不眠症
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不眠症
概要
診療科神経学, 精神医学
分類および外部参照情報
ICD-10F51.0, G47.0
ICD-9-CM307.42, ⇒307.41, ⇒327.0, ⇒780.51, ⇒780.52
DiseasesDB26877
MedlinePlus000805
eMedicinemed/2698
Patient UK不眠症
MeSHD007319
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不眠症(ふみんしょう、英語: Insomnia, Hyposomnia)とは、必要に応じて入眠や眠り続けることができない睡眠障害である[1][2]。それが持続し、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている場合に精神障害と診断される[3]。不眠の背後に他の病気が隠れていることもある。近年では、高血圧糖尿病などの生活習慣病と不眠症の間に、強い相互関係があることが判明している[4]

不眠症は、入眠や睡眠持続が難しかったり、睡眠の質が悪いといったことが続いているという特徴を持つ、いくつかの医学的な兆候と症状を伴う[2][5]医学的また精神医学的な障害であると考えられている。不眠症では一般的に起床中の機能障害が続いている。不眠症はどの年齢でも起きるが、女性と高齢者ではより一般的であり[6]、特に顕著なのは高齢者である[7]。日本では60歳以上では約3人に一人が睡眠問題で悩んでいる[8]

不眠症は、原発性と二次性、あるいは併存の不眠症に分類される[9][10][11][12]。原発性不眠症とは、医学的、精神医学的また環境的な原因がない睡眠障害である[13]。医学的、心理学的な原因を特定したり除外することが重要であり[14]、二次性不眠症とは、身体疾患、精神障害、薬物の使用等によるものである[15]。薬物誘発性不眠症の原因として最も多いのはカフェインであり、娯楽薬や処方薬も原因となりうる[16]

DSM-5ICSD-3では不眠症を原発性と二次性で分類するのをやめた。不眠症状が生じた原因の内容を問わず臨床症状から不眠症を診断する。不眠と精神疾患とが併存する場合、治療はその双方を標的にする必要がある。このため不眠症に並存疾患がある場合、2つの状態の因果関係を明らかにする必要はない[17]

睡眠の問題を抱える人にしばしば睡眠薬が用いられ、たまに使用されれば役立つが、定期的に長期的に用いた場合、薬物依存症乱用につながることがある[18]英国国民保健サービスにおいては睡眠薬の処方は最終手段であり、かつ数日-数週間の限定でなければならないとしている[19][20]豪州ガイドラインでは最大4週間である[21]。日本ガイドラインでは、睡眠薬は現在の主流であり成人の20人に1人が服用しているが、ベンゾジアゼピン系のリスクベネフィット比の悪さと、エビデンスが乏しいまま抗精神病薬適応外使用されている現状を危惧している[22]。一部の不眠症患者では睡眠薬の長期服用する治療選択肢も許容されるが、「しかしながら難治性・治療抵抗性であることは無期限、無制限の処?を正当化するものではない[23]」とし、可能な限り断薬を目指すべきであるとしている[24]認知行動療法には、医薬品と同様の有効性があり、また医薬品と異なり持続的な効果が判明している[25]。日本では、不眠症に対する認知行動療法は保険適応外となっている[26]。認知行動療法は自分で行うセルフヘルプも可能である(「不眠症#認知行動療法」を参照)
分類
不眠症の症状
[27]


入眠の困難さは、快適に眠る姿勢を見つけることが困難であることを含む。

夜間中に覚醒し、睡眠に戻ることができない。

起床時にすっきりしない感じ。

日中の眠気、易刺激性あるいは不安

不眠の性質

不眠の性質からは以下に分類され、不眠症患者の多くはこれらを複数訴えることが多い[10]
入眠障害(Sleep onset insomnia)
夜になってベッドに入っても、いつまでも睡眠が訪れてこない状態である[10]。しばしば不安の症状がある。日照時間にまで睡眠時間帯が遅れていることが原因の睡眠相後退症候群は不眠症と誤診される[28]
睡眠維持障害(Sleep maintenance insomnia)
中途覚醒。寝付くことができても、真夜中に目が覚めて再び入眠できない状態である。この情態から睡眠に戻るのが難しいという入眠困難であることもよくある。これらの人々の3分の2は夜間の半ばに目覚め、半数以上は睡眠に戻れない[29]
早朝覚醒(Sleep offset insomnia)
寝付くことができても、朝早く目が覚めてしまい、再び入眠できない状態である。合計睡眠時間が6.5時間に達する前に、覚醒が(30分以上)早く起こり、睡眠に戻ることができなくなる。しばしばうつ病に特徴的である[30]
熟眠障害(nonrestorative sleep)
睡眠時間はとれているはずなのに、十分に眠れたような気がしない状態である[10]
不眠の種類

種類からは、一過性、短期または慢性として分類することができる[10]
一過性不眠症(transient) - 一日から数日間持続する[10]

短期不眠症(short-term) - 数日から3週間持続する[10]

長期・慢性不眠症(long-term, chronic)- 1カ月よりも長く持続する[10]

低い睡眠の質

低い睡眠の質は、むずむず脚症候群睡眠時無呼吸症候群うつ病によって起こることもある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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