不妊虫放飼
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ウリミバエを野外に放つ前に不妊化を行っている技術者

不妊虫放飼(ふにんちゅうほうし)は、害虫駆除の方法の1つで、人工的に不妊化した害虫を大量に放すことで、害虫の繁殖を妨げる方法である。特定害虫の根絶を目的に行われる。
方法

特定の害虫を人工的に増殖し、それを不妊化して野外に放つ。野外にいる害虫が交尾相手に放飼した個体を選んだ場合、子孫が生まれず、害虫個体は減少する。有効な放飼を十分に続ければ害虫個体数は幾何級数的に減少する。そして、野外個体すべてが不妊化された放飼個体とだけ交尾すれば次世代の害虫の個体数は0になるので、最終的には根絶(地域個体群絶滅)に持ち込める。現在のところ、特定の害虫を根絶させる方法としては、ほとんど唯一の方法である。ただし、野生雌の出会う不妊雄の数が少量であれば個体数を減らす効果は得られないため、大量の害虫を生産する必要がある。不妊化には、普通は放射線が使われる。そのため、不妊雄の生産には、専門的な昆虫生産工場が必要になる。

ただし、この方法が使えるには、さまざまな条件がある。

人工的に大量に飼育することが可能であること。野生個体群の個体数を超えるほどの数を生産する必要があるからである。

野外において、その害虫が隔離された場所にいるか、あるいは移動性が低いこと。放飼をしていない地域との個体の行き来があればうまく行かない。この方法は、根絶が出来なければ、ずっと継続しなければならないが、上記のように、規模の大きい作業になり、金もかかるので、根絶することを前提にしなければ成立しない。

成虫が被害を出さないこと。幼虫が害を与えるが、成虫になれば被害を出さないような害虫が対象でなければならない。害虫の個体数が一時的に倍増するような事態が生じるからである。たとえば幼虫が農業害虫で、成虫が花の蜜を吸うような昆虫であれば問題は生じない。しかし、ハブをこの方法で駆除しようとすれば、被害は激増することになろう。ブラックバスに対してこの方法を使う提案もあったが、不妊化したブラックバスが野外で水生動物を食べるので無理である。

成虫が何度も交尾をするようなものには向かない。雌が数頭を相手に交尾をするとすれば、そのどれかが野生個体であれば子供が出来てしまう。出来れば1回しか交尾をしないか、複数回したとしても、たとえば最後の交尾の時の精子だけが有効になるなどであれば効果が期待できる。

上記のように、かなり条件としては厳しいが、昆虫の場合、親と幼虫の食性の異なるものは少なくない。害虫であれば大量飼育の難しくないものも多い。この方法では、野外に薬剤を使用しないので環境汚染がないこと(現実には個体数減少をねらって薬剤を使用する場合がある)、薬剤抵抗性のように次第に効果がなくなるようなことがないこと、すでに存在する種を放すので外来種を持ち込むような在来の生物群集の攪乱(かくらん)を起こさないこと、同種内の繁殖に関わる構造を壊すだけで他の種類への影響が少ないことなど、優れた特徴がある。

なお、上記の「次第に効果がなくなるようなことがない」は必ずしも正しくない。というのは、放される虫が野外個体と全く同じであれば問題ないのであるが、人工飼育下ではそれが必ずしも保証されないからである。工場施設で大量飼育するためには、自然界と同じ環境が用意されるわけではない。そのため、一定の家畜化のような変化が生じることは十分に考えられる。このためにたとえば野外における交尾成功率が下がるようなことがあれば、駆除の成功は難しくなるであろう。下記の伊藤は、ラセンウジバエでの成功例のあと、いくつかの失敗があるのは、一つにはこれが原因ではないかと考え、ウリミバエの飼育個体の交尾成功率なども調査している。

歴史

不妊虫放飼法を発案したのは、アメリカ合衆国のエドワード・ニップリング(英語版)である。彼は北アメリカ南部地方で、幼虫ヒツジなど家畜寄生して被害を与える、クロバエ科オビキンバエ亜科のラセンウジバエの駆除法としてこれを開発し、1955年にキュラソー島での根絶に成功、アメリカ本土での駆除にかかり、1959年までに、フロリダ地方での根絶に成功した。

なお、この事業は、不妊化に放射線を使うため、“平和のための原子力”の一環としてのデモンストレーション的意味合いがあり、その分野からの後押しが大きかったとも言われる。その後ミバエ類などを対象に、世界の何カ所かで同様の方法での駆除が行われたが、成功したところも、失敗に終わった場合もある。
ニップリングの業績

テキサス州生まれで、大学で昆虫学を専攻したニップリングは、1939年頃、当時画期的だった不妊防除法のアイデアに達した。このアイデアは共同研究者のレイモンド・ブッシュランドによって熱烈に支持されたが、その他の研究者からは一蹴された。第二次世界大戦が始まると、戦場で病気を媒介するハエの研究に二人とも忙しくなり、アイデアは一度眠ることになる。


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