三菱ふそう・ローザ
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ローザ(4代目) ショートボディ


PDG-BE64DE ジャパン交通

ローザ(ROSA)は、三菱ふそうトラック・バスが生産するマイクロバスである。
概要

三菱のマイクロバスの歴史は、新三菱重工業(現在の三菱重工業及び三菱自動車工業)製の「三菱・ローザ」(B10系)と、三菱日本重工業(現在の三菱重工業及び三菱ふそうトラック・バス)製の「三菱ふそう・ライトバス」(MB720型)に端を発する(当時のブランド名は、新三菱重工業が「三菱」、三菱日本重工業が「三菱ふそう」であった)。

三菱ふそう・ライトバスは三菱・ライトローザへと取って代わられ、2代目の登場まで、三菱ブランドのローザとライトローザの二本立ての陣容であった。

以後、1964年三菱日本重工業・三菱造船・新三菱重工業の合併による三菱重工業の誕生、1970年の三菱自動車としての独立、さらに2003年の三菱ふそうトラック・バスへの分離を経て、現在は三菱ふそうブランドとなっている(車検証に記載される車名は「三菱」)。

特定バス、小型路線バスロケバスのほか、キャンピングカーのベース車としても使われており、マイクロバスでは唯一1987年グッドデザイン賞を受賞した車両でもある。また、日本のバス専用車としては最も長きに亘って四輪駆動モデルがラインアップされていた(ライバルのトヨタ・コースターには高機動仕様シャシを流用した仕様、日産・シビリアンにはいすゞ・エルフの4WDシャシを流用した仕様が存在した)が2011年のマイナーチェンジで廃止されたものの、2015年に復活、2023年5月時点で日本における小型バスでは唯一の設定となる。4WDが要求される航空自衛隊サイト用人員輸送車として多く採用されている。

日本で現在販売されているマイクロバスの中ではOEMの車種がない上、競合車種である日産・シビリアンが2021年に販売終了し、トヨタ・コースター日野・リエッセIIもモデル切替やその途中で日野自動車エンジン不正問題が発覚したことに伴って2022年2月から生産・販売が休止されていたため、2023年3月15日に一部改良の上生産・販売を再開するまではマイクロバスとしては唯一であり、バスとしては唯一、トランスミッションMTの選択が可能な車種である。
歴史
初代(1960 - 1973年)
B10/B20系
初代B22D型 27人乗ハイルーフ
札幌市交通局

1960年、新三菱重工業(現在の三菱重工業及び三菱自動車工業)製の「三菱・ローザ」誕生。

ローザは中型トラックのジュピターをベースとした関係で、他社製マイクロバスに比べ大きめの車体で、価格も高く、当初からリアダブルタイヤを標準とし、直列6気筒ディーゼルエンジンや、当時の国産マイクロバスで唯一となる全長6 m級のモデル(その後7 mモデルも投入)を加えるなど、やや営業車向けのポジションであった。

メルセデス・ベンツ L319の影響を強く受けたスタイリングは、「だるまローザ」の異名を持つ。
三菱ふそう・ライトバス(1963 - 1966年)
MB720型

1963年、三菱・ローザとは別に、三菱日本重工業(現在の三菱ふそうトラック・バス 川崎製作所)の生産による、「三菱ふそう・ライトバス」が発売される。

こちらは2 tトラックのT720型キャンターをベースとしており、他社同様の体躯で、三菱・ローザに比べ一回り小さい。車体は呉羽自動車製で、フロントまわりにキャンターと共通の意匠が見られる。

1964年、マイナーチェンジ。キャンターに歩調を合わせ、前照灯を丸形2灯から丸形4灯へ変更。

全長5500 mm、定員21名、直列4気筒1986 ccの4DQ1型ディーゼルエンジン、運転席ドアを持つなど、より自家用向けの内容であったが、バリエーション展開も無いまま、わずか3年でその座を「三菱・ライトローザ」へ譲っている。
三菱・ライトローザ(1966 - 1973年)
B12型/B13A型/B14型/B14A型/B16A型

