三菱未来館(みつびしみらいかん)は、国際博覧会や地方博覧会などに三菱グループが出展する場合に用いるパビリオンの名称であり、その名通り一貫して未来をテーマとしている。目次
1 大阪万博
2 沖縄海洋博
3 科学万博
4 愛・地球博
5 その他
6 脚注・出典
7 参考文献
8 関連項目
9 外部リンク
大阪万博 左奥が三菱未来館。前方中央は化学工業館。
1970年の日本万国博覧会(大阪万博)では、「日本の自然と日本人の夢」をテーマに、火山活動や未来の海底牧場など、迫力ある映像を360度視界に映し出す「サークロマ映像方式」が大変な話題となり、民間企業のパビリオンでは最大の入場者数を記録した[1]。
建物は各ブロックを分離させず一点集中としその中の変化を建築表現のベースで対話を求め寄り集まった形とし、時間と形の動きの要素も取り入れ見る位置や光の加減によって姿を変える形とした[2]。造型は天・地・人、真・副・体といった造型手法を応用し三次元的な動的調和を意図し、表面パターンや色彩は祭りの法被に見られる調和のあるにぎやかさを取り込んだものとした[2]。
ゴジラシリーズを手掛ける田中友幸や円谷英二率いる東宝の特撮スタッフが映像を制作した。当時の映画業界は転換期を迎えており、田中は「映画プロデューサーは映画業界だけでなく、他のビジネスにも精通した事業家でなければならない」という東宝専務の森岩雄の勧めを受け、博覧会のプロデューサー業も務めるようになった[3]。
円谷英二は本作の制作中に死去し、この作品が事実上の遺作となった。パビリオンで用いられた音楽の一部は、映画『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に流用された。また、円谷の手掛けた館内映像は映画『ハワイ・マレー沖海戦』DVDの特典映像に収録されている。
本館の未来予想の設定年代にあたる2020年には、三菱グループ創業150周年記念ウェブサイトにて1970年当時の未来予想項目を振り返りながら関連する2020年現在の注目技術を通し、新たな未来を展望するシリーズコラム記事「みらい予想図」が展開されており[1]、大阪万博でのパンフレットもPDF形式で閲覧可能となっている[4]。
スタッフ
三菱万国博綜合委員会委員長:寺尾一郎(三菱商事副社長)[4]
総合プロデューサー:田中友幸[4]
顧問グループ:荒川秀俊(気象学)、小瀬輝次(光学)、片山信夫(地学)、佐々木忠義(海洋物理学)、林雄二郎(社会工学)
特技撮影:富岡素敬
特技チーフ助監督:中野昭慶
監督:坂野義光
起案グループ:田中友幸、真鍋博、福島正実、矢野徹、星新一[4]
アートディレクター:松山崇[4]
特技監督:円谷英二[4]
音楽構成:伊福部昭[4]
三菱技術者グループ:三菱重工業技術管理部長、岡村健治、三菱技術協力委員会[4]
建築設計:三菱地所[4]
施工:竹中工務店、戸田建設[4]
施工協力:三菱建設、新菱冷熱工業、弘電社[4]
制作:三菱万国博綜合委員会[4]
制作協力:東宝、三和通信社、近畿電電広告商事、第一企画、長瀬産業コダック製品部、大沢商会、東京現像所、エルモ社、東芝ホトホーン、日本クラウン[4]
館内
プロローグ「日本の四季」[2][4]
未来の生活環境創造の中に自然観を失うことなく再創造する大切さを訴えることを目的に、日本の四季の風景や繊細な自然を第1室までのエスカレーターの両側の壁に映し出しながら会場を歩き回り複雑となった来館者の心理状態を整える。
第1室「自然の脅威」[2][4]
三菱と東宝技術研究所が共同開発した多面スクリーンとマジックミラーを併用した立体スクリーン「ホリミラースクリーン」を用い台風の大波や暴風雨、火山の溶岩流や爆発を表現する。
第2室「日本の空-50年後の空」[2][4]