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日本語動詞の活用の種類
文語口語
四段活用
ナ行変格活用
ラ行変格活用
下一段活用五段活用
下二段活用下一段活用
上一段活用
上二段活用上一段活用
カ行変格活用
サ行変格活用
上一段活用(かみいちだんかつよう)とは、日本語の口語文法および文語文法における動詞の活用のひとつである。現代の口語文法では、全ての活用語尾に五十音図のイ段の音(-i)が入り、それに「よう・ない・る・た・れ・ろ」が付くという形で変化する。 文語の上一段活用は「着(き)る」「似(に)る」「煮(に)る」「干(ひ)る」「嚏(ひ)る」「見(み)る」「廻(み)る」「射(い)る」「鋳(い)る」「沃(い)る」「居(ゐ)る」「率(ゐ)る」といった十数語とその複合動詞(「顧(かへり)みる」「率(ひき)ゐる」「用(もち)ゐる」等)しかないが、文語の上二段活用が口語で上一段活用に合流したため、口語の上一段活用は語数が多い。 なお学校文法では活用語尾をイ段音が入る部分からとするため、文語の上一段活用は「語幹がない」あるいは「語幹と語尾の区別がない」といった説明様式がなされることがあり、その場合は活用表に語幹は「経(ふ。文語文法では語幹なしとして扱われている)」と同じく()で書かれる。 文語の上一段活用に対して、現代の日本語の教育のうち、いわゆる学校文法に囚われない学習塾や進学系の私立中学校、および日本語教育の場では、「居る」「着る」「似る」「煮る」「出る」「見る」などの動詞は「語幹が -i で終わる動詞」と説明されている。 言語学の観点から言えば、上一段活用の動詞は語幹が母音 -i で終わる母音語幹動詞である(これに対して下一段活用は「-e」音終わり)。そのため語幹は「る」の前のイ段母音までとされ、それ以後が語尾とされる。文語においては語幹母音が母音交替する上二段活用が汎用的であったのに対し、語幹母音が母音交替しない例外的な十数語の不規則動詞をまとめたものである。これらの語はすべて語幹が1音節であり、他の1音節で終わる下二段活用やラ行四段活用と同音になるのを避けるために語幹を安定化させたものと考えられる。口語においては二段活用の一段化が起こって、上二段活用は上一段活用になったものであり、この変化によって日本語の動詞の活用はより簡略化された。 上一段活用動詞は下一段活用動詞と並んでら抜き言葉(「見れる」「出れる」)の候補のひとつとされるが、使役の接尾辞である「-ase-」は「-as-」も併用される(「立たす」は「立たせる」が正だが、「立たされる」は「tat-as-ere-ru」が正で、「立たせられる」(tat-ase-rare-ru))は不自然である)。 外国人を対象にした日本語教育においては下一段活用とともに「グループ2」と呼ばれる。 行基本形活用形 行基本形活用形 文語では仮定形の代わりに已然形となる。また、「ろ」に終わる命令形はない。
概要
上一段活用動詞の活用
口語
語幹未然形連用形終止形連体形仮定形命令形
ア行老(お)いる老-い-い-いる-いる-いれ-いろ・-いよ
居(い)る(居)いいいるいるいれいろ・いよ
カ行起(お)きる起-き-き-きる-きる-きれ-きろ・-きよ
着(き)る(着)きききるきるきれきろ・きよ
ガ行過(す)ぎる過-ぎ-ぎ-ぎる-ぎる-ぎれ-ぎろ・-ぎよ
ザ行閉(と)じる閉-じ-じ-じる-じる-じれ-じろ・-じよ
タ行落(お)ちる落-ち-ち-ちる-ちる-ちれ-ちろ・-ちよ
ナ行煮(に)る(煮)にににるにるにれにろ・によ
バ行浴(あ)びる浴-び-び-びる-びる-びれ-びろ・-びよ
マ行染(し)みる染-み-み-みる-みる-みれ-みろ・-みよ
見(み)る(見)みみみるみるみれみろ・みよ
ラ行降(お)りる降-り-り-りる-りる-りれ-りろ・-りよ
文語
語幹未然形連用形終止形連体形已然形命令形
カ行着(き)る(着)きききるきるきれきよ
ナ行似(に)る(似)にににるにるにれによ
ハ行干(ひ)る(干)ひひひるひるひれひよ
マ行見(み)る(見)みみみるみるみれみよ
ヤ行射(い)る(射)いいいるいるいれいよ
ワ行居(ゐ)る(居)ゐゐゐるゐるゐれゐよ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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