三菱ふそう・ライトバス(MB720型)の実質上の後継として登場し、B10/20系三菱・ローザとは併売の形をとった。車格的にはこちらが現在のローザの直系の祖となる。

大柄な車体や営業車向けの品質ゆえに高額であったローザは、特に短尺車の販売が思わしくなく、自家用マイクロバス市場では他社の後塵を拝す結果となった。そこで、小型化とコストダウンに主眼を置いたマイクロバスを、乗用車生産のノウハウを持つ三菱重工業が開発することとなった。

外観が垢抜けなかったふそう製のライトバスから一転、トヨタ・ライトバス K170B系に非常に似たスタイルに改められ、寸法もトヨタ・ライトバスとほぼ同じとされた。直列4気筒のKE42型ガソリンエンジン、シングルタイヤ、定員25名と仕様を絞ったことで、価格競争力は十分となった。経済性が徹底的に追求され、定員もほぼ同寸のトヨタ・ライトバスに比べ3名(一列)多い。上級車として直列6気筒ディーゼルのKE63型搭載モデルもラインナップされた。

1969年、マイナーチェンジ。ガソリンエンジンをKE47型へ変更(車両型式はB13型となる)、さらにふそう系の2.4 L 4DR1型ディーゼルエンジンや(B14型)、ダブルタイヤ車(B13A型/B14A型)を追加する。直6ディーゼルエンジンは廃止される。
外観では、側面方向指示器が大型化され、前照灯が丸形4灯からコルト1000同様の異型角形2灯となり、フロントグリルも工数の少ないメッシュタイプへ変更された。

1970年、マイナーチェンジ。フロントグリルの意匠変更。同年7月にもう一度マイナーチェンジを行い、ディーゼルエンジンを2.7 Lの4DR5型へ変更、前照灯は再び丸形4灯となる。
2代目(1973 - 1986年)

B210系2代目後期型 弘南バス 2ドア路線仕様

1973年4月 - フルモデルチェンジで登場。車格はライトローザを受け継ぎ、この世代から大小2つのローザが一本化された。エンジン直4 2.7 L ディーゼル・80馬力(4DR5)と、直4 2.3 L ガソリン・100馬力(KE47)の2種類。通称プリティローザ。

1973年9月 - 4.0 Lの直6 ディーゼル・105馬力(6DR5)を搭載したロング仕様を追加。

1979年3月 - 初のマイナーチェンジを実施。外観ではフロントグリルと、テールランプを丸型から角型に変更。フロントエンブレムはエム・エムマークに変更されフロントグリルから分離される。2.7 Lディーゼルは54年排出ガス規制と同時にクーラー搭載車のコンプレッサーの負荷を考慮し、3.3 L・95馬力(4D30)に変更。また、フロントウインカーとインパネ形状が4代目キャンターと共通化され全車フロアシフト化。

1983年1月 - 一部改良で昭和57年排出ガス規制適合。フロントエンブレムがMMC表記に変更され、直結式冷房車を設定。後輪シングルタイヤ仕様廃止。

1983年6月 - ターボ付き3.2 L 120馬力ディーゼル(4D31)を追加設定し、4.0 L 6気筒ディーゼルを廃止。モケットリクライニングシート装備のカスタム追加。


後期型標準ボディ
デラックス

後期型標準ボディ
デラックス(リア)

後期型標準ボディ
デラックス(車内)

後期型ロングボディ
カスタム

3代目(1986 - 1997年)
BE4系
3代目中期型

(型式不明)草軽観光バス

1986年6月 - 13年ぶりの全面変更で、先にデビューしたMS7系エアロバスのデザインを組む流麗なラインとなる。拡大されたフロントウインドシールドと、左下のセーフティーウインドウ、インパネデザインと、操作系のレイアウト人間工学を取り入れ運転環境が大幅に向上。


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