三菱重工業神戸造船所(みつびしじゅうこうぎょうこうべぞうせんじょ)は、神戸港内にある三菱重工業の造船所。三菱重工業下関造船所と三菱重工業長崎造船所と共に三菱重工業の主力造船所・工場の1つ。正式名称は、三菱重工業株式会社神戸造船所。略称は神船(しんせん)。
概要明治時代の三菱重工神戸造船所神戸造船所(1957年頃)
1905年(明治38年)7月20日に創業した。三菱重工の基幹造船所の1つ。コンテナ船、潜水艦、深海潜水調査船などの高付加価値船の建造を得意とする。兵庫県神戸市兵庫区にある本工場と、兵庫県明石市二見町にある二見工場、三菱神戸病院(神戸市兵庫区:230床)からなる。
戦後の過度経済力集中排除法による旧三菱重工業の分割で誕生した新三菱重工業(発足時は「中日本重工業」[注 1])はここを本社とした。1964年、神戸造船所から大型原動機部門が独立し、三菱重工高砂製作所となった。
また、三菱電機はここから分かれてできた会社である。そのため、同社の事業所が現在でも隣り合っている。
造船所には珍しく施設内に史跡があるのもこの造船所の特徴でもある。和田岬砲台(わだみさきほうだい)は神戸市兵庫区にある砲台跡。国指定の史跡で、和田岬の先端近く、三菱重工業敷地内に残る。勝海舟の設計で1863年着工、翌年(1864年)完成。実戦には使用せずに終わる。工場内にあるため、一般公開時以外は予約が必要。
なお、2012年6月で神戸造船所から商船建造撤退、長崎造船所と下関造船所に統合して、神戸造船所は潜水艦建造に特化させる再編計画が発表されている[2][3]。
データ
従業員 - 約4,430名
敷地面積は117ha(甲子園球場の約30倍)
生産品量
本工場(神戸市兵庫区) - 原子力発電プラント、ディーゼル機関、建設機械、燃料電池、宇宙機器、半導体製造装置
二見工場(明石市二見町) - 鋳造、原子力プラント原子力・原動機関連の生産が大半を占め、年間の生産高は2,700億円である(平成17年の場合)。
その他
三菱神戸病院(神戸市兵庫区)
主な製品昭和11年に三菱重工業神戸造船所にて製造された国鉄C56形蒸気機関車44号機の製造プレート(2018年現在は大井川鐵道で運行されている)「Category:三菱重工業神戸造船所が建造した船舶」も参照
船舶
くれない丸(現:ロイヤルウイング) - 1960年竣工(客船)
箱根丸 - 1968年竣工(コンテナ船)
新さくら丸 - 1972年竣工(巡航見本市船、クルーズ客船)
春日丸 - 1976年竣工(コンテナ船)
ふじ丸 - 1989年竣工(クルーズ客船)
にっぽん丸 - 1990年竣工(クルーズ客船)
いしかり (フェリー・2代) - 1991年竣工(フェリー)
ルミナス神戸2 - 1994年竣工(レストラン船)
エヴァー・ウルトラ - 1996年竣工(コンテナ船)
洞爺丸 - 1946年竣工(鉄道連絡船)
大雪丸_(初代) - 1948年竣工(鉄道連絡船)
羊蹄丸_(初代) - 1948年竣工(鉄道連絡船)
八甲田丸 - 1964年竣工(鉄道連絡船)
護衛艦 - ゆきかぜ、てるづき
エメラルドエース - 2012年竣工(自動車運搬船)本造船所で建造された最後の商船となった。
潜水艦
はやしお型潜水艦
SS-521「はやしお(初代)」(1番艦)
なつしお型潜水艦