世界貿易機関
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「WTO」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「WTO (曖昧さ回避)」をご覧ください。

世界貿易機関
: World Trade Organization
: Organisation mondiale du commerce
西: Organizacion Mundial del Comercio
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設立1995年1月1日
目的関税およびその他の貿易上の障壁の削減
本部 スイス ジュネーヴ
Centre William Rappard, Rue de Lausanne 154, CH-1211 Geneva 21, Switzerland
.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯46度13分26秒 東経6度8分58.7秒 / 北緯46.22389度 東経6.149639度 / 46.22389; 6.149639座標: 北緯46度13分26秒 東経6度8分58.7秒 / 北緯46.22389度 東経6.149639度 / 46.22389; 6.149639
会員数164か国
公用語英語フランス語スペイン語[1]
事務局長ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ
予算(2021年)1億9720万4000スイス・フラン (約2465億円相当) [2]
職員数624人(女性336人、男性288人)[2]
ウェブサイトhttps://www.wto.org/
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世界貿易機関(せかいぼうえききかん、: World Trade Organization、略称:WTO)とは、自由貿易促進を主たる目的として創設された国際機関である。常設事務局はスイスジュネーヴに置かれている。
概説

GATT(ガット)ウルグアイ・ラウンドにおける合意によって、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定(WTO設立協定)に基づいて1995年1月1日にGATTを発展解消させて成立した[3]

本来GATTは、第二次世界大戦後の安定を見据え、国際通貨基金および国際復興開発銀行とともに設立が予定されていた国際貿易機関(ITO)の設立準備の際に、暫定協定として結ばれたものであった。国際貿易機関の設立が廃案となり、GATTがその代替として発展強化されていくうちに、再びこの分野の常設機関が求められ、WTOが設立されることとなった。発展解消であるため、GATTの事務局及び事務局長もWTOへと引き継がれることとなった[4]

WTOはGATTを継承したものであるが、GATTが協定(Agreement)の締約国団(CONTRACTING PARTIES)に留まったのに対し、WTOは機関(Organization)であるのが根本的な違いである。
自由(関税の低減、数量制限の原則禁止)

無差別(最恵国待遇内国民待遇

多角的通商体制

を基本原則としている。また、物品貿易だけでなく金融情報通信知的財産権やサービス貿易も含めた包括的な国際通商ルールを協議する場である。

紛争処理手続きにおいて、
パネルの設置

パネル報告及び上級委員会の報告の採択

対抗措置の承認

については、全加盟国による反対がなければ提案されたものが、採択されるというネガティブ・コンセンサス方式(逆コンセンサス方式)を採用した強力な紛争処理能力を持つ。これは国際組織としては稀な例であり、コンセンサス方式を採っていたGATTとの大きな違いで、WTOの特徴の一つといえる。

1999年シアトル閣僚会議で新ラウンドの立ち上げを目指すも開発途上国反グローバリズムを掲げる市民団体の反発で失敗し、2001年11月にカタールドーハで行われた第4回WTO閣僚会議でようやく新多角的貿易交渉(新ラウンド)の開始を決定し、ドーハ・ラウンドと呼ばれた。2002年2月1日の貿易交渉委員会で新ラウンドがスタートした。しかし9年に及ぶ交渉は先進国と、急速に台頭してきたBRICSなど新興国との対立によって中断と再開を繰り返した末、ジュネーブで行われた第8回WTO閣僚会議(2011年12月17日)で「交渉を継続していくことを確認するものの、近い将来の妥結を断念する」(議長総括)となり事実上停止状態になり、部分合意等の可能な成果を積み上げる「新たなアプローチ」の採用が合意[5]された。

その後、2013年のインドネシアバリ島における第9回閣僚会議で、貿易円滑化協定を含む、貿易円滑化・農業・開発の3分野からなる「バリ合意」が成立[5]し、2014年7月まで貿易円滑化協定をWTO協定に加える(附属書1Aに追加)するための文書を一般理事会で採択すべきとされた[6]

しかしインドが、合意を蒸し返す状態で反対したため、期限までに採択できなかった[7]。その後、食糧備蓄への補助金の問題で先進国側が譲歩することで、ようやくインドが合意し、2014年11月27日の一般理事会で、貿易円滑化協定が採択された[7]。WTO加盟国の3分の2が改正を受諾した日に発効することになっており、2017年2月22日にこの要件を満たし、協定が発効した。
略称

世界貿易機関の略称はWTO(World Trade Organization)であるが、ワルシャワ条約機構の略称も同じくWTOであった(Warsaw Treaty Organization)[8](ワルシャワ条約機構は1991年に解散)。また、世界観光機関(World Tourism Organization。日本を含む157国が加盟)も略称をWTOとしていた。

そのため、ウルグアイラウンド交渉においてサービス貿易(観光が含まれる)についても扱うことになったため、世界観光機関との混同をさけるために、多角的貿易機構(Multilateral Trade Organization)と呼ばれていた。しかし交渉が実質的合意がされた1993年12月15日に米国の要求によりその名称を世界貿易機関(World Trade Organization)とすることになった[9]

世界観光機関との混同のおそれについては、サービス分野の観光関連については、WTOの略称の使用を避ける等により問題が生じないとされた。なお、世界貿易機関が他の組織に対して区別する必要があるときはWTO-OMCと表記することとされ(OMCは世界貿易機関のフランス語表記「L'Organisation mondiale du commerce」の略称)、また一方世界貿易機関との混同を避けるため、ワルシャワ条約機構の場合は専らWPO(「Treaty:条約」を「Pact:協定」に置換え)という略称が使用された。また、世界観光機関も2003年に国際連合 (UN) の専門機関となった後はUNWTOという略称を使用している。
構成
WTO設立協定で規定された機関
閣僚会議

閣僚会議(Ministerial Conference)は、WTOの最高意志決定機関で、すべての加盟国の代表によって構成され、少なくとも2年に1回開催される(WTO設立協定第4条1)ことになっているが、第6回閣僚会議が2005年12月に開催された後、ドーハラウンドの交渉行き詰まり等により第7回閣僚会議が2009年11月に開催されるまで4年間、閣僚会議が開催されないときがあった。

第12回閣僚会議は、カザフスタンヌルスルタンで、2020年6月11日から13日までの日程で開催が予定されていた。しかし、2020年3月12日、カザフスタン政府は、アゼベド事務局長に対し、新型コロナウイルス感染症の現状とWHOのパンデミック宣言に関連してとの理由で、閣僚会議開催の開催の再検討を要請した[10]。これを受けてアゼベド事務局長は、ウォーカー一般理事会議長及びカザフスタン代表部と協議の後、当初の予定通りの開始は不可能であるとして、日程の再検討をWTO加盟国に要請した[11]。具体的な変更は一般理事会の特別会合で行われる[11]。2021年3月1日の一般理事会は、第12回閣僚会議の開催について、カザフスタンでの開催を断念して、2021年11月29日の週に、ジュネーブで開催すると決定した[12]。具体的な日程は、2021年11月30日から12月3日と決定された旨、4月16日に発表された[13]

2021年11月26日の一般理事会は、開催が直前に迫った第12回閣僚会議の開催について、COVID-19ウイルスの特に伝染性の株の発生により、閣僚がジュネーブに到達するのを妨げる旅行制限をされているとして。開催を延期すると決定した。新しい日程は、その時点では決定されていなかった[14]が、2022年2月23日、第12回閣僚会議を2022年6月13日の週に、ジュネーブで開催すると決定した[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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