下?県（かけい-けん）は、かつて中国にあった県の一つである。現在の陝西省渭南市臨渭区下?鎮にあたる。
歴史

紀元前7世紀に秦の武公が異民族の?を征服し、現在の甘粛省に上?県を置いた。その?の人が移り住んだため、下?の名が付けられたという[1]。

前漢では京兆尹の下に置かれた[2]。

『後漢書』郡国志には見えない。しかし、後漢末に華?が下?の県令への転出を願ったことがあり[3]、いったん廃止されたとしても再度設置されたようである。

西晋では馮翊郡の下に置かれた[4]。

隋代に華州の延寿郡に属したが[5]、開皇3年（583年）11月に全国で郡が廃止になったため[6]、華州に直属した。大業3年（607年）4月にふたたび全国に郡が置かれたとき、馮翊郡に属した[5]。またこの頃蓮勺県を合併した。

唐が建国した武徳元年（618年）に馮翊郡は同州に改称した。垂拱元年（685年）に下?県は隣の華州に移管した。その後の華州は、垂拱2年（686年）に太州、天宝元年（742年）に華陰郡、乾元元年（758年）にまた華州、上元（760年）にまた太州、宝応元年（762年）にまた華州とたびたび改称したが、下?県はずっとその下にあった[7]。

北宋では華州の下に置かれた[8]。

金の時代にも華州の下にあり、管内に素化鎮と新市鎮の2鎮があった[9]。明昌3年（1192年）12月に、下?県に武定鎮が置かれた[10]。
行政官

下?令（県令）

陸応 - 唐[11]



下?尉（県尉）

趙公儀 - 唐[12]

薛存亮 - 唐[13]



下?主簿

崔重 - 唐[14]

宋? - 後周[15]


公侯

下?県公

李賢 - 北魏。永熙3年（534年）封 - 恭帝元年（554年）河西郡公[16]


脚注^ 『漢書』地理志第8上への応劭と顔師古の注。「 ⇒漢籍全文資料庫」、2017年5月閲覧。
^ 班固『漢書』地理志第8上。ちくま学芸文庫『漢書』3、277頁。
^ 『三国志』魏書、鍾?華?王朗伝。ちくま学芸文庫『正史三国志』2、470頁。
^ 『晋書』志第4地理上、雍州、馮翊郡。
^ a b 『隋書』志第24地理上、雍州、馮翊郡。
^ 『隋書』帝紀第1高祖楊堅上、開皇3年11月甲午条。『隋書』志第24地理上、冒頭解説文。
^ 『旧唐書』、志第18地理1、十道郡国1、関内道。
^ 『宋史』志第40地理3、陝西路、永興軍路、華州。
^ 『金史』志第7、地理下、京兆府路、華州。
^ 『金史』本紀第9、章宗�m1、明昌3年12月丁巳条。
^ 『新唐書』表第13下、宰相世系3下、陸氏、太尉枝。
^ 『新唐書』表第13下、宰相世系3下、趙氏、新安趙氏。
^ 『新唐書』表第13下、宰相世系3下、薛氏、南祖。
^ 『新唐書』表第12下、宰相世系2下、崔氏、南祖崔氏。
^ 『宋史』列伝第35宋?。
^ 『周書』列伝第17李賢。

参考文献

班固『漢書』。小竹武夫訳注『漢書』3、筑摩書店（ちくま学芸文庫）、1998年。

陳寿『三国志』。裴松之注、井波律子・今鷹真訳『正史三国志』2、筑摩書房（ちくま学芸文庫）、1993年。

房玄齢・李延寿他『晋書』。

魏徴他『隋書』。

劉?他『旧唐書』。

欧陽脩『新唐書』。