三毛猫ホームズ
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『三毛猫ホームズシリーズ』(みけねこホームズシリーズ)は、赤川次郎による推理小説のシリーズ。赤川次郎特有の読み易さと、が主人公であるストーリーの奇抜さから、現在も新刊が刊行される人気シリーズである。既に本家『シャーロック・ホームズシリーズ』を凌ぐ巻数になった[1]辻真先の『迷犬ルパンシリーズ』の主役の面々と共演したこともある。

雑誌(「小説宝石」・挿絵は塚本やすし)に連載した後(一部には書き下ろしもある)、「カッパ・ノベルス」で刊行され、後に光文社文庫、さらに二次文庫として角川文庫に入る(角川文庫の方が早い作品も一部ある)。

小説以外にも、赤川次郎のエッセイなどに「三毛猫ホームズ」のタイトルが付けられたものがある。

また赤川次郎の公式ファンクラブは「三毛猫ホームズと仲間たち」の名称で活動しており、その会報は「三毛猫ホームズの事件簿」の名称で年4回発行されている。
シリーズ誕生まで

1975年から1976年にかけて、光文社カッパ・ノベルスで鉄道ミステリーのアンソロジーが刊行され、その第3集『見えない機関車』では、赤川の短編『幽霊列車』が収録候補に挙げられた。この案は、同作が文藝春秋刊行の短編集に収録されることになったため、流れたが、光文社の編集者・浜井武は、せっかくのコネを無駄にすることはないと、赤川に会いに行った。そこで赤川は、『三毛猫ホームズ嬢の冒険』・『ひまつぶしの殺人』・『ビッグボートα』の3つのプロットを提示した。浜井はこのうち、三毛猫がタイプライターを打って物語が展開する、「三毛猫ホームズ嬢」の案を面白いと考えた。しかし、当時のカッパ・ノベルスは、松本清張高木彬光の現実的な設定の作品が多くの読者を集めていたこともあり、編集部から、もう少し現実的にするよう、設定の変更が求められた。これを受け、三毛猫がそぶりによって推理を示す、現在の設定が生まれた。なお、本シリーズが、光文社文庫のみならず角川文庫にも収録されているのは、カッパ・ノベルス編集部から角川書店に移籍した編集者・藤原剛の縁に端を発したものである[2]
登場人物

