両利き(りょうきき)は、手または足における器用さや運動能力の高さが、左右のどちらか片方に片寄る(利き手・利き足)ことなく両方ともに備わっている状態である。両手利き(りょうてきき)は、右手と左手を同じようにうまく使える能力のこと。この用語を人間について使う場合、その人が右手または左手の使用について顕著な好みを持っていないことを示す。道具に対して「(左右)両(手)利き」という用語を使う場合、それが右利きの人にも左利きの人にも等しく適していることを示す。両足利き(りょうあしきき)とは、右足と左足を同じようにうまく使える能力のこと。 生まれつき両手利きの人は人口の約1%に過ぎない[1]。現代では、もともと左利きで、意図的に(矯正)、または右利きの習慣が要求される学校や仕事での訓練の結果として、学んだ両利きと見なされる人の方が多い。クロスドミナンスとは、箸は左手で使うが、筆記は右手でおこなうなど、用途によって使い勝手のいい手が違うことを指す。多くの日用品(缶切りやはさみなど)は左右非対称で右利き用に設計されており、多くの左利きは、左利き用のモデルが希少または不足しているため、右手でそれらを使用することを学ぶ。したがって、左利きの人は、右利きの人よりも利き手ではない方の手で運動能力を発達させる可能性が高くなる。 「両手利きナイフ」とは、折りたたみ式ナイフの開閉機構とロック機構を指す。また、釣り竿に取り付ける「スピニングリール」など、左右利き用それぞれに交換できる道具もある[2]。反対の例として、一部のはさみは片側で使用するために特別に作られており、もう一方の手で使用すると正しく切れない。現在では、左利きのはさみや、左右どちら利きも使えるユニバーサルデザインのはさみもある。 両手で書ける有名人としては、アルバート・アインシュタイン、ベンジャミン・フランクリン[3]、ニコラ・テスラ[4]、レオナルド・ダ・ヴィンチ[5]などがいる。インドのシングラウリ地区 「両手が自由に使える両手利きの子供は、右利きあるいは左利きの子供と比べ、小児期に精神衛生、言語、学業上の問題を呈する確率が高い」との研究結果が米医学誌に発表されている[1]。 外科医は左手と右手でシングルノットまたはダブルノットで結ばなければならないため、手術にはある程度の両手利きが必要である。これは、外科医の位置、アシスタントがいるかどうか、結び目を作り固定するために必要な角度などによる。 両手利きは、利き手または利き腕の手術後にも便利である。患者は手術から回復している手と同じように利き手ではない手を使用できる。 ベートーヴェンやモーツァルトは両手利きだったとされている[7]。 ドラムコーでは、スネアドラマー、テナードラマー、およびバスドラマーは、ある程度両利きである必要がある。作曲家/編曲者が書いたものに従わなければならないので、右手と左手でダイナミクスとスピードの点で均等に演奏することを学ばなければならない。ビートルズのドラマー、リンゴ・スターは左利きだが、右利き用のドラムキットを使用している。 アメリカのインストゥルメンタル・ギタリスト、マイケル・アンジェロは、右利きと左利きの両方のギターを上手に演奏できることで知られている。ワン・ダイレクションのアイルランド人ギタリスト、ナイル・ホーランは左手で書くが、右手でギターを弾く。ジミ・ヘンドリックスの両手利きは心理学界で研究されてきたが、彼は標準的な右利き用のギターを左弾きで演奏することで知られていた。ギタリストのデュアン・オールマンはヘンドリックスとは逆で、右弾きだが、他のすべては左利きだった。ニルヴァーナのフロントマンであるカート・コバーンは生まれつき両利きだった。彼は(子供時代の写真の多くに見られるように)左利きを少し好むように育ったが、大人になると右で書き、もっぱら左弾きでギターを演奏した。 ピアニストの反田恭平も両利きである[8]。林逸欣は生まれつき左利きだが、ヴァイオリンとギターは右弾きである[9]。彼女は右手でツィターを弾きながら、左手でピアノを弾くこともできる[10]。 左利きのミュージシャンは右利き専用の楽器(バイオリン、ビオラ、チェロ)を弾かねばならない場合がある。 ほとんどのアーティストは利き手を持っているが、絵画や彫刻などの芸術分野で両手を使うアーティストもいる。レオナルド・ダ・ヴィンチは、幼少期に右手を負傷した後、両手を使っていたと考えられている[11]。 現代アーティスト、Gur Kerenは両手と足でさえ絵を描くことができる[12]。Thea Albaは有名なドイツ人で、10本の指すべてで文字を書くことができた[13]。 溶接工[14]や電卓を使う職業などで、両利きやクロスドミナンスが有利とされる場合がある[15]。
概要
道具
手書き
医学と外科
音楽
芸術
職業
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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