上関原子力発電所
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上関原子力発電所
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山口県における上関原子力発電所の位置山口県の地図を表示上関原子力発電所 (日本)日本の地図を表示
日本
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯33度47分31秒 東経132度02分04.5秒 / 北緯33.79194度 東経132.034583度 / 33.79194; 132.034583 (上関原子力発電所)座標: 北緯33度47分31秒 東経132度02分04.5秒 / 北緯33.79194度 東経132.034583度 / 33.79194; 132.034583 (上関原子力発電所)
運営者中国電力
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上関原子力発電所予定地の田ノ浦と対岸の祝島推進派団体により設置された看板

上関原子力発電所(かみのせきげんしりょくはつでんしょ)は、中国電力が、瀬戸内海に面する山口県熊毛郡上関町大字長島に建設計画中の原子力発電所である。

長島西端の田ノ浦の山林を切り開いて、14万平方メートルの海面を埋め立て、改良型沸騰水型軽水炉ABWR)2基の建設が計画されている。稼働後に発電される電力は、50万ボルト送電線で山口県周南市まで引かれ、既存の高圧線を経て主に広島県・関西方面に供給されるものと見られている。

2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、工事が中断しているが、2016年以降は工事着手に向けた準備作業が続けられている状況にある。
計画されている設備

原子炉形式運転開始定格出力
1号機改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)未定137.3万
キロワット(予定)
2号機未定137.3万キロワット(予定)

耐震性

最大でマグニチュード8.6の地震に対する耐震性を想定している[1]
推進運動と反対運動

上関原子力発電所の計画に当たっては、賛成派・反対派で町内を二分するほどの激しい対立が続いている。2005年から2009年にかけて、中国電力は建設予定地での詳細調査を行い、2010年には予定地内の埋め立て工事に着手しているが、いずれの機会も反対派の町民や祝島漁民、「虹のカヤック隊」と称するシーカヤックに乗った活動家グループによる作業の実力阻止が試みられている。このこともあって、事業主体の中国電力では計画が浮上してから着工許可を国に上程するまで複数回の延期を繰り返している。
推進派の主張

原発推進を町政運営の悲願とする上関町執行部や、6団体(上関町まちづくり連絡協議会、町商工会、町商工事業協同組合、町建設業協同組合、漁業振興問題連絡協議会、上関原電推進議員会)、が中心になって原電(原発)誘致・推進運動が進められている[2]

推進派は、過疎が進む現状を鑑みて、原子力発電所立地により交付される電源三法交付金固定資産税等により安定的な収入を得ると共に、関係者の定住により人口の減少に一定の歯止めがかかり産業が活性化されることを期待しているとされる[3]。なお、中国電力は上関町に対し「原発立地促進に多大な協力をいただいている」として、建設が具体的に動き出した2007年8月以降、上関町に対し計5回にわたって総額24億円の寄付を行っており、町はこれを一般会計に組み込んだ上で基金を設立し、町民の生活支援事業(中学生以下の医療費全額助成や老人の通院用バス運賃の補助、町独自の地域振興券の交付など)に用いている[4]
反対派の主張

一方の反対派は、上関町の離島・祝島の住民を中心としている。祝島は一箇所に集中している集落のほぼ真正面(直線距離で約3.5km)の長島に原発予定地が位置しており、農水産物の放射能汚染などへの懸念など生活環境に与える悪影響が甚大であると主張している。島民以外では、環境保護団体らが周辺海域に小型クジラのスナメリや海鳥カンムリウミスズメなど複数の貴重な生物が生息する[5]ことや、付近に活断層が存在する可能性がある[6]ことなどの点を指摘している。
選挙

原発建設計画が具体化して以降、上関町全域で見ると、選挙時における推進派候補と反対派候補の得票率はおおむね6:4で固定化されていると言われる[7]。このため上関町長選挙では原子力発電所誘致が表面化して以来、片山秀行、加納簾香、柏原重海と3代連続して推進派候補が当選し、上関町議会議員選挙でも推進派が反対派を上回る議席を得ている。賛成派候補は1991年の町長選挙まで2回続けて得票率を落とし、反対派候補に大きく迫られたが、1995年以降は差が広がる傾向にある[8]。しかし、2000年12月に朝日新聞が行った世論調査では、上関町民300人のうち、原発をつくることに賛成と回答した人と反対と回答した人の割合は42%:58%と逆転している[9]。なお、2010年に行われた上関町議会議員選挙では原発推進派が9議席を獲得した一方で反対派は3議席にとどまり、議会議席数の上では賛成派と反対派の差は広がっている。

11年ぶりの選挙戦となった2022年(令和4年)の上関町長選挙では、推進派の西哲夫が7割の得票率で当選した[10][11]

なお、原発計画が表面に浮上して以降の町長選挙では、中国電力の社員を含む100名以上が不正転入を行ったとして書類送検されたほか、推進派候補の後援会長で当時現職の町議が現金を渡して票のとりまとめを依頼した買収事件が発覚、10名以上の逮捕者が出たため当選した推進派の町長が辞任するなどの事態も起こっている[12]

一方、2003年(平成15年)の山口県議会議員選挙で上関町を含む熊毛郡選挙区(定数1)では反対派の前田布施町議会議員小中進(元新自由クラブ山口県連幹事長)が当選し、2007年に落選するまで熊毛郡初の原発反対派県議として活動した。一方、2011年(平成23年)の山口県議会議員選挙では、熊毛郡選挙区は自民党現職と民主党新人の一騎討ちとなり、両者が原発計画に明確な態度を表明しなかったこともあって争点にならなかったものの、一方で無風区と目されていた近傍の光市選挙区(定数2)で、自民党・民主党の現職に対して、明確に反原発を打ち出した上関町祝島出身の無所属の新人が肉薄して大混戦となるなど、福島第一原子力発電所事故を受けて上関原発問題が選挙に大きく影響を及ぼしている[13]。なお、元職の小中は柳井市選挙区(定数1)に転出するも落選している。
神社地売却問題

建設予定地の一部が四代八幡宮の所有する山林にかかっていたが、当時の四代八幡宮宮司は神社地を原発用地に提供することに反対であったため、2003年には原発推進派の氏子が四代八幡宮宮司の解任を要求する騒動に発展した。結果的に当時の宮司は、神社本庁により事実上解任され、新しく任命された宮司が用地の売却を認めたため、宮司の任免権を持つ神社本庁と前宮司及び反対派の間で対立が続いている。

四代八幡宮の元宮司とその弟は、山口県神社庁を相手取り「自分を解任に追い込もうとして、県神社庁が退職願などを偽造した」として計400万円の損害賠償を求め提訴[14]。一審の山口地方裁判所岩国支部は2009年3月24日の判決で、退職願などが何者かによって偽造されたものであることを認めつつ「文書を偽造しても、宮司らを解任するのに利用できない」などとして県神社庁の関与を否定、請求を棄却した。原告側は控訴したが、二審の広島高等裁判所も、2010年9月2日の判決で「県神社庁が退職願を偽装したとはいえない」として、原告の控訴を棄却した。

これに関連して、四代八幡宮の秋祭りにおいて、山口県神社庁副庁長が祭祀を妨害するなどの圧力を加えた、と宮司は主張している[15][16]
入会権訴訟問題

2004年11月には、氏子4人がこの土地の入会権の存在を主張して売却を無効とする訴訟を起こした。2005年10月20日には、入会権について「問題の共有地が伐採されなくなってすくなくとも30年はたつことから、入会権は時効消滅しており、請求は理由がない」として、1審判決が命じた土地の現状変更禁止を取り消した。


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