片山家関係者以外は姓のみで名前は出て来ない。
ホームズ
『推理』で飼い主(森崎智雄)が殺されたため、片山家で飼われることになった雌の
三毛猫。事件現場に限らず、片山達に事件の重要な何かを教えるような行動をとる。紅茶を嗜み、アジの干物が好物。腫瘍ができ子宮を切除したためか、非常に落ち着いた雰囲気を持っている。赤川次郎が実際に飼っていた雌の三毛猫「ミーコ」がモデル(カッパ・ノベルス版『三毛猫ホームズの推理』のカバーに著者とともに写真が掲載されている)。
片山義太郎(かたやま よしたろう)
28歳、のっぽでひょろりと長い体に丸い童顔(『推理』より)。
警視庁捜査一課の刑事でありながら、優しげな童顔と女性のようななで肩といった風貌から『推理』では「お嬢さん」のニックネームで呼ばれている。ホームズの様々な行動から事件の謎を読み解く。血が苦手で高所恐怖症・女性恐怖症。本人曰く「モテない」にもかかわらず、事件に関わった女性に好かれることが多い(ただし、最後はフラれるか、諸事情によって片山の周りから消えてしまう)。父親は「鬼刑事」と呼ばれるほどの腕利きであったが、非番の時に空き巣を捕まえようとして刺殺される(片山が刑事になったのは父親の遺言による)。母親もすでに他界しており、現在は妹の晴美と二人暮し。『推理』の最後で、ある理由で辞表を提出しているが、保留のままで宙に浮いた形になった上、その後も辞表を出し続けるも今の上司の栗原に黙殺されている。アルコールも全くダメで、飲むとすぐに倒れてしまう。
片山晴美(かたやま はるみ)
21歳、 義太郎の妹で、兄とは対照的に、小太りで肉付きのいい体(『推理』より)。ホームズの飼い主。ホームズを連れて事件調査に乗り出すなど行動的で、性格も兄とは正反対。石津は晴美にベタ惚れで、『卒業』では兄の同級生の久米にデートを申し込まれるなど、もてるようである。『推理』ではとある男性の子供を堕胎している。『追跡』や『怪談』、『騎士道』、『四季』など、いくつかの作品では事件に深入りし何度も死にかけているが、全く懲りていない。酒には強く、晴美を酔いつぶそうと一緒に飲んだ男を家に送り届けたこともあるほど。『推理』ではデパートに勤務していたが、『追跡』では「新都心教養センター」の受付嬢に転職。
石津(刑事)
25歳。『追跡』から登場。晴美の「自称」恋人で、目黒署刑事課の刑事であり、目黒署管内で事件が発生したために片山らとかかわるようになる。その後も自宅のそばで事件が発生し第一発見者となったり(『怪談』)、事件の関係者が目黒署管内に住んでいたり(『狂死曲』)等、捜査にかかわる理由が説明されているが、『騎士道』から始まるヨーロッパ編では晴美が「いたほうがいいと思う」という理由で呼び出したため参加することになり、以後、特に説明なく最初から事件捜査に係るようになる。後に異動したらしく『沈没』では警視庁の者と名乗っている。180cm近い長身で体格が良く、怪力の持ち主。気が優しく、馬鹿正直で大食漢。『駈落ち』では、女性を愚弄するような発言をした男を殴り、謹慎処分となった。『騎士道』では、城主の部屋を調べた時、最初に見た時と比べていくつかの武器がなくなっていることを、片山や晴美より早く見抜き、無くなっている武器を全て言い当てた。幼い頃に映画で見た化け猫のトラウマのせいで巨体に似合わず猫恐怖症であるが、ホームズには徐々に慣れてきている。片山と晴美に内緒で新興住宅地の団地に申し込む際には配偶者欄に石津晴美と記入したが、当選した現在は独り暮らしをしており、状況によって(『駈落ち』など)は被害者の一時保護の場所として使われることがある。小説では苗字のみ。
栗原(警視)
『追跡』から登場。警視庁捜査一課の課長。義太郎の上司。義太郎達の良き理解者でもある反面、我がままが昂じて苦労をかける面も。片山から辞表を受け取っているが黙殺している(引き出しにしまいこんでどこかにやってしまったり、メモがわりに使って捨ててしまったりして、毎回紛失してしまう)。絵画が趣味だが、お世辞にも上手いとは言えない(ライオンを描いた作品を素敵なダックスフントと晴美に言われるくらいの)腕前で、鑑賞した人に感想を求めては苦労させている。最近ではカメラに凝っているようで、上手く撮れた写真を絵にしているらしい。美術展に幾度となく出品しており、片山や晴美も無理矢理誘われている。
根本(刑事)
『追跡』から登場。警視庁捜査一課の刑事でやや辛口ながらも面倒見のいい先輩。妻帯者。
南田(検死官)
殺人事件があると飛んでくる。必ず余計な話をしてからでないと、肝心な話をしない。殺人現場にくると普段よりのんびりした性格になる。ホームズのことを「猫君」と呼んでいる。
児島光枝(こじま みつえ)
片山兄妹の叔母。両親を失った2人の母親代わりを自認している。世話好きで、仲人を務めることが生き甲斐。いつも義太郎に見合い話を持ってくるが、当の義太郎は迷惑に思っている。晴美の見合い話を持ってくる場合もある。
シリーズ作品リスト

かっこの中の数字は本シリーズの解説やカバー・帯・作品リストなどで「第〇弾」・「第〇作」・「〇作目」・「〇冊目」等とされている数字である。この数字は光文社カッパノベルス版において、長編では1作(1冊)ごとに、短編では短編集1冊ごとに長編短編を通して刊行された順番でカウントしたものであり(そのため光文社カッパノベルス版では刊行されない再編集版短編集・小説以外のエッセイ集や対談集は含まれない)、光文社カッパノベルス版だけでなく、刊行順序が少し異なるものがあり再編集版短編集も含まれる光文社文庫版・異なる出版社の角川文庫版や岩崎書店刊行の赤川次郎ミステリーコレクション版でも同じ数字が使用されている。
長編
(1)
三毛猫ホームズの推理愛蔵版には短編「三毛猫ホームズのいたずら書き」を収録。

(2)三毛猫ホームズの追跡

(3)三毛猫ホームズの怪談

(4)三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソディ)

(5)三毛猫ホームズの駈落ち

(6)三毛猫ホームズの恐怖館

(8)三毛猫ホームズの騎士道

(11)三毛猫ホームズの幽霊クラブ

(13)三毛猫ホームズの歌劇場(オペラハウス)

(14)三毛猫ホームズの登山列車

(16)三毛猫ホームズの騒霊騒動(ポルターガイスト)

(18)三毛猫ホームズの四季

(19)三毛猫ホームズの黄昏ホテル

(20)三毛猫ホームズの犯罪学講座

(21)三毛猫ホームズのフーガ

(22)三毛猫ホームズの傾向と対策

(24)三毛猫ホームズの心中海岸

(26)三毛猫ホームズの安息日

(27)三毛猫ホームズの世紀末

(28)三毛猫ホームズの正誤表


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