下り(くだり)
下ることを「下向」(げこう)ともう言う。
対義語は全て上り(のぼり)。
古典的な表現で、首都からそれ以外の地方へ赴くことを表す。首都を中心と考える概念による。
日本では、明治維新以前は京都からそれ以外の地方へ赴くことを表す。「あづまに下りし親、からうじてのぽりて、西山なるところにおちつきたれば……」(更級日記)「下りもの(くだりもの)」は、京都や天下の台所と呼ばれた大坂などの上方から江戸に向かう物品。下り酒、下り飴、下り米。→江戸地廻り経済を参照のこと。
明治時代以降は、東京からそれ以外の地方へ赴くことを表す。
国道等の進行方向として、起点から終点の方向に向かう事を表す。国土交通省道路局が定義している。
ただし沖縄県においては、県庁所在地である那覇から離れる路線を「下り」と通称している。
列車等の運行方向として、東京駅に近い起点駅から出発する列車。下り列車。→ ダイヤグラムを参照のこと。
電気通信網において、中心から末端に向かう方向。
コンピュータネットワークにおいては、中心(コア)から末端(エッジ)に向かう方向。
データ通信回線については、電話局等のセンターから、ユーザ宅への方向。(下り速度など)
インターネット等でのダウンロードを下りということもある。
衛星通信・衛星放送など人工衛星を用いた通信において、衛星から地上に向けた通信回線のこと。ダウンリンク