三相誘導電動機
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.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}電動機 > 交流電動機 > 誘導電動機右の電動機は覆いを取り除いた事で空冷ファンが見える三相式空冷型誘導電動機 この三相式誘導電動機は内部が密閉されているので冷却は外装の冷却ひれに強制的に空気を送って冷却する三相交流誘導電動機のカットモデル

誘導電動機(ゆうどうでんどうき、Induction Motor、IM)は、交流電動機の代表例である。固定子の作る回転磁界により、電気伝導体回転子誘導電流が発生し滑りに対応した回転トルクが発生する。

入力される交流電源の種類によって、単相誘導電動機と三相誘導電動機に大別され、一般的には特別な工夫なしで回転磁界を得ることができる三相交流を用いる。

同じ交流電動機である同期電動機と比較して脱調することがないため、トルク変動の大きい負荷に向いている。滑りによりトルクを得る原理上、過去においては回転速度の制御が困難になる点が欠点となっていた。しかし近年のパワーエレクトロニクスの発展でインバータ回路で回転数を自在に制御可能となったことで、欠点は解消されている。回転子に電気的な接続が不要である。誘導電動機の回転子には巻線型とかご型がある。

かご形三相誘導電動機は、自己始動性、信頼性、経済性に優れているため、産業用駆動装置として広く使用されている。単相誘導電動機は、扇風機などの家電製品のような小さな負荷に広く使用されている。誘導電動機は従来、固定速度で使用されてきたが、最近では可変周波数ドライブ(VFD)や可変電圧可変周波数制御(VVVF)と組み合わせて可変速度で使用することが増えている。これらの制御方法で、トルク変動の大きい遠心ファンポンプコンプレッサーや、トルクと回転速度の変動幅が大きい鉄道車両などにおいて低コスト・高効率化が期待される。かご型誘導電動機は、固定速度と可変電圧可変周波数制御の両者で非常に広く使用されている。
歴史ベオグラードのテスラ博物館に展示されているテスラの最初の誘導電動機の模型初期のかご形誘導電動機

1824年、フランスの物理学者のフランソワ・アラゴ回転磁界の存在でアラゴーの円板を作り、1879年この効果を利用してWalter Bailyが手動で回転を切り替える原始的な誘導電動機を作った[1][2][3][4]

ハンガリーの技術者オットー・ブラシーは無整流子単相交流誘導電動機を発明し、電力量計に使用した。

最初の交流無整流子電動機ガリレオ・フェラリスニコラ・テスラによってそれぞれ独立して発明され、実動する電動機の模型が1885年、1887年に実演された。テスラは1887年にアメリカの特許を出願して1888年5月にいくつかについて特許を取得した。1888年4月Royal Academy of Science of Turin にフェラリスの交流多極電動機の運転の詳細に関する研究を出版した[4][5]

1888年5月、テスラは技術論文A New System for Alternating Current Motors and Transformers をアメリカ電気学会 (AIEE)に投稿した[6][7][8][9][10]。そのなかで4極固定界磁電動機について3形式を述べている。1番目:4極回転子で自己起動できないリラクタンスモータ。2番目:自己起動可能な誘導電動機。3番目:回転子の界磁を励磁するために直流を供給する真の同期電動機

当時、交流送電を開発していたジョージ・ウェスティングハウスは1888年にテスラの特許の権利を取得してフェラリスの誘導電動機の概念と合わせた[11]。テスラは同様に1年間相談役を引き受けた。ウェスティングハウスはテスラの補助を目的として後にウェスティングハウスの誘導電動機の開発を引き継ぐことになるC. F. Scott(英語版)を雇用した[6][12][13][14]。Mikhail Dolivo-Dobrovolsky(英語版)は1889年に信念をもってかご形誘導電動機と三相変圧器の開発を売り込んだ[15][16]


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