中原の虹
著者浅田次郎
発行日2006年9月25日・11月1日
2007年5月15日・11月8日
発行元講談社
ジャンル歴史小説
国 日本
言語日本語
形態上製本
ページ数(1) 314 / (2) 372 / (3) 378 / (4) 364
前作珍妃の井戸
次作マンチュリアン・リポート
公式サイト ⇒特集ページ
コード(1) ISBN 978-4-06-213606-8
(2) ISBN 978-4-06-213739-3
(3) ISBN 978-4-06-214071-3
(4) ISBN 978-4-06-214393-6
『中原の虹』(ちゅうげんのにじ)は、浅田次郎の長編小説。『小説現代』にて約3年半にわたる連載を経て、2006年から2007年に全4巻が講談社で刊行された。講談社文庫では2010年9-10月に刊行。
『蒼穹の昴』の続編。義和団の乱(1900年)を描いた『珍妃の井戸』を間に挟んで、義和団の乱から7年後、日露戦争後の光緒新政の時代から物語は始まる。
本作の続編は『マンチュリアン・リポート』である。
第42回吉川英治文学賞(吉川英治国民文化振興会主催)を受賞(2008年)。 舞台は清朝末期の光緒33年(明治40年、1907年)から民国5年(大正5年、1916年)6月の中国。海外列強により蚕食されつつある状況を憂いた西太后は、かつて幽閉した光緒帝と共謀して自身の手で清を滅ぼすことを決意。落日を迎える清朝に代わり覇権を握らんと各地の軍閥がしのぎを削る中、占い師に王者となると予言された馬賊の張作霖は、己の野望を叶えるために苛烈な戦いに身を投じる。その戦いは、彼に従う李春雷や周囲の人間たちの運命を大きく変えていくことになる。
あらすじ
登場人物
李春雷(リイ チュンレイ) / 雷哥(レイコウ)
静海県出身。貧民の子。父、長兄の死後、寝たきりの次兄に代わり糞拾いで生計を立てていたが、母、次兄、弟(春雲)、妹(玲玲)を捨てて収買壮士(ショウマイチョアンシ)になった。浪人市場で張作霖に破格の一千元で買われ、配下の五当家(ウータンジア)となる。髭面で大柄。寡黙な人物だが、二挺のブローニングと竜騎馬(ロンチュイマ)とともに実戦では「不死身の雷哥」と呼ばれる喧嘩上手。史実には存在しない架空の人物。張学良を教育した逸話は張作相がモデルである。
張作霖(チャン ヅォリン) / 白虎張(パイフーチャン) / 雨亭(ユゥ ティン)
新民府の馬賊の総攬把(ツォンランパ)。<1875年3月19日 - 1928年6月4日>「鬼でも仏でもねえ。俺様は張作霖だ」。モーゼルと白馬が自慢。小柄・色白・二重眼で女のように美しいと描写されるが、知力胆力に優れ、敵には冷酷無比である。占い師の白太太(パイタイタイ)から、「いずれ満洲の王者になる」と予言され、満洲の祖宗を祀る永陵から天命を示す「龍玉」を手に入れる。奉天(現瀋陽)での住居だった張氏帥府は一般公開されている。1920年7月14日に勃発した安直戦争で、奉天派の張作霖が直隷派を救援するために関内に大軍を投入した。
張学良(チャン シュエリャン) / 漢卿(ハンチン)