この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "カルデラ"
この項目では、火山活動による凹地について説明しています。アメリカ合衆国のバンドについては「カルデラ (バンド)」をご覧ください。
カルデラ(西: caldera[注釈 1][注釈 2][注釈 3])とは、火山の活動によってできた大きな凹地のことである。「釜[注釈 4]」「鍋[注釈 5]」という意味のスペイン語に由来し、カルデラが初めて研究されたカナリア諸島での現地名による[1]。本来は単に地形的な凹みを指す言葉で明瞭な定義はなく、比較的大きな火山火口や火山地域の盆地状の地形一般を指す場合がある。過去にカルデラが形成されたものの、現在は侵食や埋没によって地表に明瞭凹地として地形をとどめていない場合もカルデラと呼ぶ。
成因カルデラ形成
陥没カルデラクレーターレイクカルデラ陥没カルデラの生成モデル
クレーターレイクカルデラの場合
大規模な噴火で、火山灰、火砕流、軽石、溶岩などのいわゆる「火山噴出物」が大量に噴出したり、マグマが地下を移動して空洞化した、地下のマグマだまりに落ち込む形で地表が陥没した(それに続いて崖崩れによりさらに拡大した)もの。カルデラの多くがこのタイプである。 21世紀初頭において、「カルデラ盆地」や「カルデラ湖」は、1回 - 数回の噴火で現在の陥没地形が形成されたと考えられている。すなわち、1回の噴火の噴出物量が非常に多い巨大噴火であったと推定される。歴史上、1815年のインドネシアのタンボラ火山の噴火で噴出物が150 km3にまで達したが、この大きさは日本の赤城山の全部の体積に相当する。 日本では、火山爆発指数でVEI6を超える爆発的な噴火による陥没カルデラの形成は、約7300年前の鬼界カルデラの噴火が最後であり、それ以後はカルデラを形成するような噴火は発生していない。しかし、同一カルデラからの大規模噴火は、その間に数万年 - 数十万年の期間があるために、将来も発生しないという保証はない。 古い解説書などには、「カルデラは成層火山の山頂が噴火で陥没してできる」などと書かれている場合があるが、その後の研究によりカルデラのできる場所は成層火山の山頂とは限らず、もともと何も無かった場所で巨大噴火が起こってカルデラができる場合もあることがわかってきた。箱根カルデラは富士山のような巨大な成層火山の山頂にできたと考えられていたが、20世紀末以降の研究では「巨大な成層火山」の存在は否定されつつある。十和田湖・洞爺湖・屈斜路湖などではカルデラの周囲は古い地層からなっており、成層火山はなかったと考えられている。また、阿蘇山の外輪山は、ほとんどが阿蘇カルデラそのものの噴出物からなり、やはり、巨大成層火山はなかったと考えられる。 陥没カルデラのでき方、内部構造は大きく2種類あると考えられている。一つはあまり内部が破砕せずにピストン状に落ち込むピストンシリンダー型で、もう一つは破砕が進みじょうご型の凹地を形成する濁川型である。さらにそれぞれがいくつかに分類されている。このうちバイアス型カルデラと濁川型カルデラはボーリングなどによって内部構造が比較的よくわかっているが、その他の個々のカルデラについてはまだよくわかっていないことが多い。玄武岩質火山によく見られるキラウエア型カルデラは形成過程が何回か観察されている。 多くのカルデラでは、内部を密度の小さな破砕された岩石や火砕物が埋めているため、周りより重力が小さいことが多い(低重力異常型)。一方、キラウエア型カルデラでは凹所を厚い玄武岩質溶岩流が埋め、火砕物が少ないため周りより重力が大きい(高重力異常型)。
陥没カルデラを形成する噴火
陥没カルデラのでき方と内部構造カルデラ、水中
ピストンシリンダー型カルデラ
バイアス型
クレーターレイク型、クラカタウ型とも呼ばれる。