中国野菜(ちゅうごくやさい)は、中国原産、または中国で大きく品種改良されて、栽培されている野菜。中国料理の材料として、また、外国の消費嗜好に合うものは、新しい食材として、海外でも栽培されている。 中国から日本へ伝わった野菜の数は多いが、一般に「中国野菜」と呼んでいるものは日中国交正常化(1972年)以降から食品専門商社の手により、中国から日本への輸入が始まり広まっていった野菜をさす[1]。当時は、大型港のある上海市や天津市近郊で収穫した野菜を船積みし、3日目に東京港や神戸港へ到着するスケジュールであったが、通関に手間取り一週間近くかかることもあった。それでもスーパーやデパートの店頭に並ぶと半値ということもあり飛ぶように売れた。輸入された野菜の多くは、日本でもなじみのあるタマネギ、キャベツ、ハクサイ、ダイコンなどであった[2]。現在日本で出回っている中国野菜は、日本で改良された15、16種類ていどのものが知られる[3]。日本国内の主産地は、静岡県、神奈川県、埼玉県、千葉県などである[1]。
日本への輸入
主な品種
青長大根
中国名は青蘿蔔(中国語読み:インルオボ)[3]。日本では「ビタミン大根」ともよばれる。アブラナ科ダイコン属。小型の長大根で、直径5 - 7センチメートル、長さ15センチメートルほどある。特徴の緑色は、内側の肉にも及んでいる。旬は秋から冬で、日本では千葉・神奈川県で栽培されている[3]。肉質は緻密で、甘みが強く、生のまま酢の物やサラダにしたり、漬物、煮物、切り干し大根にする[3]。
エンツァイ
漢字で?菜(中国語読み:ウォンツァイ)[4]。ヒルガオ科。ヨウサイ/エンサイ/アサガオナのこと。空心菜(くうしんさい、コンシンツァイ)、通菜ともいう。中国南部や東南アジアで広く栽培されている[4]。カロテンが豊富な緑黄色野菜で、ビタミンCや食物繊維、鉄、カリウム、カルシウムも多い[4]。若い茎葉はやわらかくてクセがなく、炒め物、おひたし、天ぷらなどさまざまに調理される[4]。
オオクログワイ
オオクログワイ(大黒慈姑)は和名で、別名イヌクログワイ(犬黒慈姑)。中国名は?薺(ビィチィ)[5]。カヤツリグサ科ハリイ属。中国には生があるが、日本では缶詰が多い[5]。地下にできる暗褐色で扁球形の塊茎を食用にする。シャリシャリした食感が特徴で、オモダカ科のクワイとは異なる[5]。中国広東省桂林産のものが有名で、中国では生のまま食べたり、料理の副材料、デザートに使われる[5]。
大葉からし菜
中国名は大芥菜(ダージェツァイ)。アブラナ科。中国の南方で栽培されるタカナ(高菜)のなかまで、特に四川省、福建省、広東省産のものが多い[6]。茎葉が幅広く、草丈30センチメートルの大株になる[6]。塩漬けや浅漬けにすることが多く、独特の辛味を生かして煮物、蒸し物、スープ、炒め物にも使われる[6]。
カイラン
漢字で芥藍(中国語読み:ジェラン)[7]。アブラナ科でキャベツの仲間だが味はブロッコリーに似る[7]。チャイニーズブロッコリー、チャイニーズケールともいう。つぼみのついた太い茎と葉を利用する[7]。カロテン、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜で、カルシウム、亜鉛、銅を多く含む[5]。広東料理によく用いられ、炒め物、煮物にする[5]。
キンサイ
漢字で芹菜(中国語読み:チンツァイ)[4]。セリ科。中国セロリ、スープセロリともいう。セロリの原種系に近く、セロリよりも全体に小さい[4]。高温下でも栽培でき、香味野菜として利用する[4]。中国では、葉柄が濃緑色のものと淡緑色のものがある[4]。カロテンやカルシウムが多く、緑黄色野菜に入る[4]。若い茎を炒め物、和え物にしたり、生葉をスープに入れたりする[4]。
コウサイタイ