』著者紹介(1994年4月5日第18刷より)。
^ “普及功労賞”. 囲碁の日本棋院. 日本棋院. 2022年8月2日閲覧。
^ “大倉喜七郎賞”. 囲碁の日本棋院. 日本棋院. 2022年8月2日閲覧。
外部リンク
⇒日本棋院の中山典之 紹介ページ
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