世宗大王級駆逐艦
DDG-991 世宗大王
基本情報
艦種ミサイル駆逐艦
建造所現代重工業
大宇造船海洋
運用者 大韓民国海軍
建造期間2006年 - 2012年(バッチ1)
2021年 - 建造中(バッチ2)
就役期間2008年 - 就役中(バッチ1)
計画数6隻
建造数3隻(バッチ1)
1隻(バッチ2)
前級李舜臣級 (DDH)
次級KDDX
世宗大王級駆逐艦(せいそうだいおうきゅうくちくかん・セジョンデワンきゅうくちくかん)は、大韓民国海軍のミサイル駆逐艦の艦級。計画名はKDX-III[5][1]。
イージスシステムを搭載しており、本級の就役により、大韓民国はアメリカ合衆国、日本、スペイン、ノルウェーに次いで世界で5番目のイージス艦保有国となる。 大韓民国海軍では、1970年前後にフレッチャー級駆逐艦を導入して艦隊駆逐艦の運用に着手したのち、1980年代には更にFRAM改修型のアレン・M・サムナー級、ギアリング級を導入し、洋上作戦能力の強化を図っていた[6]。一方、1970年代に朴正煕政権が発表した「自己完結型の国防力整備を目指した8ヶ年計画」に基づき、戦闘艦の国産化が着手され、まず東海級コルベットや蔚山級フリゲートが建造された[7]。 続いて初の国産駆逐艦としてKDX-I型(広開土大王級)が建造されることになり、当初は17?20隻の建造が計画されたものの、実際には1995年から2000年にかけて3隻が建造されるに留まった。またこれに続いて、韓国初の防空艦としてKDX-II型(李舜臣級)が建造され[7]、2003年から2008年にかけて6隻が就役した[1]。 一方、これと並行して、より先進的な防空艦の取得計画が進められており、1996年からの概念設計を経て[8]、2001年より詳細設計が開始された。搭載システムとしては、欧州のAPARとアメリカのイージス武器システム(AWS)が遡上に載せられており、既にイージス艦を運用していた海上自衛隊への問い合わせも含めて検討を重ねた結果[9][注 2]、2002年7月には搭載システムとしてAWSが選定された。これによって建造されたのが本級である[1]。 KDX-IIの設計はKDX-Iと共通点が多かったのに対し、本級の設計は全く別系統で、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級フライトIIAをタイプシップとしている。ただし国産VLSの追加搭載などに伴った設計変更が行われており、アーレイ・バーク級フライトIIAと比して、全長で9.7メートル、幅で1.1メートル大きくなり、基準排水量で約1,000トンの差がある。また艦首から艦橋までの前甲板に顕著なブルワークが付されている[10]。水線下の形状もアーレイ・バーク級とは明らかに異なり、流体力学上不合理なものとなっているとも指摘されている[7]。 なおメインマストの左右にある支柱は後から追加されたものであり、当初の構想図にも1番艦の進水時にもなかったものである。 主機も、KDX-I/IIではCODOG方式を採用していたのに対し、本級ではアーレイ・バーク級と同様に、ゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービンエンジン4基で可変ピッチ・プロペラ2軸を駆動するCOGAG方式となっている[5][1]。
来歴
設計