中国の宗教
(2016年の『中国家族パネル調査』より)[1].mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} 無神論、無宗教および中国民俗宗教 (73.56%) 仏教 (15.87%) 道教、中国の神秘主義信仰 (7.6%) プロテスタント (2.19%) イスラム教 (0.35%) カトリック (0.34%)中国の道教画像を代表する女?の図(1645年、清王朝)中国の仏教の仏塔を代表する法門寺塔(陝西省宝鶏市)中国のイスラム教建築を代表する西安大清真寺(陝西省)
中国の宗教(ちゅうごくのしゅうきょう)では中国大陸において誕生・発達・伝来した宗教について詳述する。2010年に行われた調査によればは、10数億人が何らかの形で民俗宗教や道教に帰依しており、7億5400万人 (56.2%) が祖先崇拝で、わずか2億1500万人 (16%)が神の存在を信じ[2]、1億7300万人 (13%) が民俗宗教と区別が付かない程度にまで道教を取り入れているという[3]。同調査では1億8500万人 (13.8%) が仏教徒であり、3300万人 (2.4%) がキリスト教徒、2300万人 (1.7%) がイスラム教徒とされる[3]。
中国では、仏教・道教・儒教が特に三教を構成し、中国の歴史にも重要な役割を果たした[4][5]。三教の儒教・道教・仏教はしばしば伝統的な民俗宗教にも取り入れられていった[6]。
研究者の間では「仏教や道教、地方の民俗宗教的慣習の間に明確な境界線が存在しない」との指摘がある。ピュー研究所による調査によると、国民の22%が民俗宗教に帰依しており、18%が仏教徒という[7]。しかしながら、多くの中国国民が自分自身を民俗宗教と仏教との双方の信者だと考えているのを見ると、重なり合う部分もある点に注意されたい。
地域的な宗教に加えて、少数民族の一部は在来の伝統宗教を信仰。キリスト教徒は、数々の調査で人口の2%から5%とされる[8][9]。イスラム教徒は1%から2%である[10]。法輪功や天道、唯心聖教
といった新宗教も国内各地に点在[11]。宗教としての儒教は、知識人の間で人気が高い[12]。中国は東アジア文明の揺り篭であり、かつ世界で最も歴史の長い、そして複雑な歴史や哲学体系を持つ[13]。
歴代皇帝は天命を唱え、宗教儀式にも名を連ねてきたが、1949年以降無神論を旨とする共産党政権樹立に伴い、中国本土では宗教的慣習に制限が掛けられることとなる。現在制度上仏教、道教、イスラム教、プロテスタントおよびカトリックの5宗教を公認(ただし、歴史的関係があるにもかかわらず、共産党はローマ・カトリック教会から中国天主教愛国会の分離を進めている)[14]。
また、少数派の宗教としては、チベット仏教の他、回族やウイグル族が帰依するイスラム教が挙げられる。キリスト教は7世紀以来確立されたものの、Keikyo InstituteのKen Joseph J.によれば、10世紀から14世紀にかけての迫害の結果、衰微を来たしている[15]。イエズス会の宣教師が再導入を図ったのは、16世紀のことであった。プロテスタントの伝道やその後のカトリックの宣教によってキリスト教の存在感が増し、19世紀半ばの太平天国の乱に影響を与えることとなる。 共産政権下では外国の宣教師が追放処分に付され、ほとんどの教会が閉鎖を余儀無くされる。学校や病院、児童養護施設も差し押さえに遭い[16]、文化大革命期には多くの聖職者が投獄[17]。改革開放政策が採られ始めた1970年代末以後、キリスト教に対する信仰の自由が緩和、国から任命された司教がカトリックの集会に出席することが許されるようになった[18]。 上海大学が2007年に行った調査によると、16歳を超える国民の31.4%が自分に信仰心があると考えている。また、仏教や道教、イスラム教の他キリスト教が主要宗教であり、その合計は67.4%に上る。全信者の約66.1%が仏教徒や道教徒、あるいは龍王や財神といった伝説の人物に対する信者である一方、キリスト教徒は12%である[19][20]。 ピュー研究所による世界宗教の眺望に関する調査では、2010年現在、中国の人口の21.9%が民俗宗教を信仰しており、18.2%が仏教徒、5.1%がキリスト教徒、1.8%がイスラム教徒で、0.8%がその他宗教である一方、52.2%は特定の宗教を信仰していなかった[7]。 パデュー大学の宗教・中国社会センターが2010年に実施した調査によって以下の結果が判明した:[3] 強調した通り、道教や多様の民俗宗教の実践は、容易に不明確になる。また、多くの仏教徒は、祖先や神々への信仰もしている可能性がある。 2010年時点において、中国社会科学院による調査によると、中国のプロテスタントは全人口の1.8%であった[21]。パデュー大学の宗教・中国社会センターが実施した別の調査では、成人の18%が仏教徒で、15%が無神論者、3.2%がキリスト教徒であると判明した[22]。様々な調査の平均データによれば、仏教徒は全人口の18%から20%、すなわちおよそ3億人である[22][23][24] 。
共産主義・無神論崇拝
様々な種類の中国の民俗宗教や道教を数億人が実践している可能性がある
56.2%の中国人が祖先を崇拝しているが、わずか16%しか祖先の「神」 (shen) の存在を信じていなかった
12.9%が道教を民俗宗教と不可分な水準で実践していた
0.9%が純粋な道教徒であると考えていた
13.8%が「仏教徒」だと考えており、そのうちのわずか1.3%が正式な信者であった
2.4%が「キリスト教徒」だと考えており、そのうちの2.2%が「プロテスタント」で0.02%が「カトリック」だった
1.7%が「イスラム教徒」だった
家族信仰・祖先崇拝「祖先崇拝#中国の祖先崇拝」を